想像力を発揮しよう!
~優しい人は意地悪な人にもなれる~
⇒第146回「欲しがらずに役に立つ喜び~幸せの基準をどこに設定するか?~」はこちらから

最近Netflixに配信されたドラマ「3年A組」を観ました。菅田将暉が演じる教師が生徒を人質に教室に立てこもる話です。隠し撮り動画がネットで配信され、そこに書き込まれる配慮のない投稿をテーマにした作品ですが、ドラマの中で菅田将暉演じる教師が「想像力を働かせろ!」と言うシーンが印象に残っています。誹謗中傷を受ける人がどんな気持ちになるのか。書いている人はそこまでの意識がないにしても、それがどれだけ人を傷つけるのか。それを想像して欲しいと懇願するのです。
私自身は小さい頃から妄想癖があったせいか、想像力は豊かな方かなと思います。仕事でもプライベートでも想像力のない対応をされると、少し悲しくなります。個人的には、待ち合わせ場面での連絡の取り方で感じることも多いですね。例えばそこで集合する人が初対面の時、お互いの情報を事前にどう伝えるか。そして何かあって遅れそうな時、前日から体調に不安があってリスクがある時、相手が適切に判断できるように、伝えるタイミングや情報の内容を整えることが大切だと考えています。それが相手の主体性を尊重することだと思います。人によってスタイルは違うので一概には言えませんが、「会った時話すから!」とか、「ちょっと遅れそう!」などのファジーな情報だとそれに対してどう判断して行動してよいかわからず、困ることがありますね。ある事象が起きたら、その先にはどんな事が起るのか?それは自分以外の人から見たらどう受け取られて、どういう影響を及ぼすのか?そこを想像する力が重要です。
仕事だと想像力のある伝え方をできるかどうかで大きくその成果に影響すると思います。私たちの会社のように、形のないサービス業の場合は特にそうです。誰かに仕事上の情報を伝達する時も、「これはこうだから、こういう風にやってもらえればよいから」等、結論とやり方だけを伝えると、違う事象が起きた時に受け手が的確な判断をできません。違う状況が起きることも想像して、その人に背景や目的、関わる人の状況まで理解できるように伝えていれば、柔軟な対応ができる可能性が高まります。
社長として営業を受ける時にも感じることがあります。その製品の特長やメリットばかり話してきて、「うちの会社がその製品を導入したあとのことをこの営業の方は想像できているのかな?」と思うことがあるのです。以前学んだ「サービス業の営業はセールストークで売ってはいけない」という言葉があります。サービスは、そのサービスが納品された後に満足度が確定し、それがその後の取引(LTV)に大きく影響するからです。受注することを目的にしてメリットばかりを訴求するのではなく、お客様が導入した後のことを想像して、そこに対するリアリティのあるコミュニケーションを取ることが重要です。
想像力は、たくさんの経験を積んでいる人からもある程度は学べます。リアリティの問題はありますが、本や映画などからも学べます。でも実際には自分がいかに経験してそこからどう学ぶかが重要ですね。待ち合わせに何十回も遅れても学ばない人もいるので。
一方、映画や小説などで感じるのは、「想像力があるやさしい人は意地悪な人にもなれる」ということです。「この人にこうしてあげれば喜ぶ」「こうしたら悲しむからしない」と考えられる想像力がある人は、その逆をすればその人が苦しむことがわかるからです。ミステリーで優しい人が実は殺人犯だったりしますね。想像力を働かせることはとても大切ですが、それをどう使うかはその人の価値観次第ですね。想像力を発揮して、それを良い方向に使って生きていきたいですね。

■萩原 張広 Profile
株式会社エムエム総研代表取締役CEO。株式会社リクルートにて法人営業、営業マネージャーとして7年のキャリアを経て、株式会社エムエム総研を設立。法人営業のコンサルティングサービスを大手IT企業やベンチャー企業に向けて多数提供。1998年、ニューヨークでの視察経験から日本でのBtoBマーケティングの必要性と可能性を感じ、業態をBtoBマーケティングエージェンシーとする。以降、数百件のマーケティングプロジェクトに関わる。