• 2020/04/02
  • 連載企画
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はりこらむ 第1回「バブル崩壊、リーマンショック ~そして2020年今思うこと(1)~」

  • 萩原 張広  
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エムエム総研萩原です。

今年は東京オリンピック開催、安倍政権での景気拡大、一方、米中貿易摩擦や相次ぐ自然災害など、明るい見通しとひょっとしたらという不安がいりまじる年だと思います。
そんな中でエムエム総研は今年31年目を迎えます。「マーケティングの力で日本を元気に」をモットーに私自身、このBtoBマーケティング業界で長きにわたり1つの会社を経営してきました。

まだまだ成長の過程ではありますが、30年という歴史の中で私が得た経験や知識、ノウハウがきっとどこかでお役にたてるのではと考え、コラムを書き始めることにいたしました。

今後定期的に掲載を考えておりますので、是非お楽しみ頂けたら幸いです。


その①バブル崩壊編


メロンを持ってお金を取りに来た社長


改めて昨年の10月に、エムエム総研を立ち上げ社長に就任してから30年目の年に入りました。まあそれなりに長い年月ですから、経営的なピンチはありましたが、やはりバブル崩壊とリーマンショックは大きな波だったと思います。

実際に、多くの友人の社長たちが自己破産したり、消息がなくなったり。
もちろんそういった状況を乗り越えて今も成長を続けている人たちもたくさんいます。
むしろそちらの方が多い様な気がするのは仲間に恵まれているからなのかも知れません。

バブル崩壊(1992年くらいでしょうか)が始まったころ、エムエム総研を創業してまだ1年半くらいの時に、仕事を発注していた映像会社の社長が、先に支払いをして欲しいと大きなメロンを持って頼みに来て、確か150万円くらいの買掛金を、先に払った記憶があります。

そのお金を私が住んでいた自宅のあった南武線の矢向という駅まで取りに来ました。
お金をもらって安心して笑顔になり、足早に帰って行った社長の後姿を今でも鮮明に覚えています。しかし、その次の日からその社長は行方がわがらなくなりました。

僅か1年半前まで、サラリーマンだった私にとっては、まるでドラマの1シーンを見ているようでしたが、これが現実なんだなと世の中を知った瞬間でもありました。


会社設立1年半でバブル崩壊


設立当初のエムエム総研は、設立前に私が勤めていたリクルート時代のお客様にリクルートと競合しないサービスを売るみたいな、ファジーな戦略でスタートしていました。

明確な事業戦略やプロダクトがあった訳でもなく、それでも当時リクルートが手掛けていなかった、採用専用のパンフレットの製作や、従業員満足度調査(今のモチクラみたいなもの)などの、人事周辺のサービスを行い、社員数は数名ほどでしたが初年度から1億を超える売り上げを上げていました。

そんな中不動産業界での総量規制がはじまり、これがバブル崩壊のきっかけになりました。その当時のメインクライアントにまさに不動産の会社があり、その会社が倒産するという知らせが、リクルート時代の住宅情報の事業部の知り合いから私のところにありました。売掛は1,000万近くあったと思います。当時の月商とほぼ同じ金額です。

その知らせが会社に来ると解った時(その日の夜は忘年会の予定が入っていました)、私はあえて会社におらず、会社の近くの、私が通っていることを社員みんなが知っているスポーツクラブに行っていました。

案の定、スポーツクラブに、会社から連絡が入りました(当時はまだ携帯は普及していないので)。私は平然とした顔で会社に戻り、「大丈夫!もうすでに知っていて、手を打ってあるから」と言いました。

みんなは不安そうな顔をしていましたが、構わずそのまま全員で忘年会へ。実は頭の中は真っ白で、忘年会をどう過ごしたかは覚えていません。当時まだエムエム総研のオフィスは横浜の60㎡ほどのマンションの一室でした。(いまと違いスタートアップを支援する環境や、ベンチャーブームとかはまだなく、少ない手元資金での創業でしたので。)

そんな中、ちゃんとしたビルのオフィスに移転しようと、前期の黒字の決算書をもとに銀行に借り入れの申請をしていました。そうやって短期的なピンチはこの資金でしのぐことができました。(銀行さんには、いつ引っ越すのですかと何度も聞かれましたが)

次回 『作れば売れる時代から、売る技術が必要な次代へ ~バブル崩壊から学んだこと~』へと続く


⇒次の記事はこちらから


■萩原 張広Profile
株式会社エムエム総研代表取締役CEO。株式会社リクルートにて法人営業、営業マネージャーとして7年のキャリアを経て、株式会社エムエム総研を設立。法人営業のコンサルティングサービスを大手IT企業やベンチャー企業に向けて多数提供。1998年、ニューヨークでの視察経験から日本でのBtoBマーケティングの必要性と可能性を感じ、業態をBtoBマーケティングエージェンシーとする。以降、数百件のマーケティングプロジェクトに関わる

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