• 2020/05/15
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PLとBSって何? 企業経営における基本的なことを知っておこう

  • マーキャリ 編集部
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目次

会社の経営について分析する上では、会社の経営情報をしっかりと把握することが欠かせません。しかし、会計や簿記と聞くと、専門用語が多くよく分からないといった方も多いのではないでしょうか。この記事では、簿記の基本となる5つの要素と、PL(損益計算書)、BS(貸借対照表)の基礎的な読み方について解説しています。PLとBSについて全く知識がなくても理解できるよう、用語の解説などもおりまぜています。会計についての初めの一歩としてぜひ参考にしてください。


簿記や会計が経営分析に重要な理由

簿記とは、売上や仕入れ値、経費などさまざまなお金の動きを帳簿に記録するものです。簿記を行う理由は、実は自社のためだけでなく、自社と利害関係にある相手に対して情報を開示するためでもあります。たとえば大規模な設備を購入するために金融機関からお金を借りるとします。銀行からすれば、相手の経営状態が分からなければお金をいくらまで貸せるかなどが判断できませんよね。簿記を行うことで相手は初めて会社の経営や財政の状態をチェックすることができるのです。


利害関係とはお金を借りる金融機関とだけではあるものではありません。きちんと支出や経費を申告しているかをチェックする税務署にとっても簿記は必要ですし、投資してくれている株主や、ひいては社員のためにも必要なものです。


簿記において重要な5つの要素

簿記では会社が持つさまざまなお金や商品などは、「資産」「負債」「純資産」「収益」「費用」の5つの要素に分けられます。のちほど説明するPLやBSにおいても重要になりますので、簡単に確認しておきましょう。 

資産

資産とはひとことで言えば「お金そのものや将来的にお金にできるもの」となります。手元にある現金や商品、土地や建物なども資産です。また、「売掛金」と言って、あとから支払われるお金も資産に含まれます。企業では、契約や売買が決まってもその場で現金払いということはありませんよね。契約があり、その先に支払があるのが通常です。商品はお金をもらう前に相手に渡っていることも多いでしょう。そのように後から支払われるお金が「売掛金」です。相手に貸したお金もあとから返ってきますので、資産となります。  

負債

負債とは、お金の支出につながるものです。あとで支払わなければならないものは支出に含まれます。「買掛金」といって、「売掛金」の逆のものが代表例です。商品を受け取ってこれから支払を行うもの、その金額が「買掛金」です。他にも借りているお金なども負債に含まれます。  

純資産

純資産は、資産と負債の差額です。手元に残った純粋な資産と言えます。会社を始めたときからある資本金と、これまでの儲けで構成されています。  

収益

収益とはひとことで言えば売上のことです。本業の仕事以外にも講演会などを行って得たお金も売上に含まれます。厳密には、預金したお金に利息なども含まれますが、まずは売上のことだと思って問題ありません。  

費用

経費と考えると分かりやすいかもしれません。販売する商品を作るために必要な仕入れや給料、事務所の家賃や光熱費、広告宣伝費などが費用に該当します。

BS(貸借対照表)の役割

BSとPLのうち、まずはシンプルなBSの方から説明していきます。BSとは英語でBalance Sheetと呼ばれるもので、日本語では「貸借対照表(たいしゃくたいしょうひょう)」という企業の財政状況を示す書類のことを指します。会社が持っている現金や土地・建物などの資産や借金といったものをまとめ、財政状態を把握するための書類です。


BS(貸借対照表)は、「資産」・「負債」・「純資産」の3要素で構成されます。必ず「資産=負債+純資産」となっています。資産から負債を引き、純資産を見ることで純粋にどのくらいの資産があるかについて知ることがBS(貸借対照表)を作る最終目標だと言えます。簡単にいえば純資産が少なければ経営がピンチとなりますし、純資産が多ければ経営は良好だと判断できます。


BS(貸借対照表)を見る上で重要なのは、特定の瞬間の財政状況を表したものだということです。

PL(損益計算書)の役割

PLは英語で「Profit & Loss Statement」といい、略してPLと呼ばれています。日本語では「損益計算書」と訳されます。PL(損益計算書)は企業の経営成績を示す書類です。PL(損益計算書)は「収益」と「費用」と収益から費用を引いた「純利益」の3要素で構成されています。純利益とはいっても、費用が大きければマイナス(純損益)になることもあります。「収益=費用+純利益」の図式が成り立っています。PL(損益計算書)を作成することにより、会社がどのような収益を得て、どんな費用が掛かり、最終的にいくらの儲け(または赤字)が出たのか、という情報を知ることができます。


PLを見る上で重要なのは、特定の期間の収益と費用を集計したうえで、収益から費用を差し引く純利益の計算を行っていることです。  

PLとBSの違い

PLとBSはどちらも財政状況を把握するものなので、一見その違いが分かりづらいかもしれません。PLとBSの最も大きなちがいは、PLは特定期間における財務状況を表すのに対し、BSは期末などのある瞬間におけるものだということです。


BSは点で、PLは線で財政を捉えるという役割の違いがあります。点で表すBSだけを見ても、その会社の期中の動きは知ることができません。しかし、PLは売上高などの1年間の積み重ねを数値に反映します。経費が1年でいくらかかったかといったことを把握できるのもPLです。となると、BSが不要なような気がしてきますが、PLとBSのどっちが大事というものではなく、重要なのは2つの表のつながりを見ることです。


2つの表のつながりとは、以下のような流れです。まず、前年度末という点におけるBSがあり、今年度の1年間の動きがPLで資産や負債に表され、最終的な純利益が増えたら今年度末におけるBSの数値が出来上がるという流れがあります。


PLとBSは見た目も役割も異なるものです。点だけみても全体は把握できませんが、概要を見ても要点がつかみづらいでしょう。PLとBSのつながりを知ることが企業の経営状態の認識のために重要であることを覚えておいてください。

営業にとってのPLとBS

PLとBSは経営層だけが理解しておけば良いものではありません。例えば、営業職にとってPLとBSを理解していれば、営業シーンで企業理解を深めるだけでなく、財務系のコンサルタント営業や、コンサルタントへとキャリパスを進める可能性もあります。 もし、あなたが営業職としてのキャリアパスでお悩みであれば、ぜひマーキャリNEXT CAREERにご相談ください。法人営業に特化したキャリアアドバイザーが企業に合わせて、あなたの強みや自己PR方法をアドバイスします。

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