
筋トレを始めて1年間継続できる人は、全体の30%程度という調査があるようです。私も10年以上前から筋トレにチャレンジしていて、以前ライザップに通っていました。3か月で多少はダイエットできましたが、集中コース終了後に、その生活を継続することは難しく、すぐにリバウンドしてしまいました。
その後1年ほど経って再度一念発起し、会社近くのティップネスの会員になり、週2回くらい通い始めました。これも数か月は続きましたが、コロナでリモートワーク中心になり会社に行く頻度が減って、家の近所のジムも考えましたが、結局は通わなくなりました。
一方、なぜかウォーキングは10数年間続いています。なぜ続くことと続かないことがあるのか自分なりに考えた上で、自宅で筋トレを始め、今では3年半続いています。今は習慣化して今後も続けられる気がしています。そんな経験から、自分なりに分析して、筋トレを続けられる要因をいくつか整理してみました。
1. 始めやすい環境をつくる
私にとってはまず、筋トレの為にジムに行って着替えて準備することが結構なハードルでした。ウォーキングが続いているのは、思い立った時に部屋着のまま1分で気持ちの良い川の土手に出れる環境もあると思いました。
筋トレもまず始めやすい環境をつくろうと自分の部屋にトレーニング用の腹筋台やダンベルを数種類、ベットに結びつけたトレーニング用チューブ、ストレッチマットなどを用意しました。リモートワークで普段から部屋着で仕事しているので、着替える必要もありません。私はギターもやっていて定期的に練習していますが、ギターはデスク横の手を伸ばせば届く所に置いてあってちょいちょい弾いてます。結構こういった「始めやすさ」が重要かなと思います。
2.きっかけと報酬
始めやすい環境を作っても始められないこともありますね。
ここで重要なのは初動のきっかけづくりです。ライザップでもそうでしたが、最初の筋トレ種目はダンベルプレス(ジムならベンチプレス)みたいな感じがあります。部屋でいざ始めようとすると、腹筋台とダンベルを用意して、ちょっとストレッチをして――と、結構気合を入れてスタートする感じになり、意志の力が必要です。以前はその初動をイメージするとなんとなく気持ちが乗らず、始められないこともありました。最近は最初の種目を「腹筋台に腰掛けて、両手を横に置いて、足を前に出し腰を上下する運動」にしています。
これどういうことかと言うと、まずは腹筋台に腰掛ければ良いということです。
トレーニングを始めようという感じではなく、とりあえずデスクから移動して腹筋台に腰掛ける。そうすると自然といつもの動作が始まり、始まってくると逆にモチベーションも出てきてトレーニングがスタートできる感じですね。トレーニングは夕方やることが多いのでトレーニング後は近くの温泉に行ってお気に入りの炭酸泉につかります。そして家に帰って晩御飯。これは報酬ですね!
これは科学的な裏付けもあるようで、ChatGPTに聞いてみると以下のような内容がありました。
●習慣ループ(Habit Loop)
チャールズ・デュヒッグの『習慣の力』で有名になったモデルです。
習慣は次の3つで構成されます:
1.きっかけ(Cue / Trigger):行動を始める合図
2.行動(Routine):実際に行うこと
3.報酬(Reward):行動後に得られる満足感やメリット
●フリクションを下げる(行動科学の工夫)
意志力に頼らず、小さくて始めやすい行動(座るだけなど)から始める
行動のハードルを下げて「開始コスト」を減らすのが習慣化に効果的です。
「座る」こと自体が運動の準備動作になり、ここまでできれば自然とトレーニングへ進みやすくなります。
3.目的をはっきりした上でトレーニング内容を選択する
続けてきたことで分かってきたことですが、そもそも何のために筋トレをやっていて、今やっている筋トレの内容は本当に自分のためになっているのかが腹落ちしているかということです。今はSNS等に筋トレに関してもたくさんの情報が出ています。マッチョの体が出て来て、短期間で筋肉量がUPした動画とか。私も以前はそういう情報に影響を受けて、より重たい重量にチャレンジすることもやっていました。無理やり重たい重量にチャレンジして、肘を痛めてトレーニングできなくなったりもしました。でも自分に問いかけてよく考えてみたら、別にマッチョになりたいわけではありません。年齢的にも今後のために筋肉量を落としたくない、体型的に今の状態をキープしたいなどが目的です。そういった観点から今は中程度の重量で、ダンベルを使うのは一部で、自重やチューブを使った種目にして週1~2回続けています。本当にこのやり方で良いのかな?みたいな疑問をなくして、自分にとって最善であると確信を持つことが続けるために重要かと思います。
4.自己肯定感が持続する目標設定
これは以前も書きましたが、人間一度決めたことを守れないと自己肯定感が下がって、続けるモチベーションが持てなくなります。逆に言うと自己肯定感が下がるような目標設定はしないことが需要です。何かに刺激を受けてモチベーションが高い時にする目標設定はある意味一番危険ですね。
また「毎日○○する」、「毎週○○する」などの目標設定はあまりおすすめできません。私の場合筋トレの目標は年間75回にしています。週に換算すると1.5回ですね。
実際は週に1回もできないこともありますが、翌週以降でリカバリーすればよいので自己肯定感は下がりません。事前に「この日とこの日に筋トレやろう」と週に3回くらい予定表に設定しますが、実際はその半分ができればよいことになります。現状9月末時点ですでに79回になっているので、すでに年間目標は達成しています。
ここに書いた内容はあくまでも私個人の場合で、すべての人に当てはまるとは思いませんが参考になれば幸いです。

■萩原 張広 Profile
株式会社エムエム総研代表取締役CEO。株式会社リクルートにて法人営業、営業マネージャーとして7年のキャリアを経て、株式会社エムエム総研を設立。法人営業のコンサルティングサービスを大手IT企業やベンチャー企業に向けて多数提供。1998年、ニューヨークでの視察経験から日本でのBtoBマーケティングの必要性と可能性を感じ、業態をBtoBマーケティングエージェンシーとする。以降、数百件のマーケティングプロジェクトに関わる。