• 2025/09/18
  • 連載企画
  • はりこらむ

はりこらむ 第129回「結果がすべてではない~プロセスと成長を楽しむ重要性~」

  • 萩原 張広  
article-image


結果がすべてではない
~プロセスと成長を楽しむ重要性~

 ⇒第128回「相手をコントロールしようとしない~主体性とリスペクトの関係~」はこちらから


 起業前、サラリーマンとして営業をしていた時、上司に「結果がすべて!」とよく言われました。でも結果を意識しすぎると、余計結果が出ないようなジレンマに陥ることもありました。むしろプロセスを楽しめるようになってから、安定的に結果が出るようになりました。

 お客様の事情や世の中の動きなどに影響を受けるため、営業業績は100%コントロールできません。結果にこだわる姿勢を大事にしないわけではないですが、むしろ自分でコントロールできるプロセスに集中して、それを楽しめることが大切だと思っています。

  例えば最近、プロスポーツを見ていても、MLBのドジャースの山本投手は、ノーヒットノーランまであと一人とか、7回までワンヒットなどの好投を見せていますが、残念ながら勝ち投手という結果にはつながっていません。当たり前ですが、大谷選手だってすべてホームランを打てるわけではありません。しかし、恐らく彼らはシーズンを通じて偉大な成績を残すことになるのだと思います。彼らは日常の中で自分にできるプロセスに集中し、そこにこだわり続けています。野球が大好きで、成長やその活動自体を楽しんでいるのだと思います。

 サッカー日本代表の遠藤選手も、イングランド・プレミアリーグのリバプールで試合に出られる回数は減っていますが、どんな状況でも試合に出たときに良いパフォーマンスを出せるように日々準備しています。リバプールの一員として、自身の成長やサッカーを楽しんでいるのだと思います。短期的に結果が出なかった時に、それをどう受け止めて、それでも自分ができることに集中して継続出来るかどうかは、何においても重要なことかと思います。

 私が社内の研修で参考にしている「7つの習慣」という本に、「影響の輪」と「関心の輪」という考え方があります。「影響の輪」とは自分が直接的または間接的に影響を及ぼせることを指します。「関心の輪」とは、影響は及ぼせないけど気持ちとして、どうしても気になってしまうこと、こだわってしまうようなことです。例えば過去の出来事はどんなに関心を持っても変えることはできません。自分にとって良くない過去の事象でも、それを受け止めて、自分自身の行動を変えて未来を変えていくことはできます。また他人も無理に変えることはできませんが、自分の言動を変えることによって結果的に他者が変化することはあります。

  そういう意味では、結果も私自身は「関心の輪」に入るものだと考えています。だから自分が思い描いた通りの結果でなくても、プロセスをやり切ったならそれはそれとして潔く受け止めて、また次に向けて自分ができることに集中していけば良いのだと思います。そういう判断と行動を繰り返していくことで、長い期間でみれば結果が出る可能性が高まっていくのではないでしょうか。

  SNSなどの広告を見ると、仕事でもダイエットでもすぐに結果が出そうなキャッチコピーでいっぱいですね。私も以前はダイエット系の商品をそういったうたい文句を見て購入したこともありますが、最近はAIという心強い相棒がいるので、「関心の輪」に入りそうな情報を鵜呑みにせず、本質的なことを調べた上で自分の行動を変え、継続する選択をするようになりました。

■萩原 張広 Profile
株式会社エムエム総研代表取締役CEO。株式会社リクルートにて法人営業、営業マネージャーとして7年のキャリアを経て、株式会社エムエム総研を設立。法人営業のコンサルティングサービスを大手IT企業やベンチャー企業に向けて多数提供。1998年、ニューヨークでの視察経験から日本でのBtoBマーケティングの必要性と可能性を感じ、業態をBtoBマーケティングエージェンシーとする。以降、数百件のマーケティングプロジェクトに関わる。

「マーキャリNEXT CAREER」無料キャリア相談実施中

マーケタースキル診断公開中!!

関連記事

検索条件を変更する

フリーワード

記事カテゴリ
タグ