• 2026/08/21
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はりこらむ 第152回「物語的・映像的なインプット~読書、人の話の聞き方~」

  • 萩原 張広  
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物語的・映像的なインプット
~読書、人の話の聞き方~

 ⇒第151回「見えないBS資産の重要性~長い期間経営をやってきて何を積み上げるのか?~」はこちらから


 子どもの頃、母子家庭で友達も少なかったので時間があり、読書が好きになりました。学校の勉強よりも、好奇心による読書のほうが多少なりとも知識として身についたと思います。今も就寝時は必ず本を手に取り、眠くなったタイミングで寝るようにしています。最近は量子力学や哲学系の本を読んでいます。よい意味ですぐに眠くなれますね(笑)。

 ミステリーや純文学、歴史小説などいろんな分野の本を読んできましたが、例えば業界知識も小説や漫画から学んだ気がします。森村誠一の推理小説でホテル業界を学び、『ハロー張りネズミ』という漫画で医療業界について学んだ記憶があります。これはBtoBの営業でお客様を理解するうえで役に立ちました。知識を暗記的に覚えるのは私には難しく、物語や映像的にインプットできると時間がたっても残る気がします。

 中学時代、経済的な理由で親に公立高校しか行けないと言われ、成績を上げる必要がありました。ですが塾にも行っておらず、サッカー部に入っていて家に帰るのはいつも晩御飯の時間でした。また夕食後はギターが好きで3時間くらい練習していて、朝は新聞配達をしていて勉強する時間がありませんでした。その状況でどうやって受験に備えるか考え、自分なりに辿り着いた方法が「学校の授業の時に理解しきる」ということです。集中力が必要ですが、短い時間の予習で仮説を立て、先生の話をその表情も含め映像的に頭に入れ、そして学んだ内容を感情的な起伏と一緒に自分に落とし込んでいくと、結構頭に入りました。数学・理科などの理論系や、歴史・国語の文章理解系はそれで結構成績がとれたと思います。一方、英単語や漢字を書くとかは苦手で、これは点数が悪かったですね。部活引退後、多少なりとも受験勉強をして、無事希望の高校に行くことが出来ました。これは自分にとっての一つの成功体験だったと思います。

 仕事上でお客様の話を聞く時も、基本的にメモをとらず、その場で心に落とし込むように理解しようと聞いていました。自分にはその方が合っていたようで、そうやって落とし込んだ記憶はちゃんと残っていてなくなりません。今も手帳を持っていません。数字や記号的なものはスマホでメモしますが。

 もう一つ、本や人の話をインプットする時に、実際に目にすることや聞くことだけでなく、その背景やその人の置かれた状況をセットで理解することが大切だと思っています。哲学書や科学系の本を読む時も、それを考えた人の生き方や考えた方もセットで分かる本を選んでいます。小説もそうで、歴史小説は著者によって同じ史実でも書き方が違って、個人的には司馬遼太郎が好きです。文中に取材の話とか本編とは関係ない話も出てきますし、歴史小説というよりは、人物小説的な感じがします。司馬遼太郎が取り上げた歴史上の人物では、いずれも幕末に出てくる坂本龍馬と河井継之助が好きです。本のタイトルで言えば『竜馬がゆく』と『峠』になります。この二人は前半20歳くらいまでは、視野も広く、豪胆で、またプライベートでは奔放な女性との関係など、似たプロセスで描かれています。でも後半になると、龍馬は討幕の志士として、河井継之助は幕府側で最後まで戦う闘将として描かれます。世の中の流れや今後どうなるかも分かっていながら、それぞれの生まれた役割や意志によって違う選択をしていったのだと思います。司馬遼太郎は史実だけでなく、その時代の聡明な若者が大きな時代の流れのなかで、「自分の価値観と照らし合わせてどんな人生を選び、全うしていったか」を描きたかったのだと思います。

 読書や人の話を聞く時に、単なる知識としてではなく映像や物語として自分に残すこと、また行間を読み、著者(その人)の置かれた状況を理解し、意図を想像することが重要だと思っています。

■萩原 張広 Profile
株式会社エムエム総研代表取締役CEO。株式会社リクルートにて法人営業、営業マネージャーとして7年のキャリアを経て、株式会社エムエム総研を設立。法人営業のコンサルティングサービスを大手IT企業やベンチャー企業に向けて多数提供。1998年、ニューヨークでの視察経験から日本でのBtoBマーケティングの必要性と可能性を感じ、業態をBtoBマーケティングエージェンシーとする。以降、数百件のマーケティングプロジェクトに関わる。

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