
最近「ラストマイル」という言葉がマイブームになっています。Netflixで「ラストマイル」という映画を観たのですが、とても面白かったのです。これは配送事業における最後の工程をやっている中小零細の運送会社の人達を描いた映画です。大手資本が多額のお金を投じて、海外から長い距離輸送を行い、最新設備の配送センターを整備しても、最後は小さなトラックに乗ったドライバーの手から荷物が届けられます。そこの重要度の事を言っていると思います。(今後、AIや自動運転、ドローンなどの進化によって状況が変わる可能性もありますが)。
日常生活においては、最後のちょっとした一息、そういった努力の積み重ねが「ラストマイル」だと考えています。ChatGPTに「階段で2階まで昇り降りすると、どのくらいのカロリー消費になりますか」と聞いたら、私の体重の場合は約20キロカロリーとのことでした。最寄り駅の高幡不動駅には2階までの階段があり、私はカフェや買い物、ウォーキングの途中などで一日に2~3回訪れます。これを3回繰り返すと1日で60キロカロリーになります。もちろんエスカレーターもありますけど、階段を使った場合、60キロカロリー×30日で1か月で1,800キロカロリー、年間だと20,000キロカロリーほどになり、2.5キロくらいの脂肪に相当する消費量になります。毎日のちょっとした積み重ねが将来的にすごい差になりますね。
仕事でもプライベートでもちょっとした判断に迷う時、例えば前述の「階段を上ろうか、それともエスカレーターに乗っちゃおうか」みたいな場面では、心の中で「ラストマイル!」と声をかけて、階段を上るようにしています。
お酒も同様で、最近はハイボールを飲むときにチェイサーの水も一緒に飲むようになりました。途中で酔っぱらってしまい水を飲むのを忘れてしまう事もしばしばありますが、結果的にはお酒の量はお水を飲むようになる前より減っていると思います。家で飲むときも、最初の一杯はノンアルコールのビールにして、その後に薄めのハイボールや焼酎の炭酸割を飲むようにしています。一日で見れば一杯分の差ですが、年間で見ればかなりの違いになるかと。
ダイエットで言えば、私は基礎代謝が1,500キロカロリーくらいですが、例えば、1,450キロカロリーのアンダーカロリーと1,550キロカロリーのオーバーカロリー―――この100キロカロリーの違いが、年間にすると2キロの脂肪の増減につながります。
そう考えると、毎日の生活の中にたくさんの「ラストマイル」があって、プライベートでも仕事でも、こうした毎日のちょっとした判断が間違いなく将来の自分を創っていくのだと思います。
私には90歳になろうとする母親がいますが、今は施設でやや不自由な生活を送っています。一方、かみさんのお母さまは同じ年齢でも元気で毎日活動的な生活を送っています。もちろん個人差はあるのでしょうがない部分もありますが、10年、20年前にどんな生活を送っていたかも、今の状態に影響しているのではないかと思います。
結局、今の自分の状態は過去に自分で選択してきた結果である事に間違いはありません。私もまだまだ元気で頑張りたいので、10年後20年後の自分の為に、毎日の「ラストマイル」を大切にしていきたいですね。

■萩原 張広 Profile
株式会社エムエム総研代表取締役CEO。株式会社リクルートにて法人営業、営業マネージャーとして7年のキャリアを経て、株式会社エムエム総研を設立。法人営業のコンサルティングサービスを大手IT企業やベンチャー企業に向けて多数提供。1998年、ニューヨークでの視察経験から日本でのBtoBマーケティングの必要性と可能性を感じ、業態をBtoBマーケティングエージェンシーとする。以降、数百件のマーケティングプロジェクトに関わる。