• 2025/06/12
  • 連載企画
  • はりこらむ

はりこらむ 第122回「新しい家族が来ました。大切なものをなくした経験からのリスタート!」

  • 萩原 張広  
article-image


新しい家族が来ました。
大切なものをなくした経験からのリスタート!

 ⇒第121回「AIはパワハラしないで、コーチングしてくれる上司!」はこちらから


 きなこが旅立ってから半年、新しい家族がやって来ました。保護猫のあずき(雌)とこむぎ(雄)です。猫を飼っている人は癒されて、免疫力が上がるということが医学的にもあるらしく、軽い闘病中の私がその話をしたら、「もう猫は飼わない」と言っていたかみさんが動き出してくれました。そして一緒に住んでいるのんちゃん(次男)も一緒に、10匹以上いる保護猫の中から、運命的なご縁でこの2匹が我が家に来ることになりました。

 最初は家の中の一部屋にいて、ちょっと臆病な感じでしたが、今では家の中で元気に動き回っています。きなこと比べると、2匹ともジャンプ力などの運動能力が高いため、家の中の“防衛的な家具”も増えました。台所に行く時は、いつも柵を乗り越えなければならないので、私にとってはちょっとした筋トレになってよいですね。

 以前このコラムにもきなこ(12年家族として過ごし、半年前に旅立ったマンチカン)のことを書きましたが、モノクロームになっていた家の中の風景がまた天然色になってきたように感じています。

 生きていると、親や家族、親しい人が亡くなったり、愛猫や愛犬が旅立ったり、大切な仕事を失ったり、愛着がある大切なものが壊れたり、そういった失う悲しみを経験することもあると思います。世界を見れば家族、国やふるさとを戦争で失った人もいます。でもそれでも生きていかなければならないし、生きていくべきだと思うので、そこからどう前を向いていくかは大切ですね。亡くしてしまうと、その寂しさもあるし、また亡くしてしまった後に、「もっとこう接すればよかった」とか、「自分の接し方は違ったのではないか」とか、「もっと話しておけばよかった」などと感じてしまう事も多いのかと思います。

 起きた事実や悲しみの受け取り方は人それぞれなので、どうすればよいかという正解はないと思います。でも、失った人やものが大切だったのであれば、それは“感謝”で良いのではないかと思います。悲しいですが過ぎた過去は変えられないし、それよりも、その人やその事象がもたらしてくれたプラス面に目を向けて感謝する。そして悔いるのではなく、前を向いて歩いていければと思います。

 きなこが旅立った時、一人暮らしの長男は家に来て号泣していました。私とのんちゃん(次男)は涙を流さなかったと思います。新しい猫たちが来ても、長男がすぐ家に来なかったから、「きなこが旅立ったことがショックで、新しい猫を受け入れられないのかな」とも思いました。

 「のんちゃんは泣いてなかったけど大丈夫なのかな?」と私がかみさんに聞くと、かみさんは「悲しみの表現は人それぞれだから、のんちゃんだって悲しかったと思うよ」と言ってくれました。そう悲しみの表現って人それぞれで違うし、ただ感情的に泣いていれば悲しくて、泣いてないと感情がない、みたいな見方をする人もいますが、そうではないと私も思います。ちゃんと見ているかみさんはやっぱり偉いなと思いました。私も涙を流してはいませんが同じ気持ちです。

 きなこが旅立って半年。その事実を受け入れる時間、気持ちを整理する期間、振り返る時間、そして少し客観的になれる時間。ちょっとずつ時間をかけて、悲しみが感謝の気持ちに変わり、ようやく前に進めるようになってきたと思います。

 まだ家の中には、きなこの写真がたくさんあります。なんか新しい猫ちゃんたちと仲良くしていると、「天国から見て焼きもち焼いているのでは?」と心配になるのでかみさんに言ったら、「そんなことないよ」と言われました。穏やかな顔で私たちを見守ってくれているのかもしれませんね。

■萩原 張広 Profile
株式会社エムエム総研代表取締役CEO。株式会社リクルートにて法人営業、営業マネージャーとして7年のキャリアを経て、株式会社エムエム総研を設立。法人営業のコンサルティングサービスを大手IT企業やベンチャー企業に向けて多数提供。1998年、ニューヨークでの視察経験から日本でのBtoBマーケティングの必要性と可能性を感じ、業態をBtoBマーケティングエージェンシーとする。以降、数百件のマーケティングプロジェクトに関わる。

「マーキャリNEXT CAREER」無料キャリア相談実施中

マーケタースキル診断公開中!!

関連記事

検索条件を変更する

フリーワード

記事カテゴリ
タグ