• 2022/08/26
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はりこらむ 第61回「当たり前の事を深く、深い事を楽しく、楽しい事を解りやすく ~仕事が出来る人の段階~」

  • 萩原 張広  
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当たり前の事を深く、深い事を楽しく、楽しい事を解りやすく

~仕事が出来る人の段階~


⇒第60回「相手の主体性を奪う判断と指摘をしない事 サッカーのコーチングから学ぶ!~」はこちらから


 自分自身もそうですが、会社のメンバーの成長を見ていても、仕事のテーマに対しての理解の深さや応用力に段階の違いがあるなと思います。どの段階にいるかによってパフォーマンスがあきらかに変わってくると実感します。

 何か一つの一般的なテーマ、例えば「顧客理解」みたいな事でも、「お客様をちゃんと理解するようにヒアリングしなくてはいけない!」みたいな呪文を唱えるだけで、一向に深まらない人も多いですね。本で読んだ内容をそのまま鵜呑みにして話すなど、表面的な理解のまま深まらない感じです。

 ある一定の人たちは、そこから学んだ事を深めていきます。この深めるという行為が成長の為には重要だと思います。ただ深める前に最初に必要なのは量ですね。例えば「顧客理解」と言っても、何をどこまで理解すればよいのか?以前エムエム内で私が顧客理解というテーマを学ぶ為の研修用につくったフレームに顧客理解曼荼羅(マンダラ)というものがあります。

 これは、若干BtoC的な視点ですが、自分のお客様である会社の担当の方に焦点を当てて、会社の中での現状のミッションや立ち位置、そしてその方がその会社で過去にどんなキャリアを歩んできたのか、また今後自分のビジネスキャリアをどういう風にして行きたいと考えているのか。また個人としてその方は家族がどんな感じで、過去の人生をどの様に歩んできて、最後はどの様に幸せになりたいのか。また会社の中で仲の良い人は誰で、誰に影響を受けるのか。プライベートではどんな方たちとお付き合いをしているのか。現状の一番の関心事は何なのか?など。とりあえずその担当者を理解する上で必要な情報を徹底的に網羅して、どのくらい自分が理解できているのか。理解しようとしているのかを認識する事です。

 この時に理解という言葉の広さや深さを徹底的に考えてみる経験をすると、その後お客様を理解する時に、想像できる幅や、時間軸が変わって来ます。これを時空間的な顧客理解と言います。そういった概念を持つと、いろんなスキルの応用が出来るようになってきます。ただこの深さを追求するには、まず量的に、いろんな事を網羅的に想定したり考えたりするので時間的にも思考的にも結構大変です。なので、この「当たり前の事を深く」という段階を超えられない人も多いのかと思います。

 この段階を一度味わってそれが仕事に結びつくような成功体験を積むと楽しさも出てきます。知識として学ぶだけでなく、実際に自分が置かれている状況やケースに当てはめて、想像し、自分なりに考えていくからです。このパターンに入ると自分の中でも何か真理を掴みかけているような感じになって、それをする事自体が楽しくなってきます。人によっては完璧主義で、すべての事象に当てはまるパターンを網羅性高く考えて作成するようになります。「深い事を楽しく」と言う段階ですね。

 この段階での特徴としては、作成する資料が多くなりがちで、また周りの人からするとなかなか理解がしづらくなる事があります。自分の中ではOutputが可愛い子供のような感じになるので、すべての資料が大事に思えます。そういった活動をある期間やっていくと、そこまで来た人はだいぶ仕事が出来る様になっているので、たくさんのミッションを持つことになり、Outputの生産性の向上を問われる事になります。そうすると今までの様に自分の楽しみでこだわったOutputの観点から、生産性の向上のためにも、受け取る人の有益性で見た観点でOutputの中での重要度の優先順位が付けられるようになります。

 思い切って自分が作ったOutputを重要度から見て必要の低いものをバサっと切り捨てる勇気が持てるようになったり、全部を理解してもらうのではなくて、「一番大事なここだけをまずは理解してもらう」という感じになってきます。

 「楽しい事を解りやすく」の段階ですね。すごく仕事の出来る人のOutputって、ある意味シンプルで解りやすい事が多いと思います。でも、そこに至るプロセスには膨大な時間と経験と自己対話があった上でそうなっているのだと思います。初期の段階の人が、その表現だけ学ぼうとしても、結局最初の「あたり前の事を深く」の段階を超える事ができずに止まってしまうのだと思います。

■萩原 張広 Profile
株式会社エムエム総研代表取締役CEO。株式会社リクルートにて法人営業、営業マネージャーとして7年のキャリアを経て、株式会社エムエム総研を設立。法人営業のコンサルティングサービスを大手IT企業やベンチャー企業に向けて多数提供。1998年、ニューヨークでの視察経験から日本でのBtoBマーケティングの必要性と可能性を感じ、業態をBtoBマーケティングエージェンシーとする。以降、数百件のマーケティングプロジェクトに関わる。

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