• 2022/08/12
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はりこらむ 第60回「相手の主体性を奪う判断と指摘をしない事 ~サッカーのコーチングから学ぶ!~」

  • 萩原 張広  
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相手の主体性を奪う判断と指摘をしない事

~サッカーのコーチングから学ぶ!~


⇒第59回「重要度の高い事を後回しにしない ~『7つの習慣』第2領域の効果性~」はこちらから


 次男が小学生の時に、地元のサッカーのクラブチームに入って私もそのチームでコーチをしていました。コーチを始めて最初の頃は、まだ子供達とも馴染めず、先輩コーチの指導を見て、サポートしていました。

 その時に、少し違和感を覚える事がありました。自分自身がサッカーをずっとやっていて、サッカーのプレー中はよい意味で自分の意志をもって判断する事が重要だという認識があったのに、その時の子供達はみんなコーチに怒られない様にやっている感じがしたからです。

 練習後にみんなで2つに分かれてゲームをするのですが、あるディフェンダーの2年生の子が自分のところにボールが来ると、全部クリアーして外に出してしまいます。ゲームが終わった後に、「○○くんさっきだけど、なんで味方にパスしないで、クリアーしちゃったの?」って、聞くと、自分のゴールに近いときは敵にとられないようにクリアーしろとコーチに言われたと、以前試合の時に味方にパスしようとしてミスキックになり、敵にとられて点を入れられたことがあって、その時ずいぶんと怒られたらしいです。

 まあ試合のその時の状況があるかと思いますが、彼にはその試合でのミスと怒られたことがひとつのきっかけになって、自陣に居る時はいつも失敗しないようにクリアーする様になってしまったみたいですね。「自陣にいても味方が見えていて、パスが出せそうなら出せばよいんだよ、そしたら攻撃につなげられるでしょ!」と言いましたが、「またミスキックするかもしれないし」と不安そうでした。その後彼も、成長すると必要に応じてちゃんとパスの出せるディフェンダーになりましたが。

 サッカーって足でやるものだし、技術もそう簡単には身につかないので、失敗するのが当たり前のスポーツだと思います。コーチに限らず大人が子供たちに接する時に、失敗しないように、間違えないようにばかりを優先して接してしまうと、自分で主体性を発揮しづらい子になっちゃいますね。大人の視線や枠のなかで、怒られない様に、褒められて評価される様に合わせる感じに育ってしまう事も。大人になっても頭はよいのだけど、そういった主体性を持てずにいる人も日本においては多いのかと思います。

 その後自分もコーチとして次男がいる学年のチームを担当する事になり、練習のメニューを考えたり、試合のメンバーを決めたり、大会に出て監督したり、いろいろな経験をしました。そこで学んだ経験は、自分がやっている会社での、大人に対してのマネージメントにも役に立ったと感じています。私が担当した学年のチームは4年生の時に、おそらくチームとして初めて、決勝トーナメントに行き3位になりました。その時に次男も含め子供達が映っている記念写真はよい思い出になっています。

 結局6年間くらいコーチを続ける事になりましたが、途中で正式にコーチのライセンスをとる事になり、日本サッカー協会が主催するコーチの資格を取るために福島のJビレッジへ合宿に行きました。そこで学んだ事は、とても本質的で勉強になりましたね。技術的には、「グッドボディシェイプ」という基本方針があって「広い視野の確保」という事なのですが、ボールを受ける時には受ける前にいかに広い視野が持てるかが大切です。そのためのトラップとか体の使い方の技術という事ですね。サッカーに必要な本質的な技術をとらえたコンセプトだと思いました。また、その時に講師に言われた、「子供達がやったプレーが意志のあるものなら、結果的にミスしたり、うまくいかなかったとしても決して叱ってはいけない」という言葉も強く心に残っています。

 私が子供の頃にサッカーをやっていた頃に比べて、日本のサッカーは格段に進歩して強くなりました。今ではワールドカップにいくのも当たり前になっています。そういった背景には、こういった裾野からの指導方針とか多くのコーチやスタッフの継続的な努力があったのだと思いました。そんな中から意志を持って効果的な判断の出来るサッカープレイヤーが生まれてきたのだと思います。スポーツでも仕事でも、相手が主体性を持てなくなるような接し方をしない事は、その人の成長に向けて重要なことだと思います。

■萩原 張広 Profile
株式会社エムエム総研代表取締役CEO。株式会社リクルートにて法人営業、営業マネージャーとして7年のキャリアを経て、株式会社エムエム総研を設立。法人営業のコンサルティングサービスを大手IT企業やベンチャー企業に向けて多数提供。1998年、ニューヨークでの視察経験から日本でのBtoBマーケティングの必要性と可能性を感じ、業態をBtoBマーケティングエージェンシーとする。以降、数百件のマーケティングプロジェクトに関わる。

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