• 2021/10/20
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はりこらむ 第34回「未経験者を社員で採用し、100人以上のデジタルセールス人材が活躍している話 ~4年前にスタートした新規事業への取り組み~」

  • 萩原 張広  
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未経験者を社員で採用し、100人以上のデジタルセールス人材が活躍している話

~4年前にスタートした新規事業への取り組み~


⇒CEOが語る 第33回「オープンコミュニケーションの必要性! ~持っているものと自己開示勇気の関係性~」はこちらから


 エムエム総研で、デジタルセールス人材(インサイドセールス、オンラインセールス、カスタマーサクセス)の社員をお客様へ常駐させる事業を始めて4年が経ちます。現状161名を採用し85.1%、直近3年間は94.3%の確率で成長し活躍出来ています。

 お客様のところで貴重な戦力として活躍し続けている人材もいますし、お客様に乞われて転籍というかたちで転職している人材もいます。また、エムエム総研内で別のセクションや、常駐人材をマネージメントする立場、インサイドセールスやカスタマーサクセスの立ち上げにおけるコンサルティングを行って活躍している人材もいます。

 この取り組みをはじめた当初、一部のSaaSベンチャー企業や外資系企業において、デジタルセールスへの取り組みはある程度普及していましたが、一般の日本企業においてはまだまだの状態でした。たしか当時、当社で行った調査によると、日本企業でのインサイドセールス組織のある割合はまだ10%にも満たない感じだったと思います。

 そんな状況がコロナによって、対面型の営業活動が出来なくなり、非対面による営業ニーズが加速度的に高まりました。現在では、日本の大手企業の法人営業組織においてもインサイドセールスの取り組みをはじめるところが増え、お陰様でたくさんの引き合いをいただいております。

 私たちがこのビジネスモデルを始めたのは、以前より外資系企業との取引が多かったため、分業化を駆使してデジタルマーケティングとインサイドセールスを活用した生産性の高い営業活動を間近で見た事で、日本企業も取り組むべきだと思った事、そしてそれを実現するには、そもそも継続的に成果の上がるインサイドセールスを企画・実行できる人材が必要だと感じたことが理由の一つです。

 一部の日本の企業で行われていたインサイドセールスは、いわゆるアポ取り的なホワイトリストへの量的な活動の場合が多く、決して生産性が高いとは言えませんでした。また、従事する人にとっても魅力的な仕事とは言い難い状況でした。

 そういった状況のため、当然日本でインサイドセールスを組織的にちゃんと行っている企業は少なく、一部の企業を除けば、ほとんど経験者と言える人材が世の中にいなかった事が背景にあります。

 今後、日本の若年人口はさらに減っていき、一方で企業の営業生産性向上のためにはデジタルを活用した非対面で効率のよい営業活動を行える人材の需要はますます増える事になります。そんな中で、私たちは先行して外資系企業等との取引で得たノウハウやスキルを体系化し、BtoBマーケティングアカデミー(現デジタルセールスアカデミー)という教育機関を立ち上げました。未経験者をエムエム総研の正社員として採用・育成し、その人材を企業様へコンサルティングなどとセットで提供するビジネスをスタートしたのです。

 もちろん、すべてがはじめからうまくいった訳ではありませんでした。研修初日に来なかったり、思った通りに育たなかったりもしました。特に初期の頃は、企業様のニーズがまだ少なく社内に人材が滞留して困ることや、インサイドセールスとは名ばかりのひたすらテレアポをする状態に陥ってしまい退職者が続いたこともありました。

 本当に様々な課題がありましたが、面接・採用プロセスや人材要件、育成カリキュラム、コンピテンシー、人事・評価制度、インサイドセールス自体のコンセプトの策定と発信、私たちが支援する企業とそうでない企業とその価値共有の見直し(STP)など、多くの改善を通じて順次解決してきました。

 過去の戦力化した人材を見ると、法人営業の経験者が約10%、販売職や空港の受付や飲食の接客など、コミュニケーションが必要な職種の経験者が約60%、というような状況になっています。そういった過去の就業経験や、そこで学んだスタンスやコンピテンシーも活かせる部分とそうでない部分があり、そこにどういった育成プログラムを足していけば、ある程度の確率で活躍人材に育成できるかが解ってきました。私たちは、ここで培った人材の見極めや育成ノウハウを活かし、さらに多くの人材に新しいデジタルセールス職での活躍の機会と情報を与え、企業様には、ひっ迫する次世代営業人材ニーズの需要にお応えしていきたいと考えています。

 特にこの1年はコロナの影響で、就業機会を失った人たちも多数おりました。そんな状況の中で、コロナ影響職の人たちを中心に、デジタルセールスアカデミーを無償開放して、育成機会を増大する取り組みを今回始めました。

詳細はこのあとの特設サイトをご覧ください。そういった人材へ門戸を開く賛同企業を募集しておりますので、ご興味・ご関心のある方は、是非ご連絡ください。


エムエム デジタルセールス・アカデミーのWebサイトはこちら




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■萩原 張広 Profile
株式会社エムエム総研代表取締役CEO。株式会社リクルートにて法人営業、営業マネージャーとして7年のキャリアを経て、株式会社エムエム総研を設立。法人営業のコンサルティングサービスを大手IT企業やベンチャー企業に向けて多数提供。1998年、ニューヨークでの視察経験から日本でのBtoBマーケティングの必要性と可能性を感じ、業態をBtoBマーケティングエージェンシーとする。以降、数百件のマーケティングプロジェクトに関わる。

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