• 2021/10/01
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はりこらむ 第32回「3割バッターの習慣を学ぶ ~魔法のスキルで大成功に期待しない!~」

  • 萩原 張広  
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3割バッターの習慣を学ぶ

~魔法のスキルで大成功に期待しない!~


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 メジャーリーグで大谷が活躍していますね!最近は在宅メインという事もあり、大谷が出ている試合をよく見ます。大谷はまだ打率2割台後半ですが、メジャーリーグで3割打っているバッターってそんなにいなくて、そういう選手はスーパープレイヤーで天文学的な年俸をとっていますね。10回打って、3回ヒットに出来るか、2回しか出来ないか。この違いがその選手の野球人生の結果を全く違うものにします。

 もちろんこの結果には、相手チームのピッチャーも関係していて、ピッチャーだと防御率(1試合投げたとしたら平均何点取られるピッチャーなのか)3点台と4点台くらいが1流と2流の境目でしょうか。そしてこの結果のちょっとした違いに対して、絶えまない練習や鍛錬がされているわけですね。

 一方ビジネスの世界でも、環境や条件によっても成功確率の違いはありますが、すべてうまくいく事はありません。短いスパンの事象で言えば、明らかに失敗の方が多くなると思います。でも、どうしても短期的にうまくいきそうな方法に目が向いてしまいます。

 振り返ってみると自分のビジネス人生もそうだったなと思います。20代の頃って、残り時間はまだたくさんあるのに(これって残り時間が少なくなる年齢になった方が、待てるようになるのは何故なんだろうといつも思いますね)、とにかく早く成功したいと思っていました。焦っていて、モチベーションはあるので、いろいろと勉強はします。なので「こうすれば売れる!」とか、「君も成功者になれる」的な本ばかり読んでいましたね。ディールカーネギーとか、ナポレオンヒルとか。勉強になりましたし、本で学んだ事を実践してみて、ちょっとでも成果が出ると嬉しくて。でも成果が続かないと学んだ事を続けることができなくなり、そしてまた新しい宝物を探すという感じでした。

 30歳くらいで起業して、バブル崩壊後の会社が厳しい時に、いろいろと悩んで、『7つの習慣』という本に出会う機会がありました。この本の作者は世界中に出回っている成功本を全部研究して、成功本の中にあるテクニカルな対処療法的な事では真の成功は得られず、もっと原理原則的な事が必要だと考え、研究の結果この本を書いたのです。

 個人的には、何十回も読み直し、その内容を自分の生活や習慣にまで置き換えるほど影響を受けたのは、後にも先にもこの本だけですね。でも、この本を読んで、学んだ事を行動に移していっても、そんなに簡単に成果が上がる訳ではありません。まさしく習慣として継続することで、3年くらい経って、やっと実感できる感じでしょうか。

 ビジネスでも、毎日人と接してコミュニケーションをとったり、いろんなOutputをしたりしますが、それが全部思い通りの成果になる事はありません。話してもうまく伝わらない事の方が多いですし、私は営業でしたから、お客様に理解されず仕事に結びつかない事もしばしばです。でも、『7つの習慣』にあるような原理原則的な行動をとり続ける事で、すこしずつその打率が上がっていって、気が付くとビジネスの成功確率が上がっているという実感を得られるようになりました。

 メジャーリーグを引退したイチローもバッティングが上手で、スーパープレーが印象に残っていますが、結構な確率で内野安打を打っており、普通の選手ならアウトになってしまうものを、走力や打ち終わってから走り出すタイミングの速さなどの様々な努力の積み上げで、生涯打率で3割1分を超える、輝かしい結果を残しています。

 どんなにすごいバッターでも三振するし、一試合で一本もヒットを打てないこともあります。野球を知っている人だと、それは当然の事なので、そうであってもその選手を責めません。監督もその選手に期待しているのならヒットが出なくても何試合かは使い続けます。これって野球に対する造詣が深く、よい意味で期待値の調整が出来ているからですね。

 ビジネスでも、どんなにすごい人でも常に100%の結果が出る訳ではありません。もちろん自分が出す結果もそうですね。20代の自分もそうでしたが、ビジネスへの造詣がまだ浅い人ほど、簡単に結果を追い求め過ぎて、こうすれば成功する、売上何倍みたいなキャッチコピーに惹かれてしまいがちです。でも、もう少し地道に長期での成功確率を上げていって、その為の原理原則的な習慣を身に付ける。そういった感覚で、自分に対しても、周りに対しても見守りが出来る様にしていきたいですね。


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■萩原 張広 Profile
株式会社エムエム総研代表取締役CEO。株式会社リクルートにて法人営業、営業マネージャーとして7年のキャリアを経て、株式会社エムエム総研を設立。法人営業のコンサルティングサービスを大手IT企業やベンチャー企業に向けて多数提供。1998年、ニューヨークでの視察経験から日本でのBtoBマーケティングの必要性と可能性を感じ、業態をBtoBマーケティングエージェンシーとする。以降、数百件のマーケティングプロジェクトに関わる。

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