• 2021/12/27
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「アナウンサーが輝ける場所を作りたい」トークナビ代表樋田氏が語る“キャリア”

  • マーキャリ 編集部
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目次

今回インタビューしたのは、日本テレビ系列のアナウンサーから独立し、株式会社トークナビの代表取締役を務める樋田(といだ)かおりさん。ご自身の経験から独立のきっかけ、キャリアについての考え、会社の展望について伺いました。

Profile
岐阜県出身。2008年 日本テレビ系列 青森放送にアナウンサーとして入社。報道番組のお天気キャスターやニュースキャスター、7時間生放送のラジオパーソナリティなどテレビ・ラジオの放送現場を経験。
28歳で独立し1年後、株式会社トークナビを設立。話すことの大切さを広めるためスピーチトレーナーを全国に育成し、研修事業を展開する。身体全体を使ったユニークなトレーニング方法が話題を集めている。

声の仕事を夢にして人生が変わる

──最初に、アナウンサーを志望したきっかけをお聞かせください。


高校生の頃に放送部に入って高校野球のウグイス嬢をしていました。「4番、ピッチャー、○○君」の一声だけでその場が明るくなる。声だけで空間を変えられることに感動して、声の仕事に就きたいと思ったのがきっかけです。


声の仕事を探している中で、局アナになればニュースやリポート、ナレーションと、さまざまなジャンルを経験できると感じ「局アナになりたい」と思いました。


──幼少時代はどのような子どもでしたか?


子どもの頃はわりと物静かな方で。どちらかといえば消極的で「おとなしい」と成績表によく書かれていていましたね。


──おとなしいキャラクターから放送部となると、声で発信することに対して抵抗はありませんでしたか?


本当に真逆ですよね。高校生の頃に、ウグイス嬢をしながら話し方教室に通って声の訓練をしたことで性格も変わりました。弊社の理念が「声で、未来が変わる」なのですが、自分自身が声で人生を変えられたので、声に自信のない方に自信を付けていただき、人生を豊かにしてほしいと思っています。


──アナウンサー時代の具体的な仕事内容を教えてください。


新卒で入社したのが日本テレビ系列の青森放送で、そこでは、ニュース読み・お天気キャスター・スポーツのリポーター・食レポ・提供読みなど、幅広い経験ができました。一番印象に残っているのは、7時間の生放送番組のパーソナリティを担当したときのことです。部分的にではなく7時間出演し続けて、司会やニュース、通販番組などを担当しました。アナウンサーの中でもそこまで長い番組を担当する方はほとんどいないので、それを20代の前半でできたことは財産ですね。


──そこからフリーのアナウンサーに転身された経緯はどのようなものだったのでしょうか?


これからのキャリアを考えた時に、ずっと会社員でいる想像ができず「20代後半になったらフリーになりたい」という願望がありました。会社にいると組織のために限られた役割で動きますが、フリーになれば自分のアイディアを生かしていくらでも可能性を広げられる。そう思ってフリーアナウンサーに転身しました。

強みを分析して気づいた、自分だけの特性

──フリーアナウンサー時代に、ご自身のブランディングやポジショニングは意識されていたのですか?


そこはすごく悩んだところです。フリーアナウンサーはオーディションを受けて合格したらようやく仕事がいただけるので、ずっと就職活動しているような暮らしになるんです。とにかく自己PRや自己分析を繰り返して「他のアナウンサーとの違いは何か?」を20代後半はひたすら考えていました。考えた結果、「食リポがものすごく長けている」「ジャーナリストとしての知識がある」などの強みよりもアナウンサーからの相談を受ける機会が人よりも多いことが特徴だと気づいたのです。


相談されやすいアナウンサーは、人とのつながりも強く、情報収集量が多い。これが私の強みなのかなと思いました。ならば、アナウンサーに別ジャンルをかけ合わせたかたちで生き残ろうと戦略を立てました。それがアナウンサー×起業というスタイルだったのです。


──フリー時代の経験が、今のトークナビ設立にもつながっているのですね。


フリーになった途端、アナウンサーだけではなくモデルやタレント、芸人の方もライバルになります。面白くて笑いの取れる芸人さんが、ラジオパーソナリティに採用される場合も多いですね。競争が激しく土俵も少ないため、フリーアナウンサーの仕事は多くありません。


一方で、アナウンス力を磨いてフリーアナウンサーとして活動したい人は圧倒的に多い。そのため、他にアナウンサーが輝ける場所を作ろうと考えました。そうすれば、みんな喜ぶし、そのような事業は今までなかったので「どこにもない会社を作れる」と思い立ったのです。


「アナウンサーが輝ける場所」を目指した事業展開

──土俵を作っていくのがテーマになっているわけですね。それでは具体的な事業内容について教えてください。


ビジネスアナウンサーとアナウンス室の2つの部門に事業が分かれています。『ビジネスアナウンサー』は、アナウンサーのスキルを生かして、世の中の一般的な仕事に置き換えていくものです。具体的には、広報や営業、人事などのスキルを身につけて「広報アナウンサー」や「営業アナウンサー」、「人事アナウンサー」といった仕事をしていく人です。


アナウンス室は、アナウンサーとしての仕事だけで活動したい人がいる部門です。司会やナレーション、番組出演などを担当しています。


──広報アナウンサーだと、企業の広報担当になるわけですか?


そうです。企業広報の代行ですね。テレビに出たい企業様とアナウンサーがタッグを組んで、プレスリリースを書いてメディアにアプローチしています。


──研修や講座もなさっているのですよね?


はい、企業様向けに行っています。社員の育成に課題を持つ企業様は、多くが人間関係で困っています。そして、人間関係がこじれる原因はコミュニケーションのエラーであることが多いのです。


アナウンサーは伝達が上手なので、伝えにくいことも丁寧に伝えられますが、そうでない方だと思い込みでケンカになったり、上手く伝えられずに嫌な気分になったりする場合もありますよね。


そういう人たちに向けて伝えることの大切さを教える講座です。内容としては「プレゼンテーション研修」や「ヒアリング研修」ですね。研修の種類は20種類以上。企業様のお悩みに合わせてアナウンサー講師が現地で指導します。

希少なキャリアアッププランでアナウンサーのキャリアを支援

────今、会社として力を入れていることはありますか?


「女子アナ広報室」という広報の代行事業に力を入れています。これは、アナウンサーが話すのではなくお客様に企業の魅力を話していただき、分かりやすい言葉に変えてプレスリリースを作成します。インタビューが得意なアナウンサーに向いている仕事ですね。


この仕事は在宅でもできるので、これから結婚・出産などがあっても仕事を続けられると考えています。テレビ局だと時間が不規則ですので、夜勤で夜中に出社したり、家庭や子どものことを考えると難しいですよね。


ということは、自分の都合で働く時間をコントロールできる仕事を作らない限り、アナウンサーは年齢を重ねると仕事がなくなっていきます。弊社ではライフステージにあわせて“生涯アナウンサー”でいられる制度をずっと作り続けています。


──キャリア形成に関しても重要視されているのですね。


フリーアナウンサーは個人事業主なので昇格、昇給がありません。10年アナウンサーしている人も30年のベテランも、1本あたりの仕事が同じ料金になることが多いです。つまり、いくらキャリアを積んでも報酬には反映されません。


アナウンサー業界ではキャリアパスの制度もほとんどなく、それらが業界の課題だと思っていますので、いま制度作りを必死に行っているところです。

人からどう思われるかではなく、自分がどうしたいかを考える

──アナウンサーのキャリアで大事にしてもらいたいことはありますか。


「人からこう思われるのが嫌だからこうしよう」などと、人からどう思われるかを気にするのではなく、自分がどうなりたいのか、自分の気持ちを大事にしてもらいたいなと思っています。
人から相談を受けた際、「人からどう思われようが何を言われようが、自分がやりたいことやればいい。せっかくフリーなんだから」と何人にも言ってきましたね。


──20代の読者の方に対して、アドバイスをいただきたいです。


20代のうちに考えるキャリアは、変化していく可能性があるため、まずはいろいろ経験してみることが大事だと思っています。失敗することもありますが、その失敗から「これは、向いていないな」とか「次はこうやってみよう」と気づくことができます。そのため、何カ月も考えてから行動するのではなく、まず行動してみる。


また、困ったことがあれば一人で考えこまないで、その道で成功している方にお話を聞かせていただいて「真似してみて、報告する」の繰り返しがオススメです。職業柄なのか、人にインタビューするのが習慣になっているのでその力を別の所でも活かしていきたいと思います。


──今後の展望についてお聞かせください。


すごくシンプルですが、今後は「アナウンサーが幸せにアナウンサーをしている会社」を作りたいです。それを叶えるために、新しい制度も徐々にでき上がってきています。制度も運用しながら、合う合わないを見極めて、改良していく。そして最終的にみんなが幸せに働ける会社を実現したいですね。


──キャリアパス制度など、機会を作られていく姿勢が素晴らしいですね。本日はありがとうございました!

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