~腹をくくるってどういうこと?~コロナショックを迎えて思うこと~
⇒第4回「バブル崩壊、リーマンショック ~そして2020年今思うこと(4)~」はこちらから
ところで「腹をくくる」って、どういうことなのでしょう。なんとなく、その時の「腹のくくり方」で、その後の判断や対応も変わるし、結果も変わるような気がしてなりません。
自分なりの解釈で言うと
「最悪の事を考えて、それを受け入れる」ことだと思います。頑張ってもどうしようもないことってありますから。
そうなると、「どんな最悪な事を考えて、それをどう受け入れるか」ということになりますね。普通、人にとって一番最悪な事って、死んじゃうことですよね。 私個人的には、7年ほど前にステージ3のがんになって、それがきっかけでいろいろと自分が死ぬこと、死んだ時の影響とかを考えたことがあります(今は完治し元気にやってます)。
でも「死んじゃうことを考えてそれを受け入れる」って、そうそう簡単なことじゃないですよね。そしてちゃんと考えると、まずは自分個人が生命体として死んでしまう怖さ、そしてその時の苦しみに対する恐怖。これは普通みんなにありますし
(これがないと、ちょっと苦しいと、みんな簡単に自殺してしまうと思います)。
それから、自分自身の人生に対するやり残した感とか、何か悔いが残ることがあるとか。
そして、自分だけでなく家族や親しい人たちへの影響。経営者であれば当然、社員やビジネスに関わる人たちへの影響などがあると思います。
そして結構あるのが「死んだ後にどうみられるか」みたいな感覚。これはプライドの動物と言われる男性の方が多いのかもしれませんね。死んだ後も、世の中や周りの目を気にするって、なんかバカみたいですけど。まあその影響を受ける家族もいたりすると可哀そうですね。
死を覚悟するって、昔は、例えば戦時中の兵隊さんとか、特攻隊の人とかは、ほぼ100%の覚悟をしなければならないはずだったし。その人たちの気持ちを想像すると胸が痛いですね。なんか映画「永遠のゼロ」を思い出してしまいました。
現代社会における、次の段階の腹のくくりは、「経済的な破綻」ということでしょうか。
著しい収入ダウンとか。自己破産であるとか、また生活保護を受けるとか。
日本という国は良い国で、経済的に破綻しても死ぬことはありません
(経済的な理由で自殺してしまう人がいるのは残念ですね。コロナの死者は、現状まだ100人ちょっとですが、日本の年間自殺者は他原因も含め2万人超えてますから)。
経済的な破綻で失うものって、まずは物質的な側面
お金を使って、周りからちやほやされている人は大変ですね。過去の経験から言うと、その生活を失うことが、自分の全部を失うみたいに思っちゃう人もいるようなので。
結構ここでも周りの目を気にする人は多いと思います。なんか人生の敗北者、負け組みたいなイメージがあって、そういう風に回りから見られたくないみたいな。でも経営者であれば、その考えがパワーを生み出す場合もありますし、さらに悪化させる場合もあるので難しいですね。
年収何千万の人が、経済的に追い込まれた結果の年収300万の生活は、はじめから300万の人には日常で、そんな中で幸せを感じて生きている人はたくさんいる訳ですから。
別に「最悪の事をたくさん考えて不安になりましょう!」と言う話ではありません。
でも最悪の状況をよい意味で想像して、「大丈夫!それでも自分は生きていける。前向きに進んでいける。悔いはない」って、思えたら強いですよね。ちゃんと考えないで、腹をくくったふりだけだと、いざ最悪の状況が見えてきたときに、心の準備ができませんね。
そして想定よりよい状況になれば、心は晴れますし、感謝の気持ちも生まれます。
個人的には、そういったことを考えてかはわかりませんが、物欲もないし、車とかにこだわりもありません。貴金属とか全く持っていませんし、洋服は全部ユニクロみたいな。いつも手ぶらでシンプルで自然体みたいな感じが好きなので。持っていなければ失う恐怖に怯えることもないですしね。まだまだコロナで厳しい状況が続くと思いますが、よい意味で腹をくくって頑張っていきましょう。
■萩原 張広Profile
株式会社エムエム総研代表取締役CEO。株式会社リクルートにて法人営業、営業マネージャーとして7年のキャリアを経て、株式会社エムエム総研を設立。法人営業のコンサルティングサービスを大手IT企業やベンチャー企業に向けて多数提供。1998年、ニューヨークでの視察経験から日本でのBtoBマーケティングの必要性と可能性を感じ、業態をBtoBマーケティングエージェンシーとする。以降、数百件のマーケティングプロジェクトに関わる