新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大に伴い、私たちの暮らしが大きく変化しております。また、この新型コロナウイルスの流れは新卒の採用状況(採用情報)にも大きな影響を与えており、中には既に内定が決まっていた企業の入社式直前に企業から「内定取り消し」の連絡が入るというケースもあるほどです。今回の記事では、実際に新型コロナウイルスが新卒の採用状況(採用情報)にどういった影響を与えているのか、自粛ムードが強まる中でこれからの採用情報はどうなるのかを解説しますのでぜひ参考にしてみてください。
今年の新卒採用情報について
最初に今年の新卒採用情報について解説していきます。 そもそも一般的な新卒採用の流れというのが下記になります。・大学3年生の3月に企業の広報活動の解禁(エントリー・会社説明会など)
・大学4年生の6月に企業の採用活動の解禁(筆記試験・面接など)
しかし、2018年10月9日 一般社団法人日本経済団体連合会から従来の「就活ルール」を2021年度から廃止するとの発表がありました。上記の就活ルールの廃止を発表した背景には、2020年に行われる東京オリンピック・パラリンピックの影響を危惧していたためと考えられます。この発表を受けて2021年度の新卒採用では企業側はもちろんのこと学生側も例年以上に早期に動いており、インターン経由で内定も主流になっていたこともあり、3月の時点で内定を獲得している学生もおりました。
新型コロナウイルスがどのように影響しているか
今年の新卒の採用情報についてご説明をしましたが、新型コロナウイルスがどのように影響をしているのでしょうか。ここからは、新型コロナウイルスの影響が新卒の採用情報にどのような変化を与えているのかを解説していきます。そもそも、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で全国への緊急事態宣言の発令や不要不急の外出の自粛などの取り組みが行われている中で、私たちがもっとも警戒するべきなのが3つの「密」だと言われています。下記が警戒するべき3つの「密」です。①換気の悪い密閉空間
②多数が集まる密集場所
③間近で会話や発声をする密接場面
引用:首相官邸ホームページ(https://www.kantei.go.jp/jp/content/000061868.pdf)
上記の3つをまとめて「三密」と呼んでおりますが、これらの条件が揃っている場所(ライブハウスやカラオケボックス等)ではクラスター(集団)感染のリスクが高いとされています。このような状況の中で企業はリモートワーク(テレワーク)の導入や時差出勤などの対策を行っておりますが、それでも急速に業績が悪化して、従業員の解雇に留まらず倒産にまで追い込まれるという企業も増えております。
業績の悪化で従業員の解雇や倒産にまで至らずとも、新たに人材を雇っている余裕がないという背景があり、記事冒頭に書いた入社式直前に内定の取り消しなどの選択をせざるを得ない企業が生まれているという状態です。このような背景の中で下記のような影響が出ております。
会社説明会(イベント含む)や選考が延期または中止となっている
新型コロナウイルスの影響で起きた変化で一番大きなものは会社説明会(イベント含む)や選考の延期または中止になっていることではないでしょうか。先ほどもご説明しましたが、2020年に行われる東京オリンピック・パラリンピックの影響で新卒の就職活動が夏には停滞するのではないかと考えられていました。そのため、企業側だけでなく学生側も例年以上に早期で行動をしておりましたが、新型コロナウイルスの影響により会社説明会(個別・合同・イベント含め)や面接などの選考の延期、場合によっては中止という判断をする企業もいくつかございました。以下、開催中止となった大型イベントとなります。・マイナビ2021主催イベント
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、5月31日(日)までに開催する新卒学生向け合同企業説明会を【中止】することとなりました。 6月以降の新卒学生向け合同企業説明会に関しては、予定通り、安全面を配慮しながら開催に向けて準備を進めてまいりますが、状況によって、予定を変更する場合もございます。 予めご了承くださいますようお願い申し上げます。引用:『マイナビ2021主催イベント』開催方針について(https://job.mynavi.jp/conts/event/2021/pre/is/202001-1/eventinfos.html#wrapper)
・『リクナビ2021』合同企業説明会
株式会社リクルートキャリア(本社:東京都千代田区 代表取締役社長:佐藤 学)は、新型コロナウイルス感染症の収束の兆しが見えない現状に鑑みて、就職情報サイト『リクナビ2021』の合同企業説明会の中止期間を延長いたします。 当初は2020年3月1日から4月30日までとしていましたが、同5月31日までの合同企業説明会をすべて中止いたします。 5月の『リクナビ2021』合同企業説明会は、11道県で11件の開催を予定していました。 6月以降につきましては、学生の皆さまの健康や安全などを第一に考え、事態の状況変化を見極めながら再開を検討いたします。引用:『リクナビ2021』合同企業説明会、5月31日まで中止期間を延長(https://www.recruitcareer.co.jp/news/pressrelease/2020/200417-01/)
様々な業界や職種で就職市場規模の縮小が起こっている
これまでにも新型コロナウイルスの影響で企業の業績悪化、従業員の解雇や倒産といった出来事が起こっています。また、記事冒頭でも説明したように既に内定が決まっていた企業の入社式直前に企業から「内定取り消し」の連絡が入るというケースもありました。しかし、上記の出来事は緊急事態宣言が発令される前にも起こっていた出来事です。今後は緊急事態宣言の発令を受けて、より自粛ムードが強まったことの影響が今以上に出てくるので、ますます新卒を含む就職市場の規模が縮小するのではないかと予想がされます。
新型コロナウイルスによる今後の新卒採用情報の変化とは
新型コロナウイルスの影響によって新卒の採用情報にどのような変化があったのかを解説しました。今後は上記で挙げさせていただいたこと以外にも、様々な変化が現れるのではないかと考えます。また、新型コロナウイルスの影響で今後もしばらくは新卒の就職活動の動きが減速している状態ですが、落ち着きを取り戻した際に一気に動き出すことも考えられますので、前年度以上に厳しい就職活動になることが予想できます。今後やるべきこととは
新型コロナウイルスの影響によって新卒の就職市場ではどんな変化があり、この先どうなるのかということを解説してきました。ここからは、現在の採用情報を整理して今後やるべきことをまとめましたのでいくつかご紹介します。自粛ムードで動けないのであれば情報収集に徹する
新型コロナウイルスの影響による自粛ムードは今後も続く見込みです。 そのため、この自粛ムードの中で思うように動けないと感じたのであれば、自身が進みたい業界や職種について調べるなどの情報収集に徹することも選択の1つだといえます。自身のキャリアプランを明確に形成する
自身が今後どうなりたいのか等のキャリアプランを形成できていない方も多いのではないでしょうか。 そのため、新型コロナウイルスの影響でうまく動けない今は自身のキャリアプランを形成する良い機会となります。 まずは自身のこれまでを振り返り、今後なりたい姿や進みたい道などを明確に考える時間に充ててみましょう。まとめ
今回は新型コロナウイルスが新卒の就職市場でどういった影響を与えているのか、新型コロナウイルスで自粛ムードが強まる中、採用情報はどうなっているのかなどを解説しました。最後に記事のおさらいをします。まず、2021年度の新卒採用ですが、東京オリンピック・パラリンピックの影響を危惧して企業側はもちろんのこと学生側も例年以上に早期に動いておりました。しかし、今回の新型コロナウイルスにより、会社説明会(イベント含む)や選考が延期または中止となったり、様々な業界や職種で就職市場規模の縮小などの影響が起こっています。また、新型コロナウイルスの影響で今後もしばらくは新卒の就職活動の動きが減速している状態ですが、落ち着きを取り戻した際に一気に動き出すことも考えられます。そのため、前年度以上に厳しい就職活動になることが予想されますので、現在の採用情報などを整理して今やるべきことを明確にし行動をしましょう。