新型コロナウイルスの世界的なパンデミックは、日本でも他人事ではありません。東京都を中心に、1日100名以上の発症者が発覚し、連日ニュースになっています。 日本でもさまざまな補償が求められ、実施されていますが、新型コロナウイルスの拡大は、世界恐慌へとつながるのでしょうか。
この記事では世界中で懸念されている世界恐慌とはどういったものかに加え、これを機会にキャリアについて考えることについて解説しています。単純に日本が不景気になれば、働く人全体に影響があります。ぜひ、自身のキャリアについて考える上での参考にしてください。
世界恐慌とはどういう状態か
景気の急激な下落により恐慌、さらに悪い状態のことを大恐慌と言いますが、非常に悪い景気のことを恐慌とひとまとめに呼ぶことも多いです。1930年代に起こった世界大恐慌では、アメリカで失業率が25%でした。当時のアメリカは現在の日本と同じくらいの人口。単純計算で4人に1人が失業者となれば、街に失業者があふれる状態となります。米国労働省が4月3日に発表したアメリカの今年3月の失業率は4.4%です。この数字は少ないように見えますが、失業者数が135万3,000人増加しています。予想を大幅に上回る状況になっています。4月の失業率は14%になるという予想もあるほどです。 失業という1つの視点だけでも、これほど大きな影響があります。 新型コロナウイルスの影響が長引けば長引くほど、世界の経済に与える悪影響は大きくなるでしょう。
失業はどの業界に多いか
新型コロナウイルスにより恐慌になると、どの業界・業種が特にダメージを受けるのでしょうか。今回の新型コロナウイルスでは、「Stay Home」という言葉がさけばれるように、なるべく外に出歩かないことが求められています。2月から3月にかけてのアメリカの例では、娯楽・接客業の雇用者数減が特に多く、そのうちのほとんどは飲食サービス関連です。日本ではテレワークが求められていますが、BtoC企業はどうしても直接サービスを提供せざるをえないシーンが多いです。しかし、人々が外出を控えることでサービスを受けなくなり、飲食店を中心としたBtoC企業から倒産していくという流れがあります。
正社員なら安心か
特に正社員の安定性を強く信じる傾向にある日本において、「自分は正社員だからたとえ出勤できなくても給料がきちんと入る」と考えている人も多いのではないでしょうか。たしかに、正社員であれば月の固定給が決まっていますので、会社としてはしっかりと支払いを行わなければなりません。そのため、正社員である間は確かに、安定していると言えるでしょう。しかし、給与というのは当然会社の利益から支払われています。仮に今が赤字なら、給与はこれまでの利益から支払われていくことになりますので、いずれ底をついてしまいます。新型コロナウイルスが話題になる前から、日本を代表するような大企業でも、早期退職を募集し、予想以上の数が集まったといったことがニュースになったことは、まだ記憶に新しいところです。
大きな企業であっても、経営は必ずしも安定していない、というのはもはや疑いようのない事実です。 今回の新型コロナウイルスの拡大によって、経営が悪化すれば、まずカットされるのはボーナス、賞与でしょう。誰かを解雇するよりは、きちんと雇用が安定するように、全員で少しずつ痛みを分け合うかたちにするのが日本の特徴です。
しかし、家のローンの支払いなどで、ボーナスをあてにして計画を立てている人も多いはず。ボーナスは経営の状況によって増減するものではありますが、これまでしっかりともらえていた会社であればあるほど、それがなくなったときのことを考えている人はほとんどいないのではないでしょうか。賞与が減るだけでも生活が一気に苦しくなる、といった方も少なくないはずです。
そしてさらに経営の悪化が強まれば、大きく分けて2つの対策がとられるでしょう。1つは、早期退職の募集、もう1つは勤務時間を短くして残業・固定給を減らすといったパターンです。もちろんリストラや倒産といったパターンも考えられます。 正社員である限り、雇用は最大限守られるかもしれません。しかし、経営が傾けば給与や賞与は確実に減りますし、最終的には会社都合で解雇されることもありえない未来ではないことは頭に入れておく必要があるでしょう。決して、正社員だから一生安泰というわけではないのです。
これからのキャリアを考えておく
新型コロナウイルスの患者数は現在のところ世界中で増え続けています。これが、いつ終息するのかは依然としてはっきりとしていません。仮にこのまま数か月どころか半年・1年と続いてしまったらどうでしょうか。これは大げさな話ではありません。中国で新型コロナウイルスが広まった当初は、ほとんどの方が「遠い国の話」と思っていたはずです。しかし、日本においても緊急事態宣言が出された以上、もはや他人事ではありません。今、この機会に考えておくべきことの1つは、自身のキャリアプランではないでしょうか。 自分が将来どのようなビジネスマンを目指すのか、考えたことはあるでしょうか。知らず知らずのうちに日々の業務で1日が終わってしまっていないでしょうか。そのたくさんの業務がある日突然なくなってしまったら、どうでしょう。充実感や達成感は残るでしょうか。
働く期間は、長いです。今この瞬間だけでなく遠い将来につながる動きができているか、今一度考えてみるのによい機会であるはずです。 副業を始める、本当にしたい仕事は何なのか考え、転職を目指すといったことでもよいでしょう。スキルアップやキャリアアップのためにできることを継続できれば、市場においても必要な人材となれるはず。 ぜひ、一度自分のキャリアについて見つめ直してみてください。