• 2020/04/28
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新型コロナウイルスの影響で就職氷河期は来るのか

  • マーキャリ 編集部
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新型コロナウイルスの影響は世界に激震を与えています。日本においても不況が確実に近づいています。コロナの影響を受けるかのように新卒採用でも大きな転換点を迎えています。ここでよぎるのが過去にあった「就職氷河期が再来するのか」ということです。就職氷河期の頃の就活生は本当に苦労をしたでしょう。そこで本記事では現在の就職活動状況を整理しつつ、コロナの影響で就職氷河期の時代になるのかについて解説します。 

就職氷河期とは

そもそも就職氷河期をご存知でしょうか?就職氷河期とは1993年〜2005年までの就職することが困難だった頃のことを指します。一般的に就職氷河期の定義とは有効求人倍率が1を割り込んでいる状態のことを言う場合が多いです。有効求人倍率とは就職したい人に対して求人がどれくらいあるのかを表す指標です。例えば有効求人倍率が0.5の場合は就職を希望する2人に対して、求人が1つしかないということです。


つまり企業側有利の買い手市場ということです。逆に新型コロナウイルスが広がる前までは売り手市場と呼ばれ、就活生の方が有利な状況でした。  

なぜ就職氷河期は当時訪れたのか

では当時なぜ就職氷河期という時代が来てしまったのかという理由についても見ていきます。結論をいうと、バブルが崩壊したからです。1986年〜1991年までの実体経済とはかけ離れた好景気が続いた時代をバブルと表現します。もちろんバブルは泡なのでいずれ弾けます。なおかつ泡が大きく膨れれば膨れるほど、弾けた後の反動も大きくなります。


当時の日経平均株価は史上最高値の38957円を付けました。この数字が実体経済と大きく乖離しているわかりやすい指標になります。なぜなら現在の日経平均株価は20000円前後で当時の1/2です。現在の方が情報もモノも溢れている時代にもかかわらず、20年前の経済の方が良い循環で回っているという説明が付きません。世界各国みても20年前の株価の方が現在の水準の2倍も良いという国はほとんどありません。それだけ偽りの経済状況が続いたためにその後は約8年間の就職氷河期を迎えることになりました。 

就職氷河期の特徴

当時の就職氷河期の特徴について3つまとめました。 

非正規雇用の多さ

正社員になりたくてもなれない人が数多く存在しました。現在では大学を卒業した人の就職率は95%以上ですが、当時は50%台の頃もありました。大学を卒業したとしても半分の人は正社員として働くことが難しかった状況です。 

賃金の低さ

当時と現在の貨幣の価値が違うため一概には言えないですが、景気も悪く人も溢れていたため給料は低くなりがちでした。またキャリアを築きにくいことや昇格もしづらいためにその後の賃金の伸びも期待はできない状況でした。 

晩婚化

正社員になれない人が多く、なれたとしても給料も低い状況では経済的余裕もないため結婚をしたくてもできない人も多かったです。経済的に余裕ができたタイミングで結婚をするため必然的に晩婚化、もしくは独身を選択するケースの多く見受けられます。


就職氷河期はこのような時代のことを言い、この時代が再び来るのかということが世間では話題になっています。以下より就職氷河期がWITHコロナ、AFTERコロナで到来するのかについて紹介します。

コロナ環境下での就職活動状況

就職情報サイトを運営するリクナビを始め各社合同説明会を5月まで中止する企業が増えています。就活生としては貴重な情報収集の機会が失われてしまっています。データによると就活生の約9割がオフラインでの説明会中止の経験をしたことがあると回答しました。しかし、そんな中でも4月時点の調査では就活生の3割は内定を取得しています。2019年卒と比べても高い傾向にあります。取得した方の傾向としては通年採用の企業や、インターンシップに参加した企業から場合が多いです。


そのため現在の内定状況からみると過去と比較したとしてもまだ影響は少ないです。しかしほとんどの企業は4月から面接を始めることが多く、これから影響が出てくることが想定されます。

参考:【4月1日~2日調査】新型コロナウイルスによる就職活動への影響調査 第4弾

https://www.jaic-g.com/news/pressrelease/news-695/

今年の傾向

今年の就活の傾向についてお伝えします。企業側としても混乱しているのでこれまでのような短期集中ではなく長期的な目線で採用活動をする企業も多いでしょう。また大手企業に人が集まりやすくなる傾向も見受けられます。理由はオフラインの場合は説明会等を受ける人数に限りがあったり、地理的制限があるため、大手企業を受けたくても受けられないという人も中にはいましたが、オンラインの場合は誰でも参加できるので地方の方も参加でき意味情報が平等に扱われるためです。


しかし企業側の目線でみると、学生の情報をオンライン上だけで判断するのはまだ難しく、これまで接点があった人に先行が有利に働いてしまうという傾向もあります。やはり新型コロナウイルスに関係なくこれまでしっかり準備をしてきた就活生に勝算があるでしょう。


そういった状況の中で、何よりも重要なのは油断しないことです。新型コロナウイルスは不透明なところも多いので経済の先行き不安から内定を取り消しにされてしまう学生もいます。今年は長い目で就職活動するのを覚悟しておきましょう。

新型コロナウイルスの影響で就職氷河期が来るのか

では本題の就職氷河期が訪れるのかについてです。結論を言うと、これまで起きたような就職氷河期が来る可能性は薄いと筆者は考えます。理由を2つの観点から解説します。 

企業内の人員構成

過度に採用人数を減らすと企業内の人員構成バランスが崩れ、企業としても経済活動に支障がでる恐れがあり、すぐに就職氷河期が来ることは考えにくいでしょう。過去に就職氷河期が訪れたときは文字通り採用人数を大幅に減らし、短期的には不況を乗り越えた企業も存在します。しかし長期的にみれば企業はそこで採用人数を減らしてしまった世代が抜けていることになり、将来的な稼ぎ頭が不足するという事態に陥ったという失敗があります。そのため過去の教訓を踏まえた上でもすぐに就職氷河期が来るということは薄いといえます。

人口構成割合

日本の人口構成割合を加味すると企業としてはむしろ若い世代の力は欲しい方でしょう。誰もが知るように日本は少子高齢社会です。3人に1人は65歳以上の方と言われています。しかし現状そのような傾向を阻止するような日本の手立てはなく少子化の流れに歯止めがかからない状況はこれからも続くでしょう。つまり日本は時代が進めば進むほど新卒採用の価値は高まっていきます。そのように考えるとむしろ益々売り手市場の採用構造になっていくと予想できます。直近では多少採用募集人数が減らされることはあっても、企業の継続的な経済活動を望む経営者であれば新卒者を無視することはないでしょう。


以上の2つの理由からこれから就職氷河期が来ることは少ないと考えられます。

まとめ

新型コロナウイルスの影響を受けても2020年卒の採用予定人数を減らさないと回答している企業は8割になります。将来的には採用計画を変更する企業も増えてきますが、目先のニュースやネガティブな情報に惑わされずに就職活動をしていくのが懸命でしょう。

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