昨今感染が拡大している新型コロナウイルスですが、日本経済に大きな打撃を与えています。中でも「広告業界」に対してのダメージはどうなのでしょうか?この先は未知の領域で、過去の歴史から学ぶことも出来ません。本記事は猛威を振るう新型コロナウイルスが広告業界に与えるダメージ、またそこから派生する経済への影響について解説していきます。
新型コロナウイルスが与える広告業界への影響
新型コロナウイルスにより、広告業界だけに限らず、国全体の長期不況が避けられない状況となっています。以前、4月~5月ごろには新型コロナウイルスが落ち着くだろうとの見解も出ていました。しかし予想以上の長期戦となり、時価総額は大幅に下がり、広告業界では「メディアに広告を投下できない」という事態が発生しています。メディアに広告を投下できない
外出自粛要請、緊急事態宣言も出された中で、購入できるメディアの数が大幅に減っています。スポーツは無観客で行われたり、休止になったりなど、大きなダメージを受けています。かき入れ時に新型コロナウイルス
広告業界にとって一番の稼ぎ時は、学校関係や引っ越しなどに伴う「新生活キャンペーン」です。しかし外出自粛要請や学校関係の自宅待機、社会的なテレワーク化が進んだことにより、当面見込んでいた売り上げが上がらなくなってしまいました。もちろん影響により年内計画も練り直す必要がでてきます。また、新生活キャンペーンだけでなく「春物」を狙った広告業界もダメージを受けています。例えば「花粉症」が挙げられます。花粉症は3月~4月にかけて影響が強まっていきますが、ニュースは新型コロナウイルスの特集ばかりで、花粉症の広告を打ったところで空振りして終了の危険性が高いです。「今は花粉症よりも新型コロナウイルスが怖い」となるのは当然ですから、春に合わせた需要を狙った広告業界もダメージが大きくなっています。
終息が見込めないことが精神的ダメージを与える
また、新型コロナウイルスは終息の見込みがたっていません。一般的な風邪のように終息の見込みが立っていれば施策を練れるものの、シミュレーションをすることも出来ず、広告業界は次の一手に頭を悩ませています。広告費を大幅に削減する企業もたくさんでてきているなど、とにかく先が読めない精神的ダメージを大きく与えています。広告業界の打撃で派生する影響
新型コロナウイルスが蔓延して広告業界が大きなダメージを受けたことにより、そこから派生して影響を受けている業界もたくさん存在します。・動画制作企業
・スポーツ関係
・飲食・旅行業界
・広告収入がメインの発信者
それぞれ順番に解説していきます。
動画制作企業
動画制作業界も大きなダメージを受けています。外出自粛要請などがでたことにより、一部のドラマは放送の目途がたっておらず、また一部の映画は撮影の見込みも立っていない状態です。もちろん、映画出演者にも影響がでています。一部の映画では、オンライン上で監督がシーンの指示だしをして、撮影している映画もあるようです。過去に放送された映画やドラマ、アニメを再放送するなどしてユーザーが飽きないコンテンツを放送することが動画制作業界のカギとなっています。動画制作業界:②
上記のような「メディア系」の動画制作業界もダメージを受けていますが、「結婚式の動画制作業界」も大きくダメージを受けています。例えば結婚式のオープニングムービーの作成や、エンドロールの作成なども動画制作業界の仕事です。外出自粛要請が解除され、結婚式を挙げてもらう方が増えない限り、苦境は続いていくと思われます。スポーツ関係
先ほども少し書きましたが、スポーツ関係も大きなダメージを受けています。スポーツウェアなどのコンテンツ販売はもちろん、無観客での試合を行うことによるダメージが大きくなっています。一番大きな原因となっているのは、東京オリンピックの延期です。東京オリンピックが延期されたことにより、今年度見込んでいた売り上げが全く立たない問題があります。飲食・旅行業界
新型コロナウイルスによって最も大きなダメージを受けているのが飲食・旅行業界です。連日メディアによって飲食店の様子が撮影されたりしていますが、どこも閑古鳥が鳴いている状態です。飲食業界が止まってしまったことにより、旅行業界も非常に大きなダメージを受けています。オーストラリアやオランダ、イタリアなどに比べればまだましではあるものの、中国や海外のインバウンドマーケティングを中心に売り上げを立てていたホテルなどからすると、経営困難な状態になってしまっています。また、東京オリンピック用に抑えていたホテルや宿泊施設も危険な状態です。しかし飲食業界の中にも希望はあります。とある飲食店では「富裕層向けに一人貸し切りフェア」も用意されており、見込の売り上げには届かないにしろ、最善の策だと言えます。
広告収入がメインの発信者
例えばユーチューバーやアフィリエイターなど、広告収入をメインに発信している人への影響も計り知れません。企業側が広告費の削減をしていることにより、広告案件の単価が減ることや、場合によっては案件停止のケースも出てきています。しかし「テレワーク化」が徐々に進んでいることもあり、オンラインの動画配信サービス系の広告収入は依然として安定しています。普段からインターネットを使って仕事をしている方からすれば、狙うジャンルや打ち出す施策次第で、ピンチをチャンスに変えられる状況です。
新型コロナウイルスのピンチを脱するには
では、広告業界が新型コロナウイルスによるピンチを脱するにはどうすれば良いのでしょうか。結論としては「広告費の投下場所が最重要」になります。当たり前の事実ですが、当たり前の事実を守っていくことが大切になります。広告費の投下場所が最重要
新型コロナウイルスの影響で企業は広告費の削減をしていますが、一部の企業はCPCが低くなった段階で「新型コロナウイルスに関係するキーワード」の広告を打ち出しています。新型コロナウイルスの影響が日本全体に広がっていることにより、テレワーク化できる企業に転職しようとする方が増えています。また、先ほども書いたように動画配信サービス系のジャンルは安定的に伸びています。テレワーク化や外出自粛要請という事態になった時の「人間心理」を深く読み取れる企業が生き残っていくと思われます。複数の旅行保険会社はすでに、低くなったCPCへ狙いを定めて動き出しています。広告業界の幸いなところは、飲食業界のように「待つしかない」という状態ではないところです。自分たちから仕掛けていけるメリットを生かしつつ、より最適な広告投下を考えていくことが、広告業界を中心とした経済回復のカギになります。