この記事は「プロダクトマネージャーとは何か?求められる役割やスキルを解説します」の後編になります。前編をご覧になりたい方はこちらをクリックしてください。
プロダクトマネージャーが必要とされる理由とは?
まだまだ浸透し始めている段階であるプロダクトマネージャー。なぜ重要視され、必要とされているのかにはいくつかの理由があります。全体の意見をまとめる聞き役になり、商品開発をスムーズにする
商品開発は1つの部署や部門だけで完結できるものではありません。エンジニアやデザイナー、マーケターなどさまざまな人の力を合わせて作り上げていくものです。しかし、すべての意見を丸ごと取り入れることはできません。全体を包括し、臨機応変に各部署の意見を吸い上げる役割としてプロダクトマネージャーが必要なのです。責任の所在が明確にできる
1つの製品をとっても多くの部署が関わるので、最終判断を行う人間が必要です。「そんな話は聞いていない」「誰の指示なのか」といったことが明確でないとスムーズに物事がすすみませんよね。プロダクトマネージャーが全体の統括責任者として決定権を持つことで、責任の所在が明確になり、周りが動きやすくなります。プロダクトマネージャーになるために必要な3つのスキル
プロダクトマネージャーを目指す場合に、必須の資格などはありません。さまざまな部署を統括する役割なので、「営業ができればよい」「マーケティングを知っていればよい」といった特定分野のみに強くても不十分だと言えます。実際には営業職やエンジニア職から抜擢されることも多いですが、プロダクトマネージャーになるには、広い範囲での知識と経験がある方が有利であると言えるでしょう。プロダクトマネージャーには大きく分けて3つの領域のスキルが必要だとされています。それは「ビジネス」、「テクノロジー」、「クリエイティブ」の3つです。ビジネス領域とは、いわゆる売上を上げる能力のこと。法人営業などの営業職がビジネス領域に特化した職種です。また、テクノロジー領域ならエンジニアが、クリエイティブ領域ならデザイナーが該当します。「ビジネス」・「テクノロジー」・「クリエイティブ」の3つを総称して「BTC」と呼ぶことがあります。
商品を開発し、世に出すためにはBTCのすべての領域が重要となります。営業畑でずっとやってきたからデザインのことや技術的なことは分からないとなってしまっては、プロダクトマネージャーとして活躍することは難しいでしょう。今いる組織において足りない部分、たとえばスタートアップしたての企業で、製品はよいのになかなか利益が上がらないといった状況ならビジネス領域の力を伸ばせばプロダクトマネージャーへの道が近づくと考えられます。
1つのスペシャリストではなく、広い範囲をまんべんなく理解できる人物であることがプロダクトマネージャーには求められます。また、そのような人物である方が各部署とコミュニケーションがとりやすいでしょう。全体を統括するためには経営者目線も重要となります。そのような研修やセミナーを受けて学びを深めることも重要です。
企業の規模の大小にかかわらず、商品やサービスの全体を統括する役割は必要です。プロダクトマネージャーという言葉が浸透していなくても、それに該当する役割の人は、どの企業においても求められます。まずは、自社の弱いところがどの分野にあるのかから考えてみてはいかがでしょうか。新卒の方や転職を志望している方は、まずは1つの分野でしっかりと結果を出すことから目指すのが、プロダクトマネージャーへのキャリアパスをゲットする第一歩となるでしょう。