• 2020/03/30
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デジタルトランスフォーメーション(DX)とは何か。変化し続けるビジネス環境を生き抜くために重要な概念【後編】

  • マーキャリ 編集部
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この記事は「デジタルトランスフォーメーションとは何か。変化し続けるビジネス環境を生き抜くために重要な概念」の後編になります。 前編をご覧になりたい方はこちらをクリックしてください。

デジタルトランスフォーメーションの事例

ここからは、皆さんもご存知の企業のデジタルトランスフォーメーション事例を紹介します。

1.Amazon

Amazonはネットショップとしてスタートしているため、もともとビジネスモデルがデジタルが軸となっています。中でも「最高の顧客体験」という企業理念を掲げていることもあり、デジタルデータの活用とUX(顧客体験)が徹底されています。 例えば、下記などが特徴的です。

・1クリックで購入できるスムーズさ。
・「これを買った人にはこれもおすすめ」とユーザーの趣向性をもとにレコメンドする機能
・配達スピードの速さ(当日配達やAmazon prime nowでの生鮮食品の2時間での配送など)

2.Netflix

VOD(動画の配信サービス)で有名なNetflixですが、もともと来店型のレンタルビデオショップを1997年カリフォルニア州スコッツバレーにオープンしスタートしています。 1998年にはWebサイトでのDVD宅配レンタルを開始、すぐに定額制のサブスクリプションモデルに変更、そして、2007年にストリーミングでの配信サービスに移行し、ビジネス自体をデジタル化していきました。

また、DVDレンタルの定額制サービスの際は返却の延滞金を廃止したり、最近では、休眠会員に対して、契約継続の確認をメールし、反応がなければ自動で解約するなど、ユーザー目線考えられたサービスも特徴的です。

3.Uber

スマートフォンを利用した配車サービスUberは2009年に設立されました。
タクシードライバーではなく、登録した一般ドライバーと、利用者とをスマホアプリでマッチングさせるもので、従来のタクシー配車の場合、タクシー会社のオペレーターが手配し、支払いは直接ドライバーへ支払いますが、Uberはそれら全てをデジタルで完結させました。 他にも、ドライバーや車種を選べたり、ボッタクリなどのトラブルを解消できたりと、さまざまなメリットがあります。

今回ご紹介した3社は、デジタル化されたサービスで、もちろんデータを大量に収集し、かつ顧客の利便性を高めるために活用されています。

活用されるツール(営業・マーケティングシーン)

業務のデジタイゼーション(特定”業務のデジタル化)やデジタライゼーション(業務フロー・プロセスの環境適応)にあわせて、多くのツールが使われています。ここでは、営業・マーケティングのプロセスと、利用されているツールの概要についてご説明します。


(1)プロモーション

MA(マーケティングオートメーションツール)
MAツールを活用することで、顧客の属性情報や、Webサイトへのアクセス頻度、閲覧ページの履歴などを基にして、それぞれのリードの見込み度合いが判別でき、顧客の状態に合わせた最適なアプローチ方法を判断することができます。

(2)セールス

SFA(営業支援ツール)
見込み顧客の属性情報や、営業活動の履歴を管理でき、次の想定アクションをデータベース化します。それにより商談成立までの営業活動に必要な情報が整理でき、適切な顧客対応が可能になります。また営業担当者全員での情報共有ができるため、担当者間での引継ぎやノウハウの共有による人材の育成にも貢献します。

(3)プロモーション〜セールス〜納品・カスタマーサクセス

CRM(顧客関係管理ツール)
実名情報の獲得段階から、営業資産として顧客情報の管理が始まります。MAと連携し顧客アプローチの状態や、どの施策が売上に貢献できたかを可視化します。また購買後のアプローチ履歴や、意見、苦情、要望などの顧客情報を管理分析して、ニーズに沿ったアプローチを図ります。結果、顧客満足度の向上からクロスセルやアップセルの提案を含め、CLVの向上が期待できます。

どうやってデジタルトランスフォーメーションを進めていくか

ここからは、企業がデジタルトランスフォーメーションを推進していくにあたって、どのような流れで取り組むべきか、どんな人材が必要なのかを解説していきます。

戦略やビジョンの決定

やみくもにデジタルトランスフォーメーションを行おうとしても、「改革」となるようなアイデアやサービスは生まれにくいでしょう。まずは「どの分野でどのような新しい価値を生み出すことを目指すか」を策定することが先決です。

明確なビジョンがないまま新たな技術を使って何かを始めようとしても、会社としての意志や軸がないものになってしまいます。企業のトップである経営陣のデジタルトランスフォーメーションの推進についての強いリーダーシップが求められます。

推進のための体制づくり

デジタルトランスフォーメーションは、これまでになかったものを創り出すための行動ですので数えきれないほどのトライ&エラーを経ることになるでしょう。しかし、企業の風土として挑戦をしづらい環境であれば、活発な推進へとつながりません。デジタルトランスフォーメーションには、単なるアイデアマンが必要なわけではありません。デジタル技術やデータの活用に精通した人材の育成、社外も含めた人材の確保が重要です。

求められるデジタルトランスフォーメーション人材

ITmedia エンタープライズによる「DX動向調査」(調査期間:2019年12月1~31日、調査対象:従業員数1000人以上の企業、調査方法:オンラインアンケート、有効回答数:479件)によると、約3分の1の企業がDX人材を積極採用していることがわかったそうです。

また、DXを推進している企業の場合は、42.1%の企業が採用を進めていると答えています。社会全体でDXが推進されればさらにDX人材が求められることが考えられますが、DX人材には具体的にどのような職種やスキルが求められているのでしょうか。

独立行政法人情報処理推進機(以下IPA)では、DX推進人材を次のように定義しています。

・プロデューサー DXやデジタルビジネスの実現を主導するリーダー格の人材(CDO含む)
・ビジネスデザイナー DXやデジタルビジネスの企画・立案・推進等を担う人材
・アーキテクト DXやデジタルビジネスに関するシステムを設計できる人材
・データサイエンティスト /AIエンジニア DXに関するデジタル技術(AI・IoT等)やデータ解析に精通した人材
・UXデザイナー DXやデジタルビジネスに関するシステムのユーザー向けデザインを担当する人材
・エンジニア/プログラマ 上記以外にデジタルシステムの実装やインフラ構築等を担う人材
出典:https://www.ipa.go.jp/files/000073017.pdf

DX戦略を考え主導するリーダー的存在がいて、そこから、企画や設計、実行を推進するメンバーが求められていることがわかります。ここでは、特にデジタルデータ活用とデジタル化したサービス開発など想定されています。まさにデジタルトランスフォーメーションの文脈ですが、先述のとおり、デジタルトランスフォーメーションまでの大きな流れとしては、デジタイゼーション(特定”業務のデジタル化)デジタライゼーション(業務フロー・プロセスの環境適応)の2つがあります。

その2つのフェーズでは、サービスではなく、業務ツールやフロー・プロセスの環境対応が必要になるわけですが、このフェーズを推進するメンバーもDX人材と言えるのではないでしょうか。

プロジェクト管理ツール「Backlog (バックログ)」などを開発・提供する株式会社ヌーラボは、先日(2020/8/5)フルリモートでのワークスタイルと採用を発表しましたが、募集している職種に業務ハックエンジニアというものがあります。この業務ハックエンジニアは、業務フローやプロセスをデジタルを活用して、構築・改善する職種のようで、エンジニアのために、実際にシステムを構築していくわけです。

しかし、そういった専門スキルがなくとも、デジタルツールを導入し業務プロセスに組み込んでいくことで、自社の競争優位性を高めていく。そういった人材が求められることも想像ができます。それでいうと現場レベルで業務を行う一般職のメンバーもDX推進を行っていくべき一翼になるでしょう(後ほど紹介する経済産業省のDXレポートでも現場サイドの抵抗が課題にあげられています)。

また、顧客や社会のニーズを把握し、デジタルを活用しながら競争優位性を高めていくという点では、営業やマーケティング組織のメンバーももちろんそうです。 ハイタッチ(1対1)やロータッチ(1対n)などの接点で顧客ニーズを把握したり、マーケティングプロセスや顧客接点をデジタル化しテックタッチを増やしていったり、 最近だとカスタマーサクセス職が顧客の声をヒアリングしてサービス・システム開発にフィードバックを行ったりと、ビジネスへの影響力を大きく持ちつつデジタルにも対応していくべき存在が営業マーケティング組織と言えるでしょう。

デジタルトランスフォーメーション推進への課題

よくある誤った考え方として「デジタル化することがDX」だと認識してしまっているケースがあります。これでは、デジタイゼーションのようにただのツール導入がゴールとなってしまいます。一方で、商品自体がデジタルでも、業務プロセスがデジタルになっていない。つまりデジタライゼーションが課題となるケースもあります。いずれにせよ、デジタルトランスフォーションを俯瞰して、どこに自社のボトルネックがあるかを見極めることが必要です。

また、各企業はデジタルトランスフォーメーションの重要性を認識し、ある程度の行動を起こしている事例はあるものの、ビジネス変革までには至っていないと経済産業省は発表しています。

実際に後述する経済産業省のDXレポートには、多くの企業がデジタル部門を設置する取り組みが行われているが、PoC(Proof of Concept:概念実証。つまり検証)を繰り返したり等、投資を行っていてもDX実現までには至っていないとあります。

さらに、日本社会全体で考えると、デジタルトランスフォーメーションを本格的に展開していく上ではさまざまな課題があり、それらをクリアできないと「2025年の崖」と呼ばれる取り返しのつかない状況に陥ってしまいます。

経済産業省では、2025年の崖を「DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~」で次のように記しています。

“多くの経営者が、将来の成長、競争力強化のために、新たなデジタル技術を活用して新たなビジネス・モデルを創出・柔軟に改変するデジタル・トランスフォーメーション (=DX)の必要性について理解しているが・・・

・ 既存システムが、事業部門ごとに構築されて、全社横断的なデータ活用ができなかったり、過剰なカスタマイズがなされているなどにより、複雑化・ブラックボックス化

・ 経営者がDXを望んでも、データ活用のために上記のような既存システムの問題を解決し、そのためには業務自体の見直しも求められる中(=経営改革そのもの)、 現場サイドの抵抗も大きく、いかにこれを実行するかが課題となっている

→ この課題を克服できない場合、DXが実現できないのみでなく、2025年以降、最大12兆円/年(現在の約3倍)の経済損失が生じる可能性(2025年の崖)。
出典:DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~

既存のITシステムのブラックボックス化

企業では、業務を行うにあたってすでに何らかのITシステムが導入されています。業種によっては数十年単位でシステムの変更が行われていないというケースも。企業は自社が運用しやすいようにシステムをカスタムし続けるのが通常です。そのためシステムが老朽化するだけでなく複雑化することで、どんなものなのか実態が見えないブラックボックス化しています。

システムのブラックボックス化が進むことでデータを活用しきれないだけでなく、新たなデジタルテクノロジーを導入しても効果が出にくいです。さらには、新たなシステムを1から導入するためには仕事のやり方そのものが大きく変更する必要があります。そのため現場からの抵抗も大きいことも、ブラックボックス化がすすむ要因となっています。

もちろんシステムの刷新には大きな費用と時間がかかります。しかし、これらの問題を放置しておくと、「デジタル市場の拡大に伴って大きくなるデータ量」・「システムを現場で運用している担当の定年退職による世代交代」・「サイバーセキュリティや事故・災害などによるデータの紛失リスクの高まり」に対応できない状況に陥ってしまいます。

これら3つの要素に対応しきれなくなるのが2025年と言われており、2025年までにデジタルトランスフォーメーションが起こせなければ、日本や国内外を含めて競争に勝ち残れない存在となると予想されています。

2025年への期限は迫っています。2021年からは「システム刷新集中期間(DXファースト期間)」と定義して既存システムの刷新が推奨されている時期です。時間がかかることなので、段階的な変更も必要となるでしょう。 企業が生き残っていくために必要なデジタルトランスフォーメーション。自分が所属している企業において、ブラックボックス化している事例やサービスはないか周りを見てみることから始めてみてはいかがでしょうか。





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