マーケターと言っても様々な形がある
そのWebマーケターにしても、たとえば「Webサイトの構築~コミュニケーション設計」というページ(サイト)側を得意とする人間もいれば、Web広告といった「外に出ていくもの」に強みを持つ人間や「リサーチャー」と呼ばれるような調査設計を行うことに強みをもつものもいます。「DMP構築」や「SNS運営」、昨今の流行だと「CRM活用」や「MA運用~ナーチャリング戦略」など、確実に「求められるスキル」の集合体が「Webマーケティング」と総称されることが増えています。
そう言われても「じゃあ、マーケターって何ですか?」となるかと思いますが、結局はそれらの「スキルセット」を複数使いこなすことのできる人間の総称が「マーケター」と呼ばれているものの正体だと思います。
多岐にわたる「マーケター」に共通する「必須スキル」とは?
さて、マーケターの定義がこんなに漠然としたものだと、読者の皆様は今回の記事タイトルにあるような「全体を網羅する基礎スキルなんかないのではないか?」と思われるかもしれません。しかし、これら「漠然とした全体感」の中に、私は「これは不変」と呼ばれるコアスキルが1つだけ(そして、それに付随するスキルが2つ)あると思っています。
それが何かと言うと「仮説の立案能力」です。
つまり、何かを起こすために「これは、こうだからなのではないか?」と定義する力です。たとえば「弊社の商品を購入するユーザーの特性は~~なのではないか?」と仮に定義する能力のことを指します。
そして、この「仮説立案」を起こすために必要な残りの2つのスキルが「課題の設定力」と「ロジカルシンキング」です。そもそも「課題のないところ」には「仮説」は生まれません。なぜなら、仮説とは「何らかの課題を整理・解決するための仮の説明(推論)」だからです。根拠がないところに「仮説」は生まれないですよね。それを「実証する」ための手段が、プロモーションや顧客育成といったようなマーケティングとなるわけです。
ちょっと事例を挙げてみましょう。たとえば「クラスでいじめが起っていた」という「問題」があったとしましょう。これは前述のとおり「問題」です。ただし、この状況では我々は解決の糸口を見つけることが出来ません。
しかし、これが「いじめが起っているのはチーム分けの時に仲良しの4人組が3人と1人に分かれたからだ」と判明すれば「問題」が「課題化」します。この状態になっていれば「4人が均等に納得する方法を見つけたらいじめ問題が解決しないだろうか?」という「仮説」が生まれ、それを解決するために「では、仲良しの2人ずつになるようにしたらいじめはなくならないだろうか?」……というように実際のプラン(アクション)へと話しが進むわけです。
これはイベントの集客であろうと、Webの集客であろうと、ユーザーの育成であろうと、アンケートの設計であろうと、等しく求められる能力です。どんな施策を打つときであれ、そこには何らかの「問題」や「目標」があり、それを解決するために「課題化」し、そこに対してロジカルにアプローチしていかなければなりません。
ですので、どの領域のマーケティングを担当するにせよ、上記の「仮説の立案能力」と、それに付随する「課題の設定力」、「ロジカルシンキング」を常日頃から意識するようにしてみると良いでしょう。この基礎スキルこそは、すべての「マーケター」にとって必ず有用となるはずですから。