マーケティング組織構築コンサルタント デ・スーザ リッキー
Webディレクター経験を経てから3社計12年のマーケティング実務、および組織組成の経験を持ち、各事業者にて、前年比3倍、前月比700%などの数々の実績を成す。最終的には上場企業にてマーケティング部長に。その後、数々のマーケティングイベントに登壇を果たす。その際に感じたマーケティングに対する「人の課題」を解決すべく、商業出版(「ひと目でわかるマーケティング」)を経て、2019年に株式会社Marketer's Brainを設立。「マーケティングのプロ」としてのみでなく「マーケティングの組織を作るプロ」として国内・海外で活躍中。
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デ・スーザ:前回とは打って変わって、今回からはざっくばらんに進めていきたいと思います。橋本さん、履歴書と、職務経歴書、ありがとうございます。「キャリアの棚卸し」をする重要性は理解してもらったところで、履歴書を読ませて貰います。
……なるほど。ところで、書いてみてどう? 上手く書けましたか?
橋本:取りあえず、私は以前にデ・スーザさんのキャリアの講演を見ていたので、自分のやって来たことを「職種」で纏めるのではなくて「具体的なスキル」で書き起こしてみました。……どうですか?
デ・スーザ:そうだね。ちょっと復習を兼ねて整理すると、履歴書を見る相手と言うのは基本的に「面識が無い」から、ひとくちに「Webディレクターをやっていました」と書かれても想像できない人には全く伝わらない。それよりも、〇〇と言うWebサイトの指揮を執り、時間と工数の管理をしてきました。の様な「スキル」を絡めた具体的な内容の方が伝わりやすいことは事実だ。
橋本:はい。一応、そういう風に書いています!
デ・スーザ:ただね…読んでいて思う事は、これは「誰に向けて」書いたのかなあと。
橋本:いわゆるターゲットですか?
デ・スーザ:そうだね。履歴書の中身に踏み込む前に、今日はまず、キャリアについてから話を始めようか。
でも、キャリアって言っても「出世したい!とか、給料を増やしたい!」とか、必ずしもそういう仕事上のサクセスストーリーだけじゃなくて、「家族との時間を大切にしたい!とか、趣味の時間を確保したい!」とか、実は様々な軸がある。
橋本:確かに、そういった観点から働き方の多様化も進んでますもんね。
デ・スーザ:そう。ただ、それら全てにおいて言えることは、どのようなゴールを持つにせよ、自分が「どこに向かって歩いているのか」を「自分自身が理解していないと」と話が始まらないって事。という事で、橋本さんに聞きたいんだけど……君は、10年ほど社会人を経験したわけだけど、今後十年。そうだな、40歳になっていたらどうなっていたい?
橋本:えーと、プライベートも含めてで良いですか?
デ・スーザ:まあ、結婚とか子供とか丁度考える時期だよね。たとえば、そういう事も含めても勿論構わないよ。
橋本:結婚はしたいですね。子供も欲しいです。
デ・スーザ:なるほど、では、その時の仕事とのかかわり方はどんな感じだろうか?
橋本:どちらかと言うと、バリバリ仕事はしていたいですね。いま、新しいプロジェクトでマネジメントも始めていて、仕事がすごく面白いんですよ!
デ・スーザ:ふむふむ。色々出てきたね。マネージャー志向はあるのかな?
橋本:う~ん、ありますね。
デ・スーザ:マネジメントと言っても僕の様な一点に特化したスペシャリストもあれば、企業の全体を汲み取れるようなゼネラリストもある訳だが…どっちを目指しているのかな。
橋本:ゼネラリストですね。大きな裁量を持って色々なことを決めていく事に携わりたいというか。
デ・スーザ:なるほど。大分見えて来たね。じゃあ、たとえば仮の話だけど、そういうものの先に「成功事例」とか作ったら、登壇したり、取材を受けたり…みたいなのはやりたい?
橋本:あ~憧れますねぇ(笑)
デ・スーザ:それはなぜ?
橋本:やっぱり、ある一定の業界で「名前が通っている」みたいなのは格好いいなって思うからです。そういう人と沢山お会いしてきたこともあると思います。
デ・スーザ:なるほど。つまり、そこが今の自分における「理想の未来」だね。
デ・スーザ:じゃあ、次は「現在」を見直してみよう。いま、「理想」とのギャップはどんなものがあるかな。今の職場で、何を成したら、そこに近づくだろうか? 今の職場で、それは実現できるのだろうか?
橋本:今の会社で、いま関わっているプロジェクトを成功させたら、大分近いと思います。商品の魅力を訴求して、広くこのサービスを広げていきたい。その中心にいたら、そういう未来が40歳の時点で見えるかもしれません。
デ・スーザ:うんうん。大分具体化してきたね。じゃあ、職務経歴書の方に目を戻してみよう。仮に君が「この会社でそれを成し得なく」なるとしたら、それは「そういうプロジェクトが無くなったりした時」になりそうだよね。
橋本:うーん、あまり考えたくないですが...
デ・スーザ:では、もし、万が一それが起こったとしたら、君は、その将来の「理想的な自分」に近づくために、きっと「似たような」仕事や、可能性を探ることになるかもしれない。この分野だと「マーケティング&ブランディング」辺りを意識した内容になりそうだけど……。
橋本:そうですね。その方向性が一番可能性が高いです。
デ・スーザ:では、あらためて、今の職務経歴書に、その辺りの事が書いてあるかと言うと……書いてないよね?(笑)
橋本:うーん、本当だ。純粋にキャリアを純粋にサマリーしたものになっていますね……。
デ・スーザ:そう。つまり、履歴書や職務経歴書と言うのは、自分の「目指したい」キャリアに対して、「ここまで積み上げてきている」と証明しつつ、自分が「未来を掴める可能性のある環境にアサインしてもらうために見せる」ものになるはずなんだ。これは、転職に限らず、異動や海外赴任の自己推薦文なんかもそうだよ。
だから、今の「自分」と「未来の自分」を元に、それを効果的な「相手」に届けることを前提にすることを意識してみることが大事になる訳だ。
じゃあ、具体的に「どうやってそれを書き直していくのか?」が次の項目になるわけだけど、それは次回に掘り下げてみよう。
橋本:はい! 楽しみにしています!
Check項目
1.自分の「目指す未来」に向かっているか?2.ギャップを埋めるような「相手」をイメージ出来ているか?
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