単なる商品の品質や価格だけでは、他社と比べて優位に立つことが難しくなっている現代において、カスタマーエクスペリエンス(顧客体験)に注目が集まってきています。モノやサービスが溢れるなかで、他社との差別化を図るためには、商品以外の点でも優位に立つ必要があります。
この記事では「カスタマーエクスペリエンスとは何か?」といった基本的な説明に加え、カスタマーエクスペリエンスにどのように取り組むべきかといった実践的な内容も網羅して解説しています。今後のマーケティング戦略を立てる場面でも重要な内容となっていますので、ぜひ参考にしてください。
カスタマーエクスペリエンス(CX)とは
カスタマーエクスペリエンスとは英語で「Customer Experience」と表記します。略語で「CX」と表記されることもあり、目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。カスタマーエクスペリエンス(CX)は、「顧客が体験する価値」のことを意味します。商品やサービスの物質的、金銭的な価値だけではなく、商品やサービスの購入前の販促から購入後のサポートに至るまで、自社の商品やサービスに関連する顧客体験のすべてが対象となります。
物質的な価値だけでないというのは、たとえば同じくらいのおいしさで同じような価格の値段のコーヒーチェーンが複数あったとして、お茶をしようとしたらその中でも「椅子がゆったりとしていて長時間いられる」「高級感がある雰囲気で優越感がある」といった価値基準をもとにお店を選ぶといったことが挙げられます。 どのお店でコーヒーを飲んでも物質的な価値はコーヒー一杯ですが、ユーザーは選んだ店によっては快適さや優越感といった価値を受け取ることができますよね。
商品購入やサービスを利用する際に、得られる価値が期待以上のものなら「ファン」となりリピートや口コミの拡散につながります。コーヒーチェーンで言えば、スターバックスコーヒーがよい例でしょう。スターバックスでコーヒーを飲んだり仕事をしたりすることに「おしゃれ」「かっこいい」といったコーヒーを楽しむ以外のステータス的な価値が見出されているため人気を集めているのです。