この記事は「マーケティングにおける戦略と戦術の違いとは? 2つの違いを知ることが長期成功の秘訣」の後編になります。
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例2 ダイエットをしてかっこいい体になる
次に、より身近な例としてダイエットを取り上げます。 ダイエットの目的は痩せてきれいになることまたはかっこよい体になること。ではどういう方法で痩せるか、それが戦略になります。痩せるための方法は「運動をする」「食事制限をする」などが挙げられますね。 「運動をする」という戦略に対しては「仕事帰りにジムに寄る」、「早起きしてジョギングする」といった具体的な行動(戦術)が考えられます。また「食事制限をする」という戦略に対しては「夜は糖質を摂らない」「自分でヘルシーなお弁当を作って職場に持っていく」などの戦術が考えられるでしょう。戦略に対する戦術も1つしかないわけではありません。 また「運動しよう」という戦略に対して「夜は糖質を摂らない」という戦術はミスマッチであることが分かります。戦略によっては戦術が意味を成さなくなることがあります。戦略も戦術も、目的を達成するためにあるものですので常に目的から考え、戦略・戦術を立てる流れにすることは忘れてはなりません。
戦略における資源の配分が成功のカギ
目的達成のために人やお金などの会社の資源を最適に分配するのが戦略です。しかし、日本一の企業にしようとしてもいきなり初めから多店舗展開や上場できるわけではありませんよね。当然のことながら存在する資源しか分配することはできません。 いくら知名度を上げるという戦略を計画したところで、広告費にかけられるお金がなければプロモーションを行うことはできません。正しい戦略のためには、今ある資源をしっかりと把握することと戦略を実行するための課題の把握も重要となります。マーケティングにおける戦略と戦術の違いを知る意義
マーケティングとは、「商品が売れ続ける仕組みを作ること」。つまり短期的な成功ではなく長期的な成功を目指すものです。「戦略」と「戦術」の違いを知る意義はここにあります。「戦略」は自社の外部状況だけでなく、自社にどれほどの資源があるのかといった内部状況も鑑みて立てられるものですので、他社からその全容までは分かりません。そのため優れた戦略であっても他社は真似できないことなります。 それに対し「戦術」は具体的な行動のことですので、外部から見えることになります。真似されやすい部分ですので、可能な限り社外秘ですすめたいものですが、結果が出れば内容が分かってしまいます。特定保健用食品、いわゆるトクホのコーラなどは顕著な例でしょう。糖や脂肪の吸収を抑える効果があるドリンクは、一社が出せばそのヒットを受けて続々と他社も似たような商品の販売を始めました。逆に、他社の戦術を参照しビジネスや経営の一端を学ぶこともできるとも言えます。
戦略と戦術の違いを知ることで一つの戦術が完了すれば次の戦術にというように戦略のもとに意味のある行動をすることができます。さらには戦略を立てる元となる目的についてもしっかりと意識することができ、中長期的な成功へとつなげることができるでしょう。