「売れる仕組み」を作るために欠かせないマーケティング。企業を成長へと導くためのさまざまな分析手法やフレームワークがマーケティングでは駆使されています。 この記事では、マーケティングを行う上で必ず理解しておくべきである「戦略と戦術の違い」について解説しています。戦略と戦術の違いは、さまざまな手法を試す前の基礎知識とも言える基本の内容です。ぜひ最後までご覧ください。
戦略・戦術の前に目的あり
企業における目的とは、ビジョンと言い換えてもよいでしょう。多くは企業理念に反映されていると思いますが、ビジョンを達成することが企業が存在する最大の目的です。収益を上げる、製品やサービスをヒットさせるといったことは、目的達成のための手段です。
戦略とは
戦略は目的を達成するために資源配分をどう最適化させるかということ。企業は人やお金、商品といった資源を持っています。そのような資源をどのように配分するかというのが戦略です。「目的を達成するためにできる最も効率の良い方策」が戦略で、それを立案することが「戦略を立てる」となるわけです。目標と考えれば分かりやすいかもしれません。戦術とは
戦略はあくまでも目的の達成のために立てられるものですが、戦術も同様のことが言えます。戦術は戦略を実行するためにあります。戦略を実行するための具体的なプランやシナリオ、方法にあたるのが戦術です。つまりは目的達成のために戦略を立て、戦略を遂行するために具体的な方策である戦術を実行するという流れになります。 戦術は戦略に合わせて実行されるものなので、戦略と戦術がマッチしていないと効果が出づらい点には注意が必要です。戦術は作戦と言い換えると理解しやすいでしょう。目的・戦略・戦術の例
目的・戦略・戦術の違いが分かりやすい例を2つほど挙げていきます。目的達成のために戦略があり、戦術とは戦略のために具体的な行動案であることを念頭に入れながら確認してください。例1 レストランチェーンを展開する
レストランでおいしい料理を日本中に届けたいという気持ちで創業した会社があるとします。「おいしい料理を日本中に届ける」は、目的にあたりますよね。 次に戦略ですが、おいしい料理を日本中に届けるために取れる方策は1つではありません。注意すべきは目的達成のための戦略は複数存在することもある点です。場合によっては複数の戦略を並行してすすめていくことも十分に起こりえます。日本中に届けるためには1店舗では足りないという考えから、たとえば5年で10の営業店舗を作ろうというのも戦略の1つですし、行列ができるような繁盛店にして、料理を通販で注文できるようにし、日本中どこでも同じ味が楽しめるようにしようというのも戦略として考えられます。
最後に戦術について。店舗を増やすなら店長候補を育てる必要があるのでアルバイトではなく社員として働いてもらえる人を広告を出して採用する、すでに人材がいるならあの人に新しいお店を任せようというのが戦術になります。料理を通販で購入できる戦略をとるなら、冷凍車での配送ができる会社と提携する、大量生産できるように工場を作るなどの戦術が考えられます。