この記事は「ミドルマネジメントに求められる組織上の役割とは?求められる能力についても解説します」の後編になります。
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職場の雰囲気作りはミドルマネジメントの仕事
現場をまとめるリーダーや主任の上司であるミドルマネジメント。つまりは現場の最高責任者とも言えるわけです。そのため職場の雰囲気作りもミドルマネジメントの重要な役割となります。職場の雰囲気が悪ければ生産性は下がりますし、雰囲気が良ければ各メンバーがしっかりと能力を発揮することができます。現場ではルーチンワークのような仕事も多く、メンバーがモチベーションを保ちづらいことも多いでしょう。メンバーがいきいきと働けるようにするためには、組織が将来どのような方向へ進もうとしているのかといったビジョンを伝え、ビジョンの達成のために現場の力が必要だということをしっかりと言葉にすることも重要となります。
近年ではプレイングマネージャーとしての活躍に期待する声も
現場を包括してまとめるミドルマネジメントには、近年ではマネジメント業務だけでなく、実務もこなすプレイングマネージャーとしての活躍に期待が集まっています。実際にプレイヤーとしても行動することで、現場感覚が維持でき、現場の声を吸い上げやすくなるといったメリットが考えられます。しかし、その分時間が奪われ、本業であるマネジメント業務に支障をきたすことも危惧されます。人手不足、人材不足であるなら強力なプレーヤーとしての活躍を期待するのは分かりますが、ミドルマネジメントの役割の1つに「部下の育成」がある以上、安易にミドルマネジメントをプレーヤーとして配置するのではなくしっかりと検討することが必要でしょう。
ミドルマネジメントには人を動かすスキルが必要
いくら正論であっても、指示をするだけの人に部下はついていきません。特に現場の意見を無視した指示であれば「現場のことを知らないくせに」「そんなに言うならやってみせろ」という反感を買いかねません。ミドルマネジメントには、人をマネジメントするという立場である以上、人を動かすためのコミュニケーションスキルが欠かすことはできません。そして単なる上手な指示をするだけでなく、本来の役割は部下の育成ですから成長を促せるようなコーチングスキルが求められると言えるでしょう。
現場のマネジメント、職場環境の整備、部下の育成といった役割を担うミドルマネジメントには、プレイヤーとは異なるスキルが求められることになります。現場単位で試行錯誤することも重要ですが、理論を身に付けることが先決となるでしょう。人材マネジメントに関する研修やセミナーなどは活発に行われていますので、参加してみるのもおすすめです。