この記事は「AARRRとは? グロースハックにおいて重要なフレームワーク」の後編になります。
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AARRRの5つの要素
ここからは、AARRRの5つのステップについて順番に解説していきます。Acquisition(アクイジション)
Acquisitionとは「新規ユーザー獲得」を意味します。このフェーズではサイトへのアクセス数や、訪問者のうちの購入に至った人数、アプリであればインストール数などが指標となります。行う施策としては、販売商品に関するSEO対策や、アプリのインストール環境の最適化などが挙げられます。Activation(アクティベーション)
Activationとは「利用開始」のフェーズです。アクイジションよりも、訪問ユーザーのより積極的な行動に焦点を当てたステップとなります。「活性化」とも呼ばれ、より多くのユーザーに利用してもらうための施策を講じる段階です。たとえば新規のユーザーが主要機能を会員登録後一定期間内に一定回数以上利用しているかなどが指標となります。新規ユーザーの離脱を防ぐための施策とも言えるでしょう。サイトやアプリの使いやすさをあげる、操作方法の解説を見せるなどはActivationの施策の1つです。Retention(リテンション)
普段の生活でも、物事を忘れないように通知することをリテンションと言いますよね。リテンションとは、「継続利用」を意味します。Activationによって利用を開始したユーザーが、一定期間を過ぎても継続的に利用しているかどうかをチェックする段階です。継続利用率や、有料会員数などが指標となります。 Retentionを促すためには、サービスのことを忘れてもらわないような取り組みも重要です。たとえばアプリのプッシュ機能や、メルマガ、ポイントサービスの実施や、割引券の配布、キャンペーンの実施など、再度の利用を促す施策はここに当てはまります。Referral(リファラル)
Referralとは、「紹介」のこと。すでにサービスを利用しているユーザーは新規のユーザーに紹介することを指します。既存ユーザーに対して働きかけて、新規ユーザーの紹介につながるような施策を講じます。たとえば友人紹介割引や、SNSでのシェアを促す、SNS紹介者にポイントを還元する施策などが挙げられます。しかし、ユーザーにメリットがあってもサイトやサービスに高い満足感を得ていないとそもそも紹介しようと思わない、ということは見落としてはいけません。紹介でサービス利用した人数などが指標となります。Revenue(レベニュー)
Revenueは、「収益化」の段階です。これまでの4つのステップがサイクル化、安定化していき、ビジネスが収益化されていく段階です。全体を通じて、更に細かな分析を行い、さらなる収益化、最適化を狙います。例えば、収益が発生した割合、1件あたりの平均収益、収益が発生しやすい時間帯など、収益に関わる部分が指標となりますAARRRの活用ポイント
AARRRの5つのフェーズについて理解したら、次は具体的にどうAARRRを活用していくのかについてご紹介していていきます。 AARRRを活用するには5つの段階それぞれで施策を講じるということです。たとえば「利用開始:Activation」の段階で、「アプリのインストール環境が良くない」からと前段階の「新規ユーザー獲得:Acquisition」の責任としないことが挙げられます。せっかく5つの段階に分けているのに、お互いが干渉してしまっては、取るべき最善の施策が打てません。もちろんお互いのフェーズは無関係ではありませんが、まずはそれぞれの段階で最善の行動がとれているかを見返してみましょう。 各段階の状況を見極める指標についてもできるだけ具体的に見ることが重要です。新規ユーザー獲得の段階では、単純に訪問数だけを見て良い・悪いと判断するのではなく、新規顧客がどれくらい訪問しているか、ページ滞在時間の長いユーザー数はどれくらいか、閲覧ページが2ページ以上のユーザー数など、自社にとって最適な指標は何かと考えることが重要です。
これは自社が求める結果や目標によって変化しますので、しっかりと何のためのサービスなのか、といったところから考えていく必要があります。