この記事は「採用広報の成功事例から自社の採用方法を考えよう」の後編になります。
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採用広報の手法
採用広報の工夫は各社それぞれですが、その手法は大きく分けて3つあり、どれもメディアを用いていることが挙げられます。 3つのメディアとは「ペイドメディア」・「アーンドメディア」・「オウンドメディア」の3つです。Paid Media
Paid Media(ペイドメディア)は、お金を払うことで初めて取り上げてもらえる・書いてもらえるメディアです。ここにはテレビや雑誌、新聞、ネットなどの「広告」が含まれます。お金を払うことで伝えたい情報を確実に届けることができます。目を引くようなキャッチコピーの広告を出すことで採用につなげる手法です。Earned Media
Paid Mediaが、誰かに書いてもらうメディアだったのに対し、Earned Mediaは、信頼を「得る」ことで不特定の「誰かが書いてくれるメディア」だと言えます。企業側が依頼をして書いてもらうものではありません。例えば自分以外が運営しているブログやSNSなどがこれにあたりますTV番組などに取り上げられることも当てはまります。
Earned Media(アーンドメディア)のearnとは、「得る・稼ぐ」という意味です。その名の通り、特徴として挙げられるものが「信頼を獲得するといった目的を持つメディア」だという事です。アーンドメディアは情報の発信主体が第三者であるため、口コミのように読者や視聴者目線での信頼性の高い情報発信となります。また、TVに取り上げられたり、ブログやSNSで誰かが書いてくれたりすれば情報を大きく拡散することができます。 しかし、取り上げられる内容については大きな事実認識の違いなどで不利益を被るなどしない限りは基本的には企業側で操作するいことはできません。
Owned Media
Owned Media(オウンドメディア)のOwnとは「所有する」という意味です。つまりオウンドメディアとは自分が持っているメディアのことを指します。具体的には企業の公式サイトや公式SNS、メールマガジン、カタログ、店舗や従業員などが含まれます。自分のメディアですので「自分が書くメディア」と呼ぶことができるでしょう。広告では伝えきれない、より詳しく情報を公式に発信するのが役割です。これら3つのメディアをどのように活用して採用活動を成功に導いたのか、その事例をみていきましょう。
採用広報の成功事例
ここからは各社の成功事例について細かく紹介していきます。株式会社メルカリ
メルカリではオウンドメディア「メルカン」を2016年5月に立ち上げました。月間PV(ページビュー)は、約30万にのぼります。メルカリグループではどんな人が働いているのかを毎日発信しています。求人情報は出さず、人材紹介サービスやメルカンを使い、さまざまな職種の「メルカリではたらく人」の情報発信をすることで、求職者の目を引いています。採用担当だけではなく会社一丸となって積極的に企業が目指す姿を発信することが志望者とのミスマッチを防ぎ、採用活動が上手くいっているポイントと言えるでしょう。LINE株式会社
コミュニケーションアプリのLINEで知られるLINE株式会社。社員が積極的に仕事に対する考え方や企画書の書き方といったノウハウを、noteなどのWebサービスを使って積極的に公開しています。また、LINEでは自社でのリアルイベントを積極的に行っており、その内容を会社ブログにまとめて発信しています。イベントは開催してしまったらそれで終わりですが、このように記録を残しておくことで、イベントに参加できなかった人でも情報を取得することが可能となります。また、インターンシップの学生向けに2016年から実施している1カ月で40万円の報酬を支払う「エンジニア就業コース」など、話題になるイベントも多いです。株式会社Gunosy
株式会社Gunosyでは、オウンドメディアの「Gunosiru」を運営しています。「等身大のGunosyを伝える場」をモットーに情報発信がされています。自社の採用サイトからの導線も設けることで、「Gunosiru」を見れば会社のことが分かるようになっています。その結果入社前後のギャップがなくなり、ミスマッチを減らすことに貢献しています。採用活動と考えるとどうしても会社を魅力的に見せたいという気持ちが出てしまいがちですが、あえてありのままの会社や社員の様子を発信することで結果的に採用のミスマッチを減らすことに成功している企業が多いようです。ぜひ自社の採用活動にも参考にしてみてはいかがでしょうか。