この記事は「採用広報とは何か 採用広報を行う際の注意点を解説」の後編になります。
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採用広報の重要な役割
さまざまな方法で志望者を集めることは非常に重要です。100人の中から1人の優秀な人材を探すよりも1万人の中から探したほうがより自社が求める人材を見つけやすいことは明らかです。人が集まればその分採用への労力はかかりますが、会社の将来につながる重要な仕事ですので、おろそかにすることはできません。しかし、単純に人が集まりさえすればよいというものではありません。極端な話をすると、自動車免許が必須なのに、誰も持っていなければ100人集まろうが1万人集まろうが採用することはできず徒労に終わってしまいます。 採用広報の大きな役割は、志望者を集めるだけでは不十分です。正しくは「自社が求める人材を集める」ことにあります。 そのために自分の会社の製品やサービスが顧客にどんな価値を与えているかをしっかりと明確に伝えられるようにしましょう。
マーケティングの世界では「ドリルを買う人はドリルではなく穴が欲しい」という言葉があります。たとえばアパレルブランドでは服を売っていますが、服はせっかく購入してもタンスに眠らせていては価値がありませんよね。服を着たときの高揚感や、自信を得られるところに最大の価値があるわけです。何かを売るなら、顧客がそれを買うことで何が実現できるのかといったことを伝えることが重要なのです。
採用活動には時間もコストもかかります。しかしせっかく採用しても、自社に合っていなければ結果を残す前に辞めてしまうことも十分にあり得ることです。そのため採用広報の役割には、ミスマッチを防ぐことも含まれています。入社した社員に「思っていたのと違う」と思われないためには、やみくもに情報を発信するのではなく、会社が目指すビジョンの実現のためにどのような人材を募集しているのかを明確に発信することが重要です。具体的に求める人物像を発信すれば、それを満たしているもしくは目指している人物が集まりやすく、結果として採用活動の成功につながります。
さまざまなツールを使って採用活動を
情報を発信するからには、正しい情報であることは必須ですがどのような手法を用いて情報を発信するかも重要になってきています。単純に公式サイトの採用特設ページや求人サイトだけでなくオウンドメディアやSNS、YouTubeなどを使った情報発信を行っている企業も少なくありません。どれを使えば正解というわけではありませんが、求職者が知りたい情報を発信するという視点を忘れてはいけません。良い部分だけでなく求職者がマイナスだと受け取りそうなところもしっかりと伝えることで企業が求める人材が集めやすくなります。 あまり詳しく公開している企業が多くない給与のことや、社員から見た今後の改善していきたい点など志望者側からすれば聞きづらいようなことをあえてしっかりと伝えるのも効果的でしょう。
伝えるためには、まずは知ること。採用広報を行うのであればまずは自社の強みや魅力をしっかりと確認し、ブレがないようにするところから始めてみてはいかがでしょうか。