この記事は「広報にも求められる企画力 広報は会社の重要ポジション」の後編になります。
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広報に求められる企画力
情報を発信する方法の多様化がすすむなかで、広報の役割はより幅広いものになっています。従来であれば、新聞や雑誌、テレビに「いかに取り上げてもらうか」が重視されていました。もちろん、そのようなマスメディアに取り上げられることで得られる情報の拡散力は無視することができませんが、近年では自社でコラムやブログなどの「オウンドメディア」を運営する企業も増えてきています。
公式サイトでは、「会社が世間に対して発信したい内容」を載せるのに対し、オウンドメディアでは、業界ならではの時事ネタを取り扱うなどして「読み手が知りたい情報を発信」するのが特徴です。 ブログといえば、親睦会などの社内イベントのことを載せるようなイメージがあるかもしれませんが、一般読者はそのような情報を欲しているとは言えないでしょう。
これまでは「いかにメディアに取り上げてもらうか」が重要でしたが、たとえばオウンドメディアのアクセス数やSNSアカウントが話題になれば、大きな情報発信力が得られる時代となっています。 逆に「炎上」には細心の注意を払う必要がありますが、上手くいけば広告のように費用をかけなくても広く発信することができるようになります。 現在広報では、いかにオウンドメディアで「ファンを作れるか」がカギとなっています。そこで必要なのはアイデア、企画力と言い換えることもできるでしょう。
オウンドメディアとは自社が運営するメディアですので、制約がありません。テレビ番組のように編集されることもありません。そのためさまざまな工夫の余地があるのです。
企業を広報がブランディングする
ブランディングとは、ブランドのイメージをより良いものにするというだけでなく、正しく理解してもらうための活動全般のことを指します。家電製品を買うのであっても、掃除機ならどこがよい、音響設備ならどこがよい、洗濯機なら・・・といったイメージがあるかと思います。それらを確立していくのがブランディングです。どんなに良い評価であっても、自社の狙いと逸れていれば正しくブランディングができていないことになります。正しくブランディグを行うために必要なことは、自社のことを徹底的に知ることです。会社にはさまざまな部署がありますが、自分の部署以外がどんな仕事をしているのかは、意外と知らないものです。広報は、対外的に会社の顔となるもの。営業利益や従業員数といった数字はもちろん、それぞれの部署がどのような働き方をしているのかといったことに誰よりも詳しくなる必要があります。 ときには会社への思いを社長の代わりに発信することもあるでしょう。そのため広報として活躍していくのなら、会社の代表である社長と定期的に話をすることをおすすめします。
特にスタートアップしたての企業であれば、会社の方針や社員に求められることはひんぱんに軌道修正がされるもの、先月と今月でまったく異なるといったこともあり得ます。 その際に、広報が古い情報を発信するわけにはいきません。社長が広報にどんな仕事を求めているのかは、必ず確認すべき事項と言えるでしょう。
広報の役割は今後もますます範囲が広くなることが見込まれます。安いものや質が良いだけではヒットにつながらない今の時代においては、情報発信が非常に重要です。会社の顔であるという責任感を持って広報として活動することが、きっと会社のプラスになるはずです。