• 2019/08/01
  • 連載企画
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マーケター冨沢 1話目 【マウントとりますか】

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■マーケター冨沢
2019年1月に中途入社、当メディア・マーキャリチームに配属され、新人マーケターとして日々奮闘する25歳の冨沢を追った連載記事。
6大卒という学歴や元カーディーラーという肩書がありながら自己ブランディングを全くしていない為、キャリアを活かしきれていない彼が、<マーキャリチームメンバーと関わる中で自身の希少価値の見出し方を日々学び、成長していくドキュメンタリー>です。本人許可の元、プライベートも完全にさらけ出したリアルな内容はメディア記事としては大変珍しいのではないでしょうか。創業30年以上のBtoBマーケティング専門会社の一員として働きマーケティングノウハウを吸収する中で自己ブランディング能力を身につけていくことができるかが見どころです。

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また、冨沢が運用するマーキャリのTwitterはこちら

第1回「マウントとりますか」

セルフブランディングで重要なのは「自分を装飾していかに凄い人に見せるか」
「そして常に相手のマウントを取れるように会話を持っていくか」
周りの人から尊敬されれば生きやすくなって人生も楽しくなる。
人気者になれば、どんな人からも羨望を受け女性からもモテるようになる。

久々の大型連休も終盤、一昨日、昨日、今日と何も変わらず午後1時に目覚め、早速ネット掲示板をチェック。
しばらくして冷蔵庫を漁って、適当にあったものを胃に流し込む。のどごし生(キリンの第3のビール)を片手に再びネット掲示板をチェック。
「面白いスレッドを発見した時は、やっぱ笑みがこぼれますね。声出して笑うこともあります」
酒と煙草の匂いが充満する室内、
閉めきったカーテンの隙間から陽が差し込む。ふと時計を見ると短針はいつの間にか6時を指している。
小腹が空いてきたのでコンビニまで買い出しにいき、酒のツマミを買って帰宅。

「だるいですね、わざわざ出かけるのは。デリバリも良いんですけど結局玄関まで出るじゃないですか。受け取る時に見知らぬ人と顔を合わせて愛想使うのも面倒で。食べたいものがタダで勝手に机の上に運ばれてくるサービスがあれば良いんですけどね」

酒を飲みながら更新されていく掲示板を見て、自然と笑みがこぼれる。
誰かが掲示板に投稿した料理の写真を見て、腹を鳴らす。

「カップ麺も結局湯沸かしたり、かやく入れたりが面倒。蓋開けたら勝手にできあがるのを誰か開発してくれないですかね」

冷蔵庫から家族が作った料理を取り出しレンジのおまかせボタンを押す。

「ちゃんとワット数とか時間設定した方が良いのかもしれないですけど、よく分かんないし面倒なんでおまかせにしちゃいます」

レンジの前でのどごし生片手に画面が割れたiPhoneでネット掲示板をチェック。
温まった料理を自室に運び、欧州サッカーを見ながら食事。あっという間に休みの1日が過ぎる。

「冨沢さんはこの連休何してたんですか?」

「大体、ネットで世の中のトレンドとか情勢のチェックかな」

「凄い! マーケターは常に世の中の動向に敏感なんですね。でも折角の連休どこか遊びに行ったりはしなかったんですか? 自分なんかは海行ってきましたよ」

こういう相手は大抵、最初から自分が海に行った話を語りたいだけ。「どこの海に行ったの?」などと安易に乗ったらマウントを取られる。逆にマウントを取らないと。でも僕のポリシーは嘘をつかないこと。

「サッカー観戦したよ」

「えー! どこであったんですか?」

「ウェンブリー・スタジアム」

「イギリスじゃないですか! 行ったんですか?」

「まぁ一応」(気持ちは現地にあったので)

「ええ凄い! 観光したんですか?」

「いや、時間なくて観光はできなかったけど……それより海はどこへ行ったの?」

「私はハワイです♪」

「……」

ただの自慢に意味はない。
どれだけ自分を価値ある人間と見せつけるか。

僕の誇れるキャリアと言ったら学歴ぐらい。
だが、その大学を毎年何千人が卒業しているだろう。そう考えると、学歴で僕自身に希少価値を持たせることは難しい。
やはり特技(サッカー)を武器にすべきか。

「トモザワさん、初めまして。お電話でやり取りさせて頂いた〇〇の長江と申します」

「初めまして。株式会社エムエム総研のトミザワと申します」

「宜しくお願いします。トモザワさん、お若いですね! お電話で落ち着いた雰囲気だったのでもっと上かと思いました」

「ありがとうございます。トミザワは今年で25歳になります。長江さんはおいくつになられるんですか?」

「私は24歳ですよ!トモザワさんの1個下になりますかね! 体系ががっちりしてて身長も高いんでよく年上に見られるんですよ!」

「そうなんですね。確かに年上かと思いました。何かスポーツやられてたり?」

「大学時代柔道をやってました。トモザワさんは文化系ですか?」

「(僕もスポーツやってたわ)トミザワは高校までサッカーをやってました。」

「ええ! そうなんですか! 自分も高校まではサッカーやってましたよ! 中学の時にジュニアユースに選ばれて。高校は名門の〇〇に行ってました」

「(完全にマウント取りにぶっこんできたわ)凄いじゃないですか!」

「トムザワさんはどこの高校行かれてたんですか?」

「トミザワは地元の普通の高校ですよ」

「トミザワさん、話し方変わってますね笑」

「……」

マウント取りというのは、ただの自己満足です。
嫌われるだけだし、何も自分の価値は高められない。
あなたはセルフブランディングを履き違えている。

凄く綺麗な外観のホテル、しかし中はオンボロ、
見た目はすごく美味しそう、でも食べてみたらとにかく不味い

装飾なんて無意味なことです。

「でもキャリアがない人は装飾しないとブランディングできないんじゃ?」

キャリアはあくまで価値の1つの要素です。
例えばあなたを遊びに誘う人にとって、あなたは凄く価値ある存在です。
その彼らはあなたの学歴や職歴を重要視していますか?

あなたといると楽しいからまた誘います。つまり「楽しい」も価値の要素です。
そして友人にとっては、その楽しいが実績、つまりあなたのキャリアなのです。
要するにあなたは無意識に友人にセルフブランディングをしているのです。

ブランディングはマーケティング手法の1つです。
意図的に行うのであれば明確にターゲットを決めて、その相手にどう思われたいか、そしてその先に何を得たいのか考えるべきです。

第2回 マーケター冨沢「冨沢のマーケター理論」はこちら。

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