あなたが、上司に自分のマーケティングの成果を報告する際や(代理店などに所属していて)お客様にレポーティングを行う際、その会話の内容はどうなっているでしょうか?実は、すごく売れる広告代理店の担当者や、上手なマネージャーが行ってる「報告術」というものがあります。その基礎の部分を今回のコラムでは紹介したいと思います。
まず、一般的に非常に多い(そして、失礼ながら非常に退屈な)報告について話をすると、それは「事実だけをお経のように淡々と伝える」というやつです。リサーチの結果報告などがだいたいこれに該当するので、その手の報告を受けたことがある人は「あー、わかる。あの睡魔との戦いになるやつね」と思われたかもしれませんが、人間、この「淡々と事実を伝えられる」というのが本当に苦手です。
加えて「事実の報告」だけを求められているならば、それで良いのですが、それ以上の何かを期待されている場合、この報告方法はいただけません。なぜなら「事実を報告する」という事は、イコール「その先の考察については相手の考えにゆだねる」という事に他ならないからです。
「事実だけを報告してください」と言われたなら事実だけを報告すべきですが、そうなっていない場合、ここからできることが2つあります。
1つめはこれも案外多く、非常に「ダメなパターン」ですが、この事実に対して「見解・批評・考察」が入る場合です。ハッキリ言います。批評だけならだれでもできます。そして、企業の多くは批評家は求めていません。「こんな数字が出ていました。非常にまずい結果ですね」などと報告されようものなら、報告を受けている側からすれば「いやいや、お前の案件だろ。なんでそんなに他人事なんだよ」と反感すら買います(笑)
では、良い「報告」とは何を添えるべきなのでしょうか?それは「見解・批評・考察」ではなく、「対案」です。誰が言ったか素晴らしい言葉で「対案の無い批判は聞かなくていい」という言葉が個人的に大好きなのですが、結局「現状こうだったから、こうしたいと思いますがいかがでしょうか?」と聞くことが、単純な報告よりもはるかにベターです。
少し、簡単な事例を挙げてみましょう。外国からのお客様に「日本の文化」を伝える仕事をしていた部下からの報告と仮定してみてください。
「外国からのお客様がお寿司を食べたのですが、お気に召さなかったようです」
という報告を受けたとします。これだけを受け取った場合「じゃあ、やっぱり洋食を出した方が良いのかな」など、こちら側は「受けた報告」からだけ考えを巡らせます。
次に、批評・感想を入れてみましょう。
「外国からのお客様がお寿司を食べたのですが、お気に召さなかったようです。やっぱり生魚は相手の文化にないから難しいですね。もっと相手のニーズを考えるべきでした」
正直、じゃあ出すなよ。と言いたくなります(笑)
では、うまい報告に変えてみましょう。
「外国からのお客様がお寿司を食べたのですが、お気に召さなかったようです。やっぱり生魚は相手の文化にないから難しいですね。ただ、エビのてんぷらは非常に好評でした。次回は、てんぷらを中心にもてなしを考えたいのですがいかがでしょうか?」
いかがでしょうか。私がこの提案を受けたら「お、てんぷらか。確かに日本の文化だね。良いんじゃない?」など、会話が進みそうではありませんか?
そうなんです。うまい報告というのは、それがクライアント相手であれ、上司相手であれ、必ず何がしかの「提案」が入っているんですね。気が付いてほしいのが、この時、アイデアのイニシアティブは「起案側」にあります。最初の報告では「報告を受けた側」が「じゃあ、洋食にしたほうがいいのかな…」などと、考えていましたが、最後のパターンの場合、報告を受けた側がすることはシンプルで「YESかNO、またはそれに付随する対案」のみとなります。
たとえば、3番目の報告に私が「対案」を出すと、たとえばこんな感じです。
「どうせ、てんぷらにするなら、もう1つ冒険して天ぷらそばにしてみたらどうだ?」
どちらにしても、会話のイニシアティブは起案側にありますね。また、会話がスムーズに進行しています。こうして、起案が進むと案件も増え、結果的に実績も増えるのです。自分でイニシアティブを持つという事は「自分が手掛ける仕事が増える」という事にほかなりません。
是非これからは、報告の際に「提案」を行う事を意識してみてください。
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