• 2019/11/01
  • 連載企画
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『グロースハッカー佚』(第13話)【マーケティングにおけるプロダクトの重要性】

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新連載企画『グロースハッカー佚』。BtoBマーケティング会社に中途入社した八月一日 佚(ほずみ てつ)。前職ではプロモーターとして勤務していた小さな音楽レーベルを1人でメジャーレーベルにまで成長させたキャリアを持つ26歳彼女の誰も思いつかないような独創的な発想は果たしてBtoBマーケティング会社でも通用するのか。会社のブレーンとして様々な企業課題に立ち向かう彼女と会社の成長を追ったストーリー小説。
前回、久しぶりに幼馴染と会い、心身共にリフレッシュした主人公・佚。そんな中会社の上司・坂西が彼女のレーベル所属時代に登壇したフォーラムの動画を見つけるが...→『グロースハッカー佚』(第12話)はこちら

マーケティングにおけるプロダクトの重要性

横おはよう

坂西おはようございます!

横プラットフォーム案、何か考えてきた?

坂西んー、結構考えたけど中々浮かばないです

横今日午後だよ、案出しミーティング。頼むぞ!

坂西頑張ります

横ん? 何の動画、それ?

坂西あ、これ一昨年開催されたマーケティングの大規模なフォーラムの動画なんですけど、ここに出てるのって...

横え? これテッサン!?

坂西やっぱそうですよね。たまたま見つけて(本当は昨日の本人のツイートで知ったんだけど)

横登壇してたの!? 俺にもURL送って

坂西了解っす」

横エバンジェリストって肩書きで登壇してるじゃん。しかもミズホ? 名前違うし

坂西八月一日(ほずみ)の反対ですね

横そういうことか!

ソクラエ「続きましてメジャーレーベルMoRteの新人プロモーション及び、同社のマーケティング統括部を取り纏めているミズホさんと株式会社もりのもりのマーケティング責任者であるモリさんによるトークセッション『マーケティングにおけるプロダクトの重要性』です。モデレーターは私、ソクラエが担当させていただきます。お二人ともよろしくお願いします」

ミズホ「宜しくお願いします。改めましてMoRteのミズホと申します」

モリ「株式会社もりのもりのモリです。よろしくお願いします」

ソクラエ「ミズホさんは同社に新卒で入られて数か月でマーケ統括の纏め役を任されたんですよね?」

ミズホ「はい、最初にデジタルマーケティンググループに配属されプロモーションを担当させていただきました」

モリ「具体的にはどんな仕事をやられてたんですか?」

ミズホ「新人アーティストのiTunesなどでのダウンロード販売やSpotifyなど定額課金サービスといったデジタル関連の音楽の流通、そしてその売り上げを伸ばす為のマーケティングを行っておりました」

モリ「フィジカルメディアのマーケはまた別部門がやられてたんですね?」

ミズホ「そうですね。私が入るまではどちらも1つの部門が担ってましたが完全に分離しました。世界的にみても日本はちょっと特殊で未だデジタルよりも遥かにCDの方が売上規模が大きい。だから弊社のマーケティングもそれまでフィジカルに特化していましたが、ストリーミングサービスが出て以降、世界的に見ると音楽産業自体が大きな盛り上がりを見せており、これからの日本でのデジタルシフトへの加速化も予想し、フィジカルと切り分けてデジタル専門チームを作った形になります」

モリ「日本は特殊と仰ってましたが、グローバルの例が当てはまらないその未開拓な市場でどうやって戦略を立てていったんですか?」

ミズホ「戦略立て自体はそんなに難しいことではなく例えば、良い音楽、それは何を基準に良い音楽になるのか、みんなが好きと言えば良い音楽なのか、最高の楽器やレコーディング機材を使ったら良い音楽なのか、専門家が高評価を上げたら良い音楽なのか、これは他のものでも言えることですが、ターゲットが何にバリューを感じるか、そしてそれをどこでどのタイミングで伝え、共感させるか、その成功例は音楽に限らず多数あります。だからフィジカルメディアもデジタルメディアも根本的な戦略は変わりません」

モリ「私の勝手なイメージですが、日本は昔から手に取れるものに価値を感じる傾向があると思うんです。だからCDやレコードもジャケットやブックレット含め作品であってそれをコレクトすることにバリューがある。しかしストリーミングやダウンロードになると音楽という形のない作品そのものにバリューを出さなければならないから、大分戦略も変わるのではと思うのですがいかがでしょう?」

ミズホ「確かに仰る通り聴きたいというニーズに完全に寄せた戦略を練る必要があります。特にストリーミングに関しては、再生回数によって収益が得られる為、CDやダウンロードのように売れれば収益になるといったモデルではなく、聴かれれば売り上げに繋がります。ですから発売前に大々的なプロモーションをして発売直後に売り上げを最高値に持っていくというよりは、発売以降も継続的にマーケティングをして長期的に収益を上げていく戦略になります。ただ、結局のところ継続的に収益を上げていくこと自体はインターネットマーケティングと余り変わりません。だからベースとなる戦略は既に存在しています」

モリ「なるほど、複雑に考える必要はないってことですね」

ソクラエ「MoRteの大きな成長はそのストリーミングサービスに力を入れたからと言われていますが、その辺りは?」

ミズホ「はい、確かに新人アーティストの作品をどんどんストリーミングへ流したというのもありますが、それは既に成長の軌道に乗ってからのことです。そもそもの内側の問題を解消したのが会社の成長に大きく繋がった要因と言えます」

モリ「内側の問題?」



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