• 2019/10/18
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『グロースハッカー佚』(第10話)【インサイドセールス】

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新連載企画『グロースハッカー佚』。BtoBマーケティング会社に中途入社した八月一日 佚(ほずみ てつ)。前職ではプロモーターとして勤務していた小さな音楽レーベルを1人でメジャーレーベルにまで成長させたキャリアを持つ26歳彼女の誰も思いつかないような独創的な発想は果たしてBtoBマーケティング会社でも通用するのか。会社のブレーンとして様々な企業課題に立ち向かう彼女と会社の成長を追ったストーリー小説。

つい先日、入社して早々テレマーケティングでアポイントを一件獲得した八月一日 佚。現テレマーケティングの担当からそのノウハウについて聞かれる→『グロースハッカー佚』(第9話)はこちら

インサイドセールス

尾頃「録音聞いたんですけど、よく受付突破出来ましたね。あそこの受付は結構ガードが固くて中々崩すの難しいのに」

佚「そうでした?そうでもないですよ」

尾頃「何かコツがあるんですか?!是非教えてください!」

佚「では、尾頃さんが会社の電話対応をした時を想像してください。ある企業から社長宛に電話がありました。どうしますか?」

尾頃「直ぐに社長に廻します!」

佚「なぜですか?」

尾頃「だって私では何の話か分からないし、余計な話をして相手を怒らせたらまずいじゃないですか」

佚「では後から社長に、営業電話は繋ぐなと注意されたら次回はどうしますか?」

尾頃「必ず用件を聞くようにします」

佚「営業電話かどうかの判断は?」

尾頃「内容聞いて分からなかったら直接聞いちゃいます。営業ですか?って」

佚「営業ではないと言われたので社長に繋いだら、結局営業でした。その場合、社長は再度、営業は繋ぐなと注意するかもしれません。次回はどうしますか?」

尾頃「ええ...そうしたらもっと疑ってかかります。本当に営業じゃないですか?って」

佚「○○商事の八月一日です。社長様いらっしゃいますか?」

尾頃「え、あ、えっと、どういったご用件ですか?!」

佚「社長様宛に先日の〇〇の件でお話がありご連絡いたしました」

尾頃「あ、えっと、それは営業ですか?」

佚「いいえ、情報提供になります」

尾頃「情報提供...ってことは営業だから...お断りします!」

佚「それで、後から社長に○○商事の八月一日さんから今日電話あるはずなんだけどまだない?って聞かれたらどうします?」

尾頃「ええ!それはやばいですね。もうどうしたらいいか分からないです」

佚「受付の立場で言えば、この場合は次回から、『既に社長と面識はございますか?』って聞けば大体はクリアできます」

尾頃「なるほど!」

佚「でも面識がなくても、社長が求めていた電話だったという場合もあります」

尾頃「そうなると、やっぱもう分からないですね。どうしたら良いのか」

佚「営業電話を通すのと大事な電話を切ってしまうのだったら後者の方が会社にとってマイナスです。だから受付の方は用件をしっかり聞いて判断しなくてはなりません。慣れもありますが今、尾頃さんが感じた心境を少なくとも受付の方はみんな持っています」

尾頃「こんな心境続くと、電話出るの怖くなってもう出たくなくなりますよ苦笑」

佚「慣れてないとそうですね。 要するに受付は自分が知らないからといって、どんな電話も絶対に繋がないというわけではないと頭に入れておいて下さい」

尾頃「分かりました!」



佚「では進め方です。先ず、何でもそうですが、売りたいものがあるならそれをお勧めしたいという気持ちを必ず持つべきです。受付突破が目的ではありません、ターゲットにそれを勧めるまでを必ずイメージすること。その気持ちがなければ、全て難しくなります」

尾頃「それはなんでですか?」

佚「モチベーションです。単純に、人から預かったプレゼントを届けるのと、自分が買ったプレゼントを届けるのでは、目的への意欲が違うからです。無意識に声や話し方にも違いが表れます」

尾頃「なるほど!代理でプレゼントを渡すってなんか嫌ですもんね笑 トーク自体はどうしたら良いですか?」

佚「さっきので心境が少し分かったと思いますが、なるべく受付は的確に用件を知りたいのです。だから誤魔化したり、敢えて営業色を隠して伝えるのはNGです」

尾頃「でも営業職を出したら断られませんか?」

佚「勿論そうです。だから相手が知りたい範囲に合わせて目的を提供しましょう。例えば、『担当者に繋いで欲しい』に対しての用件は、『担当者と○○の件の話がしたい』です。NGパターンとしては、どんな用件かに対して『今回売上に伸び悩んでいる企業様を救済する○○という新サービスをリリースしましてそちらのご紹介で』みたいに余分な宣伝を加えることです。冒頭の部分は用件ではなく、宣伝です。受付の方からすれば聞いてもいないのに宣伝されたことになります」

尾頃「じゃあ、私が持ってるスクリプトに、『今回弊社のWeb戦略サービスのご紹介でご連絡致しました』って書いてありますけど、これもNGですか?」

佚「受付の方は取次の際に担当者に用件を伝えます。それを想定してこちらで伝えやすいようにコンパクトに纏めてあげましょう。そういう意味では、そのスクリプトの文言はNGではないですが、断られる可能性は高いです」

尾頃「なんでですか!?」

佚「それだと『サービスのご紹介』に対して必要があるかを考えます。つまり受付の方にそのサービスの良さやお勧めする理由を伝えなくてはならなくなります。しかし受付の方が必ずしも、そのサービス分野にリテラシーがあるとは限りません。むしろ、無いケースがほとんどです。だからどんなに良いサービスでも魅力を伝えられずに断られてしまいます」

尾頃「難しい...つまりどう言えば正解なんですか」

佚「一回やってみましょうか。実際にうちの会社を想定して受付をやってください。私が掛けるテイで。株式会社テッサンの八月一日と申します。マーケティング部門のご責任者様はいらっしゃいますか?」

尾頃「お世話になっております。どういったご用件ですか」

佚「Web戦略関係のお話になるのですが、分かる方いらっしゃいますか?」

尾頃「分かる方...誰になるかな...」

佚「戦略系なので恐らくマーケティングの責任者になるかと思います」

尾頃「あ!横さんか!少々お待ちください、...いや、じゃなくて、営業ですか?」

佚「はい、今Web周りはまだお手を付けられていらっしゃいませんよね?」

尾頃「そうかもです...」

佚「一応、Webを使った戦略のお話になります   って感じで...」

尾頃「いやぁ、流されちゃいますね。自分だったら担当に繋げちゃってます。凄い、なんでだろう」

佚「今のはちょっと強引に進めちゃいましたが、大体さっき教えた内容になりますよ。あとは常に相手にイメージをさせることですかね」

尾頃「イメージ?」

佚「イメージは特にキーマン接続時に重要になってきます」

尾頃「キーマンに繋がった場合のパターンも知りたいです!」


次回『グロースハッカー佚』お楽しみに!
『グロースハッカー佚』第11話はこちらから

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