• 2019/10/29
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『グロースハッカー佚』(第12話)【幼馴染】

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新連載企画『グロースハッカー佚』。BtoBマーケティング会社に中途入社した八月一日 佚(ほずみ てつ)。前職ではプロモーターとして勤務していた小さな音楽レーベルを1人でメジャーレーベルにまで成長させたキャリアを持つ26歳彼女の誰も思いつかないような独創的な発想は果たしてBtoBマーケティング会社でも通用するのか。会社のブレーンとして様々な企業課題に立ち向かう彼女と会社の成長を追ったストーリー小説。

前回、主人公八月一日 佚は持っているコールノウハウを新しい職場でも存分に披露した。そんなひと段落ついた仕事終わり、近況報告もかねて幼馴染と久しぶりにご飯を食べることに...→『グロースハッカー佚』(第11話)はこちら

幼馴染

芙菜「テッサン!お待たせ!ごめん遅れちゃって」

佚「大丈夫。私も今着いたところ」

芙菜「ごめんね!仕事帰りに呼び出しちゃって」

佚「ううん、芙菜ちゃんに会うの久しぶりだから嬉しい」

芙菜「取り合えずお店行こうか!」


芙菜「乾杯ー!でさあ、もう本当にブラック過ぎて辞めようか悩んでて」

佚「でも今、GMなんでしょ?そんな簡単に辞められるの?」

芙菜「そこなんだよね。うちの会社、余り良い人材揃ってないからチーム纏められる人、他にいなくて。テッサンがいてくれたらなぁ」

佚「この前LINEで、良い新人が中途で入ってきたって言ってなかったっけ?」

芙菜「もちろん直ぐ辞めちゃったよ。うちじゃ折角優秀な人材入っても、周りがダメ過ぎて1人で抱え込むことになるから1か月で潰れるし」

佚「あるあるだね」

芙菜「テッサンの方はどうなの?入社してまだ3,4日だっけ?」

佚「うん、まぁこれからって感じかな」

芙菜「またやってるの? Twitter使ったチームコントロール!笑」

佚「やるつもりはなかったんだけど、チームが思いの外まとまってなかったからね」

芙菜「で今回のキーマンは誰?」

佚「上司(坂西さん)かな、面接の時もいた人でいつもリーダー(横さん)に付いてる。」

芙菜「そんなに(仕事)出来る人なの?」

佚「その反対かな、悪い人ではなさそうなんだけど、良くも悪くもチームに対しての影響力は一番高そう。一歩間違えたら、あの人何かやらかして異動させられる可能性もあって」

芙菜「仕事出来ない人だったら異動してくれた方がやりやすいんじゃない?笑」

佚「そうとは限らないよ、総合的に見たら出来ない人でも、役割によっては成果に凄く重要な人物になるからね」

芙菜「相変わらずテッサンは凄いなぁ。レーベル時代と変わってないね。何より先にチームを立て直すところとか」

佚「チームが回ってなかったら、何も実現できないからね」

芙菜「何も実現できないか...確かに私んところ全然回ってないから何も上手くいってないなぁ」

佚「芙菜ちゃんが指示出ししてるの?」

芙菜「そうそう、GMだからね!でも何か舐められてるんだよね。私がまだ26の女ってのもあるのかな。部下は皆私より勤続年数も歳も上だし」

佚「指示通り動いてくれないとか?」

芙菜「そう、みんな言っても期限守ってくれなかったり。私より上の上司が言うと守るくせに」

佚「多分、みんな学校の宿題みたいに捉えてるんじゃない? やらないと怒られるから仕方なくやるみたいな」

芙菜「ああ、それあるかも!お願いすると凄く面倒くさそうにしてるし」

佚「芙菜ちゃんじゃ、怒ってもきっと恐くないからね笑 」

芙菜「はぁ、もっと威厳持ちたいなあ」

佚「みんなにドミノやらせたら?」

芙菜「ん? ああ確かに!それ有りだね!笑 1つ置くだけでも緊張感やばいもんね。1人倒したら全員の努力が崩れるし」

佚「期限守らないのは倒すのと同じだよって」

芙菜「うちら児童館でよくやったもんね!ある意味あれで責任感養われた気がする笑」

佚「そうだね笑」

芙菜「ん? テッサンさっきから引っ切り無しにスマフォ光ってるけど会社からじゃない?」

佚「ああ、これは大丈夫。私のポートフォリオに会社の人がアクセスした時のアラートだよ」

芙菜「へー!前教えてくれたやつか!何が分かるんだっけ?」

佚「社員の行動パターンとか興味感心とかかな、あとは単純に私への興味だったり笑」

芙菜「それ分かってどうするの?笑」

佚「組織の傾向を把握しないと色々戦略立てられないからね。そもそも私に誰も興味なかったら、どんなに良いことを発言しても価値はないし」

芙菜「なるほどね...そういうもんなのかな。てか、なんで今の会社に転職したの?テッサンなら中小企業じゃなくて大企業で普通に採用されてたでしょ?」

佚「格好つけていうなら...恩返しかな」

芙菜「恩返し?」

佚「うん、まぁ凄く良い会社だから決め手はヤリガイ。 きっともっと大きくなると思う」

芙菜「そうね! レーベルの時もそうやって大きくしたもんね」

芙菜「今日はありがとね!忙しいところ時間作って貰って!久々に楽しかった!」

佚「こちらこそありがとう!私も楽しかった」

芙菜「てかテッサン、多めに払ってない? いくらだった?ちゃんと払うよ!」

佚「大丈夫!今度またね!」

芙菜「そう? じゃあ今日はお言葉に甘えて。ありがと! あ、そういえば」

佚「?」

芙菜「来月のお父様の1周忌、私もお参り行くね。小さい頃から凄くお世話になってたし」

佚「ありがとう」

芙菜「今もお世話になってるけどね笑 寝具は全部お父様の製品だから」

佚「そうだったね!笑 芙菜ちゃんは大切なお客様」

芙菜「そう! 前も気になったんだけど継がないんだね? まぁ、あれだけ規模大きくなってあの人数の社員も抱えてたら後継ぎって感じじゃないか」

佚「うん、少なくとも今はその必要ないから」


次回『グロースハッカー佚』お楽しみに!
『グロースハッカー佚』第13話はこちらから

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