この記事は『マーケティング担当の「キャリアパス」とは?』の後編になります。
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Step2. セグメンテーションとターゲティング
2つ目のステップは、自社の商品を誰に届けるかに関わる部分になります。商品を作る上で、「誰を対象にした商品か」を明確にする段階と言えます。 セグメンテーション(セグメント)とは、市場や顧客を何らかの基準をもとに同じグループに分類された集団のことを指します。自社の商品を評価してくれるお客様がどのような人なのかを性別や地域、年齢、家族構成などをもとに実施したグループ分けをセグメンテーションといいます。不特定多数ではなく、商品を買ってくれそうな人、気に入ってくれそうな人とそうでない人をグループ分けします。そうすることで商品ユーザーになってくれそうなグループに特化した商品を作ったりビジネス展開が可能になります。ターゲティングとは、グループ分けしたお客様の集団のなかから、特定のグループに絞ることを指します。グループ分けして、そこから絞り、それに向かって商品を作るという流れです。そのためセグメンテーションとターゲティングは常にセットとなります。
Step3. 何を売るか
3つ目のステップからは具体的な商品企画に入ります。ターゲットとする層が決まったら、そこに向かって商品を作るのですが、当然「何を売るか」といった問題が浮き上がってきます。製品でもサービスでも同様ですが、クライアントやお客様は商品そのものではなく、商品購入によって得られる価値やメリットを求めています。マーケティングの世界には、「ドリルを買いにきた人が欲しいのは穴である」という有名な言葉がありますが、購買層が求めているものが商品そのものではなく価値であることを端的に表していると言えるでしょう。提供する価値が「業界の最安値」といった価格重視なのか「他社にはないもの」といった付加価値重視のどちらなのかを意識して商品企画と開発をすすめていきます。
Step4.どのようにお客様に届けるか
出来上がった商品をお客様に提供するには、さまざまな方法があります。従来の店舗販売や訪問販売といった営業職が活躍するものから、カタログからの購入などに加え現在ではwebサイトからの購入も考慮する必要があります。特に実際に顧客と接することがないwebからの購入の場合には、商品ページを作るだけでなく、サイトの使いやすさや決済手段、配送方法などの物流についても顧客の視点に立って手にしやすい方法を考えます。商品や自社ブランドを知ってもらうためのPR活動や本などの冊子や雑誌での広告宣伝、プレスリリースなどもこのステップに含まれます。情報の一方的な発信ではなく、あくまでユーザー視点に立って、商品を購入しやすくする工夫が求められます。
マーケティング戦略を立てると聞くと非常に複雑なように感じてしまうかもしれませんが、細かい手法や分析の種類に差はあっても、基本的な考え方は変わらず大きな違いはありません。自社のマーケティングをしっかりと行うことが商品を欲しいと思う方にきちんと届けるためには欠かすことができないものだということをしっかりと認識してマーケティング戦略を立案することが重要です。