• 2024/05/31
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はりこらむ 第99回「自分と向き合う時間の過ごし方でOutputが変わる。」

  • 萩原 張広  
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自分と向き合う時間の過ごし方でOutputが変わる。


 ⇒第98回「地位の力と他者の意見を聞ける力」はこちらから


 コロナ以降テレワークが中心になって、一人時間が増えています。自宅の自分の部屋で仕事をしたり、ネットで情報を集めたり、考え事をしたりする時間が一番多くなりました。近所の河原の土手をウォーキングしている時も含め、自己対話している時間がコロナ前に比べて大幅に増えた感じがします。このコラムも日常的な出来事や気づきと自己対話を通じて出来ていきます。自分の中では自己対話の時間と、オンライン面談や会社でのリアルな業務や会食などのOutput時間と大きく二つに分かれています。時間的には一人でいる時間の方が圧倒的に多く、他者と接してOutputしている時間との比較で言うと10対1になるかと思います。

 Outputしている時間が価値を顕在化させている時間と言えると思いますが、最近痛切に感じるのが、自己対話の時間がOutputの質に影響するという事です。スポーツ選手が、試合に出てパフォーマンを発揮するのは一瞬だけど、その為にその何十倍何百倍の時間をトレーニングやコンディショニングに費やすように、自己対話の時間が実際のOutput時におけるパフォーマンスを決めるのだと思います。

 大事な事は自己客観性と本質的な目的をちゃんと認識して考えるという事。例えば、会社のメンバーやお客様、関係各位など自分以外の他者の事を考える時に、自分目線で感情的に浮かぶ事をそのまま放置してしまうと、他者の欠点ばかり言語化したり、出来ない理由や自分との関係性によっては自分の自責を他責に置き換えるような思考の方向になりそうな事もあります。こういう時も自分目線で考えるのではなく、自分自身も想像の中にいれて、それをまた別の第3者から見たらどう見えるのかを想像する事で多少なりとも客観的な視点を入れる事が出来ます。

 またピンチな事があった時に未来を想像すると、不確定要素の高さや不安から、必要以上に悲観的な未来を想像してそれに対して怯えたり逃げたくなる事もあるかと思います。漠然とした不安な状況を想像するのではなく、まずは本質的な目的に照らし合わせて自分はどうするべきかを考える事。そして事実情報から起こりえる事象を複数仮説として設定し、それに対して出来る事、やるべき事の優先順位を考えていく。そうしていくうちに腹も括れるし、何を準備しなければならないかも明確になってくる。そこまでいくと漠然とした不安から、解決すべき課題に立ち向かう勇気が出てきます。

 個人的には大きな決断をする時には、以前より自分で書いているミッションステートメント(自分憲法みたいなもの)や会社のクレドブックを見て一度本質的な目的を確認するようにしています。実際に自己対話して自分の中に落とし込まれた以上のOutputは出る訳はないので、このプロセスで実際のOutputの質は決まってしまうのだと思います。ちょっとカッコよい言い方をすると、大谷選手が試合でホームランを打つために日々鍛錬したりコンディションに気を使った生活を送っているのと同じ事をしている感覚ですね。日々よい自己対話の時間を今後も過ごしていきたいです。

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■萩原 張広 Profile
株式会社エムエム総研代表取締役CEO。株式会社リクルートにて法人営業、営業マネージャーとして7年のキャリアを経て、株式会社エムエム総研を設立。法人営業のコンサルティングサービスを大手IT企業やベンチャー企業に向けて多数提供。1998年、ニューヨークでの視察経験から日本でのBtoBマーケティングの必要性と可能性を感じ、業態をBtoBマーケティングエージェンシーとする。以降、数百件のマーケティングプロジェクトに関わる。

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