• 2023/03/03
  • 連載企画
  • はりこらむ

はりこらむ 第73回「ユーザー会やりました! ~直接お客様に接して思う事~」

  • 萩原 張広  
article-image


ユーザー会やりました! ~直接お客様に接して思う事~


⇒第72回「クオリティの高い引継ぎ! ~ミッション、網羅性、落とし穴~」はこちらから


 先日、3年ぶりに弊社の営業DXコンサルティング事業部のお客様を30名ほどお迎えして、リアルの場でユーザー会を実施しました。普段、私自身は営業現場に出ることがあまりありませんし、コロナの影響もあってリアルな場でのユーザー会を開く事も出来なかったので、久しぶりに多くのお客様と直接お会いする事が出来ました。

 この事業部では「営業DXの推進」をテーマに、デジタルセールス(インサイドセールス、オンラインセールス、カスタマーサクセス)の導入コンサルティングや弊社正社員常駐型の実行支援サービスを行っています。現在はリモートワークでの業務も多く、お客様との打ち合わせもほとんどがオンラインですね。新卒2年目でインサイドセールスをやっている弊社の社員から、半年ほど前に「実は僕、リアルの場で名刺交換した事がないんです!」と言われてちょっとびっくりした記憶があります。億単位の新規取引もオンラインで進めて、契約の時に初めてお客様とリアルでお会いするようなケースも出てきています。

 ITツールを活用した、分業型で非対面のセールス活動がコロナをきっかけに進んでいることは、日本の営業生産性向上や働く人の選択肢や機会を増やすという意味では良い事ですし、そもそもエムエム総研はそういった事を普及させることを目的に事業を行っています。

 そんな中、久しぶりにお客様とリアルの場で接していろいろと感じました。事前にうちの営業から、お客様の情報や今の営業状況などは聞いていたので、多少なりともミッションを感じながらお客様と接していました。しかし、久しぶりにリアルの場でお客様と接すると、現場で営業していた頃の感覚で、ミッションも大切ですが、「お客さまはどんな状況の中で今の仕事に取り組んでいるんだろう」とか、「この方はこの先どんなキャリアビジョンを望んでいるんだろう」、「今会社の中での立ち位置や経営側からの評価とかはどんな感じなんだろう」と考えながら接していました。

 オンラインでのお打ち合わせだと、仕事自体に集中してしまう事が多いため(それ自体は悪くはないのですが)、お客様が置かれている背景とか状況に目が行かずに、直接的なコミュニケーションになりがちですね。BtoBであっても最後は個人と個人の信頼関係や本質的なニーズの理解が必要なのは一緒なので、目の前の仕事のためのニーズの理解ももちろんですが、お客様が置かれている状況やその中での意志をこちら側が理解して進める必要性を課題として感じました。これは従来型の営業からデジタルセールスになっても変わらない事なんだと思います。むしろデジタルセールスで分業化が進み、プロセスの生産性が上がるからこそ、深い本質的なコミュニケーションが取れるかが差別化になっていくのだと思います。

 以前、エムエム総研の中で、私が営業研修を行った際に「顧客理解マンダラ」という概念と図を作りました。これは「顧客理解って、よく言うけど何を理解すればよいの?」という問いに答えるものです。

 一度、思い切り顧客理解の引き出しを広げてみましょう。会社事業視点で言うと、その会社事業の成り立ちから今後のビジョン、今抱えている課題、事業の強み、弱み、そして担当のお客様個人視点で言うと、その方の今までの人生の来し方から家族構成、趣味、現状の関心事、上司との関係や、今の社内評価の状況、今後考えているキャリアビジョン、プライベートの悩みまで。もちろんこういった事を全部、お聞きする事も理解して仕事を進める事も簡単ではありません。ただ営業側が、イメージ出来る顧客理解の引き出しをどのくらい持っているかが重要だと思い、「顧客理解マンダラ」を作りました。

 多くの人は、自分の業務を遂行する為に必要な事を理解したい、ヒアリングしたいと言います。自分が作っている企画書のこのパーツを埋めたいからとか、業務を進める上で確認したいところがあるからとか、自分の行間を埋める為の、いわば「自分の為の顧客理解」になってしまうのだと思います。もちろん各論で仕事を進めていく為にそういった事を聞くのは重要なのですが、顧客を理解して本質的なソリューションをする為にはもう少し広い視野や時間軸での顧客理解が必要だと思います。

 今後もデジタルセールスの普及に努めながら、リアルな場でのこういった機会も作って行きたいと思います。

⇒次の記事はこちらから



■萩原 張広 Profile
株式会社エムエム総研代表取締役CEO。株式会社リクルートにて法人営業、営業マネージャーとして7年のキャリアを経て、株式会社エムエム総研を設立。法人営業のコンサルティングサービスを大手IT企業やベンチャー企業に向けて多数提供。1998年、ニューヨークでの視察経験から日本でのBtoBマーケティングの必要性と可能性を感じ、業態をBtoBマーケティングエージェンシーとする。以降、数百件のマーケティングプロジェクトに関わる。

「マーキャリNEXT CAREER」無料キャリア相談実施中

マーケタースキル診断公開中!!

関連記事

検索条件を変更する

フリーワード

記事カテゴリ
タグ