この記事では営業職を経験した人、現在営業職として活動をしている人向けのキャリアプランとして、どのような職種への転職が考えられるのかを紹介しています。営業経験を活かした転職を検討している方に特に参考になる内容になっています。ぜひ最後までご覧ください。
転職では経験を活かすのが基本
転職にはこれまでの仕事と関連性の薄いものへの転職と、経験を活かした関連職種への転職の2パターンがあります。近年は売り手市場と呼ばれ、転職者や求職者に有利な状況とされていました。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、企業は将来的に活躍してくれるであろう人よりも、すぐに成果を上げられる人を求める傾向が強まっています。ポテンシャルではなく、即戦力が求められるということです。転職における即戦力とは、言い換えれば「これまで既に成果を出した経験があること」となります。
営業職からの転職を考えるなら、営業経験が活かせる職種へ転職するのが基本ということです。とはいえ、それはもちろん時勢を鑑みた場合の話です。営業職と関連性の薄い他の職種への興味が大きくなってきた、営業という仕事にやりがいを見いだせないということであれば、もちろん未経験の職種であっても転職を検討すべきでしょう。
営業経験が活かせる営業関連職
営業職から転職を図る場合、営業と名のつかない職種をイメージしがちですが、法人営業という広義での営業職から、特定の分野に特化した営業職へと転職するという選択肢があります。具体的にはインサイドセールスやカスタマーサクセスといった職種が挙げられます。それぞれについて特徴や仕事内容を確認していきます。
インサイドセールス
インサイドセールスとは内勤営業と訳されることが多い職種です。従来の外回りの営業職は「フィールドセールス」または「アウトサイドセールス」と呼ばれています。対面型の営業ではなく、電話やメール、Web会議システムなどを使い顧客と直接対面する以外の方法で営業活動を行うのがインサイドセールスの特徴です。
近年アメリカで広まり、それが日本でも取り入れられました。アメリカではインサイドセールスが契約手続きまで行うことが多いですが、日本では訪問営業の担当に契約の取れやすいアポイントを渡すといったパス出しを行う役割を担うことが多いです。日本ではインサイドセールスのみで、営業活動を完結させている企業はまだまだ少数派です。しかし、営業活動の効率化やコストの抑制、顧客の購買プロセスの変化、働き方改革といった要因により今後は導入する企業が増えてくることが予測されます。
アメリカタイプのインサイドセールスでも、現在日本で主流のインサイドセールスでも、営業経験は大いに活かせます。インサイドセールスでは見込み客と直接対面して商談を行うわけではありませんが、これまでに外回り型の営業として顧客訪問をしてきたのであれば、その経験は大きな強みになるはずです。
カスタマーサクセス
カスタマーサクセスとは、その名の通り顧客の成功体験へ向けてサポートを行う仕事のことです。自社のサービスを顧客に継続して使い続けてもらうために、顧客が不満を抱える前に先んじて解決するのが主な仕事となります。特徴としては、待ちの姿勢ではなく能動的に顧客にアプローチを行うところ。カスタマーサポートが守りの部署ならカスタマーサクセスは攻めの部署になります。
課題や問題が発生してから対応するのではなく、課題が生まれる前にアプローチを行うことが顧客の満足度向上につながります。たとえば商品を購入したものの使い方が分からないとか一部の機能しか使えていないとなれば、顧客は不満を抱えてしまい、解約につながるでしょう。そうならないように先手を打って行動していくことがカスタマーサクセスには求められます。
顧客が商品やサービスを使うにあたって何も不満がなければ、解約にはつながりません。カスタマーサクセスは、商品やサービスを利用することで顧客が常に満足した状態にいられるようにするのが役割です。混同されやすいカスタマーサポートとの違いは、カスタマーサポートは問題が起きたあとに対応するのに対し、カスタマーサクセスは課題が生じる前に顧客にアプローチをする点です。
カスタマーサクセスは、既存顧客に対して課題を解決するためのさらなる提案を行うわけですから、実質的には営業職と言えるでしょう。これもこれまでの営業経験がそのまま活かせる職種です。
営業部署以外の職種
インサイドセールスやカスタマーサクセスといった営業部署内の役割だけでなく、他部署においても営業経験が活かせる職種はあります。それは営業企画とマーケティングです。営業企画は企業によっては専任の担当を設けていなかったり、営業部に所属していたりすることもあります。
営業企画は、一言で表すなら「営業職が製品やサービスを販売するための企画を立てること」ことが仕事です。営業を成功させ、売上目標を達成するために、営業戦略を立案したり、パンフレットなどの販促ツールを制作したり、競合の情報収集などのさまざまな業務を行います。そのため、業務内容は非常に広い範囲のものとなることが多いです。企画を立てるだけでなく、実際に企画を実践するところまで担当することもあります。
消費者やクライアントに対して営業をかけやすくし、売上を得るために、法人営業職がアプローチをかけるまでの前段階までを担当するのが営業企画です。目標達成のため、営業一人ひとりのモチベーションを上げることや、売れる環境を作ることも求められます。
営業の経験のない人間が営業の戦略の提案をしても机上の空論となりやすく、現場からも「営業のことを分かっていない人間に言われたくない」といった反感を買いやすい。しかし営業経験があり、しかも結果をしっかりと出した人間からの提案となれば営業側の見る目も変わってきます。営業企画は、営業経験者こそが行うべき役割だと言えるでしょう。
マーケティング部は、「商品が売れる仕組みをつくる」ことが仕事です。既存の商品の改良や新商品の開発などもマーケティング部が大きく関わってきます。営業とマーケティングは大きく役割が異なります。マーケティングでは、展示会などで情報を集めた見込み客のリストを作り営業部にパスをするのですが、両者の間でしっかりとコミュニケーションがとれておらず、せっかくのリストが無駄に終わってしまうことが少なくありません。
仕組みをつくるマーケティングと、商品を売る営業では大きく役割が違います。しかし、営業の目線に立って「リストは営業が使いやすいものかどうか」、「開発中の新商品は、実際に売るとなると営業からこのような意見が出るのではないか」などはイメージしやすくなります。
営業企画もマーケティングもどちらも直接営業活動を行う仕事ではありません。しかし営業経験は大いに活かせる職種だと言えます。今後、営業経験を活かした転職を検討するのならエージェント型の転職サービスを利用するのがおすすめです。専門のアドバイザーに話を聞くことで、自身の市場価値を知るヒントにもなります。
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