• 2021/03/03
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CRMで顧客管理を効率化〜CRM導入のメリットや注意点を解説します〜

  • マーキャリ 編集部
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目次

この記事で分かること


・CRMとは何か

・CRMの機能

・CRM導入のメリット

・CRM導入時の注意点

・どんなCRMを導入すべきか

・SFAとの違い

CRMとは

CRMは「Customer Relationship Management」の略で、日本語では「顧客関係管理」と訳されます。顧客の購買履歴を中心とした顧客とのコミュニケーション履歴を管理し、さらなる別商品の提案や、リピート率の向上を図り、顧客が自社に対して生涯与える利益であるライフタイムバリューの向上を達成しようとする考え方のこと言います。


元々CRMは概念のことなのですが、近年で顧客管理システムそのもののことを指す場合が多いです。この記事でもシステムとしてのCRMについて解説しています。  

CRMが導入されるようになった背景

ITシステムとしてCRMが盛んに導入されるようになった理由としては、顧客のニーズの多様化が大きいと考えられています。


高度成長期のような時代であれば「作れば売れる」「よいモノであれば売れる」というのが通常でした。日本の場合は少子高齢化がすすみ、既に人口減少が始まっています。新たな顧客を獲得するだけでは、経営が先細りしてしまうことは明らかです。一度獲得した顧客が離れていかないように新規顧客だけでなく既存顧客も大事にしてリピート購入につなげようという考えになるのは自然な流れでしょう。現在は、従来とは異なりインターネットの発達により消費者が自ら情報を取得できるようになっています。そのためニーズの多様化が進み、企業はさまざまなニーズに対応する必要に駆られています。


そこで重要視されるようになったのが顧客情報をデータ化してシステムにインプットし、データを分析して顧客ごとに最適なアプローチをとることです。これまでの担当者の手腕や勘といったものだけではなく、データが営業活動やマーケティング活動の大きな資産となり、情報収集や分析の効率化や営業効果を最大化するためのシステムとしてCRMが導入されるようになったのです。


データはExcelでも管理できます。しかしデータの収集や加工に多大な時間が必要になります。そして重要なのはデータを集めることではなく分析や活用をすることですので、データ収集から分析までを効率的に行えるCRMの導入が求められるようになっています。

CRMの機能

ここからはCRMには具体的にどのような機能が搭載されているのかを紹介します。CRMを導入することで顧客との関係をどのように良好なものにしていくことが期待できるのかみていきましょう。  

1.顧客情報管理

売上を上げるためには見込み客や既存顧客に応じて適切なアプローチをとることが重要です。顧客管理はCRMの基本的な機能の1つです。顧客の社名や所在地、電話番号、担当部署、担当者などの基本的な情報に加え、過去の商談、名刺情報などを入力することで顧客情報の一元管理ができます。さらには、購買目的や志向・ニーズなども含めて入力するのが一般的です。

2.案件情報管理

案件管理とは、営業担当が抱えている各案件の情報を一元管理する機能です。今実際にどのような案件が進行中なのかを管理できる機能と考えるとよいでしょう。営業先の企業や営業担当者、提案商品、商談の進捗、受注の見込み確度、受注予定日、受注見込額などを記録します。ここでいう商談の進捗とは、いつに何度目の訪問予定、クロージング中、プレゼン済などといった商談のステージが該当します。  

3.メール配信機能

CRMにはメール配信機能があります。メールなどで見込み客などに対してアプローチすることができます。単純な配信機能だけでなく、開封率の検証などもできるので工夫をしていくことで精度の高いアプローチが可能になります。  

4.問い合わせ管理機能

顧客からの問い合わせの内容を、履歴として保存・蓄積する機能もCRMにはあります。未対応かどうか誰が対応したかといったデータが残りますので返答漏れや二重対応の予防になります。  

CRM導入のメリット

さまざまな機能を備えたCRM。CRMを導入することで具体的にどのようなメリットがあるのかを確認していきましょう。  

メリット1:顧客情報の一元管理ができる

特に営業部門においてはそれぞれの案件について「担当者しか分からない」といった属人化の問題があります。しかしCRMを導入するということは、顧客に関するたくさんの情報を一元管理することになります。つまり、ある顧客に対して営業部しか知らない情報、マーケティング部しか知らない情報といったものが削減できるわけです。情報が部署を越えて共有されるので顧客に対しての適切なフォローアップがしやすくなります。


CRMを導入すれば、顧客に関するあらゆる情報を全員で共有でき、「どこに問題があるのか」が誰の目にも分かるようになりますし、過去の情報も現在進行中の情報も記録・管理できます。顧客情報を見える化することで、属人化を防ぎ、売上に対してより適切なアプローチがとれるようになるのです。  

メリット2:顧客満足度の向上につながる

顧客情報のデータベースとも言えるCRMで情報を一元管理することは、顧客満足度の向上につながります。顧客の情報をどの部署やスタッフでも見られるようになるので顧客に対して柔軟なアプローチが可能になります。顧客の担当者が不在の場合や退職してしまった後でも、しっかり顧客とのやりとりの履歴が蓄積されているので、質を保ったアプローチが可能になります。   

CRM導入時の注意点

CRMの導入はメリットだけがあるわけではありません。CRMの導入を検討しているのなら注意点やデメリットも確認しておきましょう。  

1.CRMはあくまでツール

CRMはマーケティング活動をサポートしてくれる強力なツールです。しかしどんなに業務効率化できても、どんなに情報を蓄積しようとも元となる営業手法自体に問題があれば効果は発揮できません。つまり、CRMは売上が伸びない、顧客が定着しないという悩みを解決するための魔法のツールではないということです。あくまでサポートするためのツールであり、データを分析してアプローチ方法を考えるのは人間なのです。  

2.あらかじめCRM導入の目的を明確にする

CRMを導入する際の目的が「便利だから」というのでは理由として不十分です。どんな課題を解決するために導入するのかは明確にしておく必要があります。どんなに良いものであっても、新しいものには一定の抵抗があるものです。CRM導入を検討するのなら、目的を社員に説明・共有し、マーケティング活動にどのように役立つのかといったことまで理解してもらう必要があるでしょう。データを蓄積するためのシステムを導入するということはそれだけ入力業務が増えるということでもあります。実際にCRMを運用する現場の人間から理解を得ることは必須です。  

3.管理する側の役割を明確にする

CRMは顧客情報を管理し、効果的なマーケティング活動を行うためのツールです。したがってそのデータをどのように活用するかは営業マネージャーやマーケティング担当者などの管理者側の役割となります。CRMを導入するのなら、その管理者となるマネージャー側がどのように運用するのかはあらかじめ明確にしておく必要があるでしょう。 

4.PDCAを回し続ける

CRMを導入したての頃はデータの蓄積がなく、すぐに売上には貢献しないかもしれません。これはCRMが新規顧客の獲得のためのツールというよりは、既存の顧客満足度の向上や顧客の育成を目的としたものだからです。CRMの運用が定着し、十分にデータが集まってから効果が表れるものなので、導入後は社内プロセスの見直しなど試行錯誤しながら、システムの運用が定着するまでの期間が必要です。


重要なのはCRMを導入するかどうかではなく、CRMをどのように活用するかです。場合によってはマーケティングや営業のプロセスそのものを全社的に見直す必要もあるでしょう。CRM導入をゴールとするのではなく、スタートすることでPDCAを回し続けてください。CRMを最大限に活かすために試行錯誤を続けることが、売上を最大化するために重要なマインドとなります。 

5.入力項目をできるだけ減らす

CRMにはさまざまな機能があります。なるべく多くのデータを集めたいという気持ちは分かりますが、その結果として売上が下がってしまっては意味がありません。まずはマーケティングを行う上で必須だと思われる項目に絞ってデータを入力するようにするとよいでしょう。  

6.基本情報はアシスタントに任せる業務フローに

名刺に記載されているような社名や担当者名、連絡先などは外部の専門業者やアシスタントスタッフなどに任せるといった業務フローを取ることもおすすめです。入力しても使うかどうか分からないデータを入力必須とするのは得策とは言えませんので、CRMを導入するなら業務フローから見直すことをおすすめします。


入力業務の負担が多く、データが蓄積できないといった本末転倒な事態は避ける必要がありますので、どうしても多くの情報を入力してもらいたいといった場合には、CRM入力を評価制度に組み込んだり、インセンティブを設けたりといったところまで検討する必要があるでしょう。

どんなCRMを導入すべきか

SFAには大きなメリットがある一方で、導入時には配慮すべき点もあると述べました。それでは実際にCRM導入を検討する際にはどのようなものが望ましいかを考えていきましょう。 

1.入力者にとって使い勝手が良いもの

どんなに機能が充実していても、どんなにコストが抑えられたものであっても、使いづらくて肝心のデータが集まらないようでは意味がありません。CRMへデータを入力するのは主に営業担当やマーケティング担当です。それらの部署にとっての使いやすさを重視するとよいでしょう。操作が良く分からない、システムにアクセスが集中するとフリーズしてしまうなどといったものはおすすめできません。  

2.セキュリティに問題がないもの

CRMは顧客情報という企業としては最も機密性の高い情報を運用するものです。そのためセキュリティ対策は、CRMにおいては最重要項目と言えるでしょう。 不正アクセス等に対してどのような対策をとっているか、対策は万全かといったことをしっかりと比較して導入しましょう。タブレットやスマートフォンで外出先から入力できるタイプのものは非常に便利で入力効率も良いですが、その場合は特にセキュリティ対策には慎重になるべきです。  

3.サポート体制が整っているもの

CRMに限った話ではありませんが、新たなシステムを導入する際は、使い慣れていないので入力に時間がかかったり、使い方が分からなかったりするものです。ベンダーと電話やチャットで迅速にやりとりができるサポート体制が整っているものが好ましいでしょう。  

4.他のツールと連携できるもの

マーケティングでも営業でも、CRMだけでなくさまざまなツールやソフトを使っているはずです。そのためCRMを独立して利用するのは効率が悪く、たとえばアパレルショップなら実店舗のPOSレジと連携できるかどうかといったことは事前にチェックしておきましょう。CRMの導入前から顧客データを管理しているシステムはあるはずですので、そのデータをCRMに移行できるかも確認してください。  

CRMと混同しやすいSFA

CRMと混同しやすい顧客管理ツールにSFAがあります。共通する機能もありますが、役割が異なる部分も多いので違いを確認しておきましょう。

SFAとは

SFA(Sales Force Automation)は営業活動のプロセスを管理するためのシステムです。営業支援システムと訳されることが多いです。基本的には営業活動を可視化し、案件を管理するツールと考えればよいでしょう。システムに情報を入力することで、たとえば営業担当のAさんのX社との商談がどの程度まですすんでいるか、過去の取引データはどうだったかといったことが分かるようになります。  

SFAが導入されるようになった背景

SFAは、システムにさまざまな情報入力をすることで営業の資産となるものです。しかし、営業職にとっては入力業務が増えることは、営業活動をする時間が減ることを意味します。にもかかわらずSFAが活発に導入されているのは、営業案件の属人化を防ぐという狙いがあるからです。属人化とは、「この案件はあの人にしか分からない」というもの。営業職のうち、1人の担当しか分からない案件があれば、たまたま休みのときに商談チャンスが巡ってきても失注につながりやすいですし、何より退職時には誰も担当できなくなります。もちろん引継ぎは行われるでしょうが、今まで1人しかできなかったことを誰かに引き継ぐのは容易ではありませんよね。


日本の営業の現場では属人化により「PDCAを回せない」「売上の予測の精度が低い」などといった問題が起きています。これらを解決するためのツールがSFAなのです。企業が大きな投資をしてまでSFAを導入しようとするのは、売上の正確な予測のためには現在進行中の営業案件を管理する以外にないからです。営業案件が属人化し、ブラックボックス化が進めば進むほど、売上の予測はつきづらくなります。そして売上が足りないとなった場合に手が打てず、結局新たな予算を設けたり人員配置を見直したりして営業担当を増やすという手法を取るしかなくなることもあります。


営業のプロセスをSFAで可視化できれば、どこに問題があるのかが売上が立っていないという最終段階でなく、途中段階でのテコ入れもしやすくなり、最終的には業績アップにもつなげられるのです。  

CRMとSFAの違い

CRMとSFAには共通点もありますが、大きな違いは役割です。CRMは顧客情報を管理して有効なマーケティングを行うためのもの。SFAは営業のプロセスを記録することで営業の属人化を防ぎ、営業担当の手腕や勘に頼らずに再現性の高い営業活動を行うためのものだと言えます。その役割の違いから、共通している機能においても得意分野が違うという特徴があります。営業管理なのか、顧客管理なのか、そして何のためにシステムを導入するのかをしっかりと考えた上でどちらを導入するかを選ぶことが重要です。

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