• 2020/08/25
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経産省発表の『デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン』を徹底的に分かりやすく解説!

  • マーキャリ 編集部
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経済産業省では2018年5月に「デジタルトランスフォーメーションに向けた研究会」を設置し、ITシステムのあり方を中心に、企業がDX(=デジタルトランスフォーメーション)を実現していく上での現状の課題について『DXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~』として報告書に取りまとめ公表しています。


報告書の発表後、実際にデジタルトランスフォーメーションを行う具体的ステップが述べられたガイドライン「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX推進ガイドライン)」が発表されました。この記事では「DX推進ガイドライン」について、要点を分かりやすく解説しています。デジタルトランスフォーメーションや2025年の崖についても簡単に解説していますので、確認をしながら読み進めてください。

デジタルトランスフォーメーション・2025年の崖について簡単に確認

なんとなくさまざまなものをデジタル化していくことをデジタルトランスフォーメーションだと捉えている人は多いです。「DX推進ガイドライン」の内容がしっかりと理解できるよう、デジタルトランスフォーメーションについて簡単に確認しておきましょう。デジタルトランスフォーメーションとは(digital transformation)何かについて、経済産業省では以下のように定義しています。


「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」 


つまりは製品をデジタル化するといった取り組みではなく、「デジタルを使ってビジネスモデルに変革を起こすこと」をデジタルトランスフォーメーションと言います。最新鋭の機器やシステムを導入することとイコールでないのは頭にいれておきましょう。  

デジタルトランスフォーメーションを経産省が推進しようとする理由

新たなデジタル技術を利用したこれまでにないビジネスモデルがどんどんと生まれてきています。時代の変化につれてビジネスモデルの展開方法が変化し新規参入企業も増えてきています。そのような状況の中で既存の企業が収益を上げ続けるためには、場合によって業務全体の抜本的な改革が必要です。そこで求められるのがデジタルトランスフォーメーションを進めること。競争力を維持するためには従来通りのやり方では革新的な新規参入企業に太刀打ちできません。


デジタルトランスフォーメーションを進めることは競争上の優位性を保つために避けては通れないものなのです。しかし、デジタルトランスフォーメーションを推し進めるには障壁があります。それは既存のシステムです。企業では、業務を行うにあたってすでに何らかのITシステムが導入されています。業種によっては数十年単位でシステムの変更が行われていないというケースも珍しくありません。企業は自社が運用しやすいようにシステムをカスタムし続けるのが通常ですので、システムが老朽化するだけでなく複雑化し、どんなものなのか実態が見えないブラックボックス化している現状があります。


たとえデジタルトランスフォーメーションへのステップとしてシステムを刷新することを経営者が望んでも、仕事のやり方が変わるのを嫌う現場の反対があり改革がすすまず、さらにブラックボックス化がすすむといった悪循環が生まれています。ブラックボックス化が解消できない場合は、デジタルトランスフォーメーションが実現できないというだけにとどまらず、2025年以降、最大12兆円/年(現在の約3倍)の経済損失が生じる可能性があるといわれています。これが「2025年の崖」です。


 経産省は、システムのブラック化による経済損失を危惧しているため、デジタルトランスフォーメーションを積極的に推進しようとしているのです。

「DX推進ガイドライン」の内容

デジタルトランスフォーメーションを実現するための最大のポイントは、既存システムのブラックボックス化の解消と言えます。ガイドラインで述べられているポイントについて確認していきましょう。  

「DX推進ガイドライン」の構成

「DX推進ガイドライン」は大きく分けて2つのパートに分けられています。1つは「DX推進のための経営のあり方、仕組み」、もう1つは「DXを実現する上で基盤となるITシステムの構築」です。

・DX推進のための経営のあり方、仕組み

このパートはさらに「経営戦略・ビジョンの提示」「経営トップのコミットメント」「DX推進のための体制整備」「投資等の意思決定のあり方」、そしてデジタルトランスフォーメーション により実現すべきものとして、「スピーディーな変化への対応力」が挙げられています。


システムのブラックボックス化を解消しデジタルトランスフォーメーションをすすめようとしても、現場からすれば新たな仕事を覚えなくてはならないことなどを手間に感じる人も少なくありません。ここで重要となるのが、経営ビジョンです。


とりあえず時代の流れにのって目的なき改革を行おうとしても上手くいくわけがありません。前提として現場はデジタルトランスフォーメーションをおっくうに思っていることを忘れないでください。そのため、「AI(=人工知能)を使って何かやれ」という言葉に代表されるようなビジョンがない丸投げではデジタルトランスフォーメーションに近づくことはできないのです。デジタルトランスフォーメーションを実現させるためには、経営ビジョンとともに、従業員を引っ張る強いリーダシップが求められます。


デジタルトランスフォーメーションを推進していくことは、企業にとって大きなチャレンジです。チャレンジには試行錯誤がつきもの。挑戦のための失敗が評価される環境づくりができているかが重要になります。


挑戦ができる体制か、またそれをサポートする仕組みはあるか、デジタルトランスフォーメーション実現のために必要な人材の育成ができているか、必要に応じて外部との連携をする準備はあるかといったところまで整って初めてデジタルトランスフォーメーションへ近づいている企業と言えるのです。

・DX を実現する上で基盤となる IT システムの構築

このパートは2つに分かれています。1つは「体制・仕組み」もう1つは「実行プロセス」です。


「体制・仕組み」におけるポイントは丸投げをせずに主体的に取り組むことと、各部署・部門ごとではなく全社的に取り組むことです。デジタルトランスフォーメーションを実現していく過程では、ブラックボックス化した既存システムの刷新が欠かせません。ここで陥りやすいミスが、システムを作っている企業に新しいシステムの作成を丸投げしてしまうこと。これでは結局のところ、「新しいシステムを導入するだけ」となり、単なるデジタル化にとどまってしまいます。


実装すべき機能や満たすべき性能などについては、他企業に一任するのではなく自ら明確にしていくことが重要になります。自ら必要な機能や性能を判断していくことで、将来再びブラックボックス化することを防げます。日本の企業では、1つの会社のなかで使用しているシステムが部署ごとに最適化されているのが通常です。部分最適もブラックボックス化へとつながる要因ですので、システムは部分最適ではなく全社最適を目指すべきとされています。


デジタルトランスフォーメーションは、した方がよいことではなくすべきことと捉えることが重要になります。ガイドラインに沿って実行をしていくことで、1つずつステップを進めていってください。

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