• 2020/09/30
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Uberの何がすごい? Uberが社会に起こすデジタルトランスフォーメーション(DX)

  • マーキャリ 編集部
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この記事では近年話題になっているデジタルトランスフォーメーションについて、Uberの企業事例をもとに解説しています。  Uber Eatsを利用したことがある方は多いでしょうが、Uberは単なる料理のデリバリーサービスではありません。ぜひこの記事を読んで、Uberが起こしてきた改革とデジタルトランスフォーメーションへの理解を深めてください。

デジタルトランスフォーメーションとは

デジタルトランスフォーメーションを、デジタル化をすすめることというイメージがある方も多いでしょうが、それでは不十分です。基礎的なところからしっかりと解説していますので確認していきましょう。


デジタルトランスフォーメーション(DX:Digital Transformation)は、2004年にスウェーデン・ウメオ大学のエリック・ストルターマン教授によって提唱されました。DTではなくDXと略すのは、英語圏では「Trans」を「X」と略すことに由来しています。


デジタルトランスフォーメーションとは何かについて、経済産業省では以下のように定義しています。「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」。


つまりは製品をデジタル化するといった取り組みではなく、「デジタルを使ってビジネスモデルに変革を起こすこと」と言えます。当然ビジネスとは企業や一般消費者に向けて行うものですので、企業内だけでなく社会全体に変革が起きることになります。


デジタルトランスフォーメーションに取り組む際の、よくある誤解としては「デジタル化=デジタルトランスフォーメーション」というものがあります。環境の変化に適応するための手段としてデジタルのテクノロジーやツール、データを活用することがデジタルトランスフォーメーションの本質で、デジタル化はあくまで1つのステップにすぎません。この点については誤解がないようにしておきましょう。たとえばオンライン商談ツールやWeb会議を導入するといったことは、業務の一部をデジタル化したに過ぎずデジタルトランスフォーメーションではありません。

デジタルトランスフォーメーションへの3ステップ

デジタルトランスフォーメーションへ至るまでには「デジタイゼーション(Digitization)」と「デジタライゼーション(Digitalization)」の2つのステップを経ることになります。どちらも業務工程をデジタルの力によって効率化していくものですが、デジタイゼーションはデジタルツールを導入することで特定業務のデジタル化やアナログ情報をデジタルにしてデータを蓄積できる環境を整えることを言います。デジタライゼーションは業務フロー(プロセス全体)をデジタル化していくことです。


デジタルトランスフォーメーションは、業務をデジタル化することではありません。デジタルを使って企業や顧客、ひいては社会全体の生活スタイルを変革しようとするもので、最終的には製品やサービスもデジタル化することを言います。デジタルトランスフォーメーションとデジタイゼーションやデジタライゼーションは混同しやすいものですが、同列に捉えるのではなく、段階を経るものだと考えてください。  

現在の課題はデジタライゼーションにある

現在語られているDXは、ほとんど第二段階のデジタライゼーション、つまりプロセスのデジタル化です。業務全体をデジタル化できるかどうかが日本においては課題であると言われています。たとえば、実際に訪問せずにオンラインや電話で商談を行うのは失礼にあたるとする考えが日本にはありますが、そのようなところもデジタルトランスフォーメーション、デジタライゼーションが発展しづらい理由となっているのかもしれません。  

デジタルトランスフォーメーションの推進が必要な理由

世界中で新たなデジタル技術を利用したこれまでにないビジネスモデルがどんどんと生まれてきています。時代につれてビジネスモデルの展開方法が変化し新規参入企業も増えてきています。そのような状況の中で既存の企業が収益を上げ続けるためには、場合によっては業務全体の抜本的な改革が必要となります。


そこで求められるのがデジタルトランスフォーメーションを進めること。競争力を維持するためには従来通りのやり方では革新的な新規参入企業に太刀打ちできません。デジタルトランスフォーメーションを進めることは競争上の優位性を保つために避けては通れないものなのです。


つまりデジタルトランスフォーメーションは「した方がよいこと」ではなく「しなければならないこと」であると理解してください。 しかし、日本においてはデジタルトランスフォーメーションの推進が世界的に遅れていると言われています。


日本でデジタルトランスフォーメーションを推し進めるには2つの障壁があります。1つは既存のシステムです。企業では、業務を行うにあたってすでに何らかのITシステムが導入されています。業種によっては数十年単位でシステムの変更が行われていないというケースも珍しくありません。企業は自社が運用しやすいようにシステムをカスタムし続けるのが通常ですので、システムが老朽化するだけでなく複雑化し、どんなものなのか実態が見えないブラックボックス化している現状があります。 会社の中で「〇〇さんにしか分からない」といった業務はよくあるものですが、それがシステムであるとすれば、会社としては危機感を覚えるべきだと言えるでしょう。


2点目の障壁は現場の反対です。デジタルトランスフォーメーションへのステップとしてシステムを刷新することを経営者が望んでも、仕事のやり方が変わるのを嫌う現場の反対があり改革がすすまず、さらにブラックボックス化がすすむといった悪循環が生まれています。 ブラックボックス化が解消できない場合は、デジタルトランスフォーメーションが実現できないというだけにとどまらず、2025年以降、最大12兆円/年(現在の約3倍)の経済損失が生じる可能性があるといわれています。これは「2025年の崖」と呼ばれています。


経産省は、システムのブラックボックス化による経済損失を危惧しているため、デジタルトランスフォーメーションを積極的に推進しようとしているのです。

技術が進化すれば、その分新しい価値を生み出しやすくなります。逆に言えばデジタルトランスフォーメーションに取り組まないと環境に適応したビジネスができず、事業の成長もできなくなるという意識がすべての企業に求められています。  

Uberの事業の根幹は配車アプリ


出典:https://www.uber.com/jp/ja/


日本ではUberといえば「Uber Eats」のイメージが強いですが、Uberの事業の根幹となるのは、自動車配車サービスです。ユーザーはUberアプリを使用して自分の行きたい場所を指定して配車を希望します。もちろんどこに配車するかも指定が可能です。行きたい場所を指定すると、ドライバーの情報や現在地、配車までの時間なども表示されます。あらかじめ行先を指定して乗り込みので、運転手に行先を告げる必要もありません。料金はUberアプリを通じて決済されるので、ドライバーとのお金のやりとりもありません。


一般的なタクシーの配車サービスと異なるのは、諸外国のUberで配車されるのはタクシーではなくUberに登録している個人の自動車だということ。料金はすべてアプリ経由で支払うのでぼったくりなどの心配もないですし、利用者がドライバーの評価をするシステムなので、運転マナーなどの悪いドライバーは排除できる仕組みになっています。また、ドライバー側も利用者を評価できるので、利用者側も節度を持った利用になりサービスの品質が一定に保たれるという仕組みです。


Uberのこの仕組みは、スマートフォンをはじめとしたデジタル技術の活用を前提としています。そのため生活を大きく変革させるデジタルトランスフォーメーションの事例として非常に有名なものになっています。


しかし日本の都市部で行われている配車サービスのUberは「Uber Taxi」としてタクシーの配車サービスとなっています。また、配車を希望した際に表示される料金についても、決定のものではなく参考料金となります。日本ではタクシーの料金についても、その仕組みが法律等で定められており、自動車に備え付けられたメータにより距離・時間に応じて決められることになっているからです。


法律の問題で日本ならではの活用がされているUberですが、自治体での活用事例が出てきています。 そのうちのひとつが、京都府丹後町で行われている「ささえ合い交通」です。本来、タクシー業を営むには2種免許が必要です。しかし、過疎地域においては例外が認められています。バスやタクシーが提供困難な場合、「自家用有償旅客運送制度」を活用することで自家用車にて乗客の輸送が可能になります。


ささえ合い交通では、地域住民がドライバーとなってタクシーの代わりを担っています。乗客はUberアプリを使って配車から決済までを一括でおこなえます。料金もタクシーの約半額となっているので観光だけでなく、通院やお買い物といった市民の足としても有効活用されています。


Uberは本来であれば個人の自家用車を配車するサービスなのでタクシーはライバルとなるのですが、日本では法律の関係でタクシーと協業しているのが興味深いですし、タクシーのない場所でUber本来の活用がされているのも日本ならではと言えるでしょう。  

Uberの特徴

配車サービスのUber Taxiにしろ、料理デリバリーサービスのUber Eatsにしろ、大きな特徴はUber自体が管理しているわけではなく、そこで働く人もUberの従業員ではないということです。Uber自体がタクシー会社を運営しているわけでも、飲食店を運営しているわけでもありません。そのためドライバーも配達員も、すべて自分の都合で働けます。自分の都合で働けるので休日やすきま時間の副業としても適しています。


Uberはデジタルを使って仕組み作りをし、大きな利益を上げています。まさにデジタルトランスフォーメーションの一例と言ってよいでしょう。  

Uberはサブスクリプションにも進出

配車アプリから始まったUberですが、現在では電動自転車や電動キックボードのシェアサービスや、アメリカでは天候や混雑具合によって料金の異なるUberを低料金で利用できることが確約される「Ride Pass」と呼ばれるサブスクリプションもすでにアメリカなどで実施されています。


サブスクリプションとは、月単位などで定期的にサービスに対しての利用料を支払うもので、「Amazon Prime」や「Netflix」などの動画配信サービス、グラフィックソフトの「Photoshop」や「Illustrator」、Officeソフトの「Word」や「PowerPoint」「Excel」もサブスクリプション型のサービスです。「Word」や「PowerPoint」「Excel」は買い切りのものもありますが、「Photoshop」や「Illustrator」は現在では完全にサブスクリプション型に移行しています。


サブスクリプションの利点は、ユーザーからすれば低料金で始められるということ、企業からすれば継続収入が得られることや料金の敷居が低いので新規ユーザーを獲得しやすいといったことが挙げられます。 単なる仕組みの提供ではなく、企業として成長を続けていこうとする姿勢のあらわれだと言えるでしょう。

デジタルトランスフォーメーションの実現のために

デジタルトランスフォーメーションは、デジタルの力でわたしたちの生活や働き方を大きく変革するものです。しかしUberの配車サービスが本来のライバルであるタクシー会社と協業する形となっているように、法制度の壁が大きく立ちはだかる場合もあるでしょう。また、Uberが行っている電動自転車と電動キックスクーターのシェアサービスの場合、日本では電動のキックスクーターが公道を走ることは法律上認められていませんので電動自動車に限ったサービスとなります。


デジタルトランスフォーメーションを推進していく上で、既存のアナログな制度が壁となってしまっては、日本のデジタルトランスフォーメーションはますます遅れてしまうでしょう。 Uberに合わせて法律を変えるというわけではなく、必要なものを必要とする柔軟な体制も重要となるのではないでしょうか。 

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