• 2020/08/08
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日本労働組合総連合会によるテレワークに関するアンケート調査の分析~見えてきた今後の課題~

  • マーキャリ 編集部
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日本のビジネスシーンにおいてテレワークを導入する企業が日に日に増加していき、新しい働き方として受け入れられつつあります。

しかし、テレワークが導入し始めたのも新型コロナウイルスの感染拡大防止の為、緊急で導入したケースが多く、このような背景から通信インフラや労働体制を整えたうえでテレワークへと移行できた企業は多くないでしょう。

その為、テレワークを導入した各企業は社員の働きかたを注意深くウォッチしながら新しい働き方に対して段階的に適応していく必要があるといえるでしょう。

日本労働組合総連合会(略称:連合)は6月5日~9日の期間に4月以降で実際にテレワークを行った全国の労働者1000人を対象に「テレワークに関する調査」を実施しました。この記事では本調査の一部を抜粋しながらテレワークに関しての今後の課題について考察していきたいと思います。


調査結果を見ていくとまず、「今年の4月以降、テレワークで、残業代支払いの対象となる時間外・休日労働を行うことがあったか」という質問に対して、

「よくあった」は 6.8%
「ときどきあった」は 18.9%
「まれにあった」は 12.4%
「まったくなかった」48.5%
「立場上、残業代は支払われない(管理監督者等)」13.4%

という結果が見て取れました。「あった」という回答の合計は全体で4割弱という数値です。


出典:https://www.jtuc-rengo.or.jp/info/chousa/data/20200630.pdf?42

また、上記の設問に「あった」と回答した人を対象に、「残業代支払いの対象となる時間外・休日労働をしたにも関わらず申告しないことがあったか」という質問をしたところ

「よくあった」は11.3%
「ときどきあった」は30.2%
「まれにあった」は23.6%
「まったくなかった」は34.9%

という結果になり、「あった」と回答した人の合計の割合は65.1%という結果になったことが見て取れます。


出典:https://www.jtuc-rengo.or.jp/info/chousa/data/20200630.pdf?42

同様に「残業代支払いの対象となる時間外・休日労働をしたにも関わらず勤務先に認められないことがあったか」という質問では「あった」と回答した人が56.4%であることが分かりました。

申告しなかった理由には「申告しづらい雰囲気だから」、「時間管理がされていないから」といった意見が多く見られました。

そして、テレワーク期間における労働環境の実態についてみていくと

・仕事とプライベートの時間の区別がつかなくなることがあった…71.2
・通常の勤務よりも長時間労働になることがあった…51.5%
・深夜の時間帯に仕事をすることがあった…32.4%

などの回答結果が見受けられ、テレワークに関しての働きにくさや閉塞感を感じている人もいるということが推測できます。


出典:https://www.jtuc-rengo.or.jp/info/chousa/data/20200630.pdf?42

生産性の向上やライフワークバランスの実現といった労働者にとってのテレワークのメリットが叫ばれている中で、徐々にではありますがこのようなテレワークの問題点が浮き彫りになってきています。

また、テレワークがサービス残業の温床と化している点は深刻な問題といえるでしょう。

職場にいる時と違って仕事ぶりが上司らに見えないため、働く側は仕事量で成果を示そうと長時間労働に陥りがちであると考えられます。普段より気軽にコミュニケーションが取りづらくなったり、テレワークという自由な働き方により勤怠管理がされていない、もしくは自分ではうまく勤怠がコントロールできないといったケースが考えられます。

テレワーク導入によるもう一つのリスク

サービス残業の増加は労働基準法に照らし合わせてみてもこのまま放っておいていい問題ではないことは明らかですが、この事実はもう一点の大きなリスクを孕んでいることが分かります。それは労働者自身による健康管理です。

外出機会の減少による運動時間の減少は多くの疾患のリスクにつながり、体に合わないソファやダイニングテーブルを使っての作業は首や肩に負荷をかけ、肩こりや腰痛の原因にもなります。また、猫背の状態での作業は体の前部にある心臓や肺、腸などが圧迫され、内臓機能が低下し、全身の不調に発展し、命に直接関わる循環器系疾患のリスクも高まるとされています。
参考:https://news.yahoo.co.jp/articles/e9a57077f1be0306ae0b44f954aa2c04b9883c12

上記に加えて、サービス残業の増加や生活リズムの乱れなどにより、うつ病やその他の精神病にかかるケースも考えられます。どんな職種でも労働者は体が資本です。しかし、テレワークの導入の影響により、今まで維持できていた労働者の健康が脅かされていると考えることが出来るでしょう。

労働者自身の健康管理としては

・一時間ごとに適度なストレッチを行う。
・朝に起きて日光を浴びながら30分程度の散歩を行う
・肘の角度が90度になるように椅子や机の高さを調整する、または購入する

などが挙げられます。しかし企業としても労働者の健康管理を維持する対策を始める必要はあるでしょう。

株式会社iCAREがが提供する健康管理システム「Carely(ケアリィ)」は、9月末までの契約申込みにおいて初期費用を最大無料で提供することを発表しました。


出典:https://www.carely.jp/

・不調な従業員の早期発見
・オンラインでの産業医面談
・在宅勤務者への健康相談窓口
・健康経営に必要な健康指標の見える化

といった点は長期化するテレワークで解決すべき健康管理施策です。

Carelyでは、企業が行うべき健康管理をすべてクラウド上に集約することで、健康リスク者の抽出や組織分析を自動で行うことができます。
また、Carelyには臨床心理士や保健師などの専門家が在籍しています。従業員からの健康相談窓口としての活用はもちろん、健康診断やストレスチェックの事後フォローがCarelyの専門家より自動的に行われます。

出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000053.000022826.html


テレワークの導入における「残業時間の増加」「労働者の健康状態の悪化」が企業にとっての今後の課題として見えてきました。
テレワークが長期化することにより、特に「労働者の健康状態の悪化」が顕著にみられてくると予想できます。
企業としては今から社員の健康にかかわる労務環境の見直しをテレワークに適した形に適応させていく必要があるといえるのではないでしょうか。

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