• 2020/05/20
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スウェーデンのコロナ対策のメリット・デメリットとは?

  • マーキャリ 編集部
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新型コロナウイルスの影響はそれぞれの国の対策によって大きく差が出始めています。世界ではスウェーデンのコロナ対策である集団免疫が成功だったのか失敗だったのか議論もされています。そこで本記事では集団免疫がスウェーデンにもたらすメリット・デメリットについて紹介します。また集団免疫が日本にも仮に導入された場合のメリット・デメリットについても合わせて解説します。

スウェーデンの国民性

集団免疫についても気になるところですがまずはスウェーデンの国民性からみていきます。国民性を理解することでなぜスウェーデンでは集団免疫が受け入れられるのかがより理解できるようになります。


スウェーデンは個人主義です。それぞれが孤立して生きるという意味ではなく、個人の自由を尊重しています。発言であったり権利であったりです。そのためそれぞれ個人の考え方を大事にしています。そしてその上でまずは自分のことは自分で守り、幸せを追求します。自分のことが幸せにできた後に周りの人を幸せにできるという考え方があります。これがスウェーデンの国民性です。

スウェーデンのコロナ対策、集団免疫について

スウェーデンの国民性を踏まえた上で集団免疫について考えていきます。そもそも集団免疫とは集団でウイルスにかかり免疫を獲得することで感染症に打ち勝つという方法です。一度免疫を付けてしまえば再びコロナウイルスが蔓延したとしても問題ないという特徴があります。逆に、感染し悪化してしまうと命の危険にさらされるというリスクもあります。


スウェーデンの現状を見ると、他の北欧の国に比べ新型コロナウイルスの感染者数は約3倍以上も高いデータが出ています。短期的な数値だけをみると集団免疫に対して悪い印象を抱きかねないですが、これは国民性を正しく理解した施策になっています。スウェーデンは個人の自由を尊重します。そのため新型コロナウイルスの対策も国民一人ひとりの適切な判断に委ねられます。つまり国としては特別な施策はしないので自分の身は自分で守れるように免疫を獲得しましょうとも解釈できます。このように考えると集団免疫はスウェーデンの国民性とリンクしています。


そしてその結果感染者数は増加してしまいましたが、免疫を獲得した人も多いです。都市部のストックホルムでは人口の約20%がすでに感染したというデータもあり、必ずしもネガティブな要素だけではないということです。集団免疫は国民の考えを正しく理解したスウェーデンならでは施策といえるでしょう。

メリット・デメリット

では実際に集団免疫がスウェーデンにもたらすメリット・デメリットについて紹介します。 

メリット

メリットとしては経済活動が止まらないことがあげられます。それぞれの適切な行動に起因しているのでカフェが休業することもなければ、美容院が閉店することもありません。仮に経済活動が止まってしまうと稼ぎも減ってしまい、行動に制限がでてきてしまいます。制限されると行動の選択肢も減ってしまうため自由も損なわれるでしょう。


アメリカは過去に自由を獲得するために戦争をしたくらいなので自由はとても大事な要素です。そのため自由がない生活を幸せと捉える人も少ないので、人生の満足度も減少するでしょう。つまり経済活動が活発であることと人生の満足度は比例するということです。このように考えると集団免疫ではこれまで通りの生活ができるというメリットがあります。現在世界では自粛疲れという現象も起きているのでこの点は非常に大きなメリットといえるでしょう。


また長期的な視点で見たとしても免疫を持っておくことは大きな強みです。ロックダウンのようにそもそも感染症にかからないようにすると、再び感染が拡大したときに改めてロックダウンしなければなりません。ロックダウンするとまた経済が止まってしまうこともあり、将来の不確定要素が大きくなります。つまりビジネスでは事業計画がしづらくなります。しかしスウェーデンはそのような心配もないので、自国でビジネスする上では事業計画も立てやすくGDPも上昇していくでしょう。 

デメリット

これまでメリットをみてきましたが、集団免疫は紙一重な部分もあります。つまり経済活動に対して大きく遅れをとってしまうこともあるということです。免疫を獲得する前に多くの人が命を落とすことになると、労働人口が減ってしまい一気に人手不足となります。経済を回すためにはヒトは資本なので、場合によっては経済活動が止まってしまうことも考えられます。

日本で集団免疫をした場合は

ここからは仮に日本で集団免疫を実施した場合にどのようなことが起こりうるのかメリット・デメリットも含めてみてきましょう。


まずはスウェーデンと同様に日本の国民性に注目してみます。日本は世界のどの国からみても真面目という印象でしょう。日本独自の真面目さは今回のコロナ対策で改めて実証されたでしょう。なぜなら日本のみが国民を信じて自粛という選択をしたからです。 罰則のない自粛を海外で実行できるようなら実行しているでしょう。それができないから強制力のあるロックダウンを選択しています。一方日本は自粛という号令がかかっただけで一斉に外出をしなくなりました。これほど日本の国民性を物語っているものはないといえます。この点を意識してメリット・デメリットについて紹介します。 

メリット

メリットとしては意図さえ十分伝われば集団免疫は絶大な効果を発揮するでしょう。コロナに対して正しい情報さえ出回れば、労働人口と呼ばれる人たちの移動は制限されることがないので、ここまで休業や廃業に追い込まれるビジネスもなかったと想像できます。そして一番感染してはいけない高齢者も自分の行動をわきまえて外出しないような行動を心がけるでしょう。この行き着く先は経済活動を止めることなく、感染の拡大も防ぐことができるということになるでしょう。 

デメリット

デメリットは混乱を招く恐れがあるという点です。真面目さがゆえに国の指示には忠実に行動するため少しでも意図が伝わらなかったとすると批判が続出するでしょう。そしてその批判は政府にも向けられ、政府の信頼は大きく低下します。政府が信頼できなくなるとそれぞれが好き勝手な行動をとることもあり、自粛しなくてもいい人が自粛をしてしまうことやその逆も考えられます。つまりは経済活動も停滞して感染も拡大してしまうということが考えられます。真面目さが仇となり柔軟性にかけ少しの歯車の掛け違いだけで全く違う結果になってしまうでしょう。 

集団免疫をした場合のサラリーマンへの影響

日本のビジネスはまだまだ古い体質のところも多いため集団免疫したからといって、自粛ほどの大きな影響は起きないでしょう。集団免疫の場合はそれぞれの判断に委ねているためこれまで通りの経済活動ができるようであれば現状維持を好むでしょう。しかし大手の企業がデジタルシフトし始めると、それにならって行動を共にする企業も増えると考えられるため、大企業の行動次第をいえるでしょう。

まとめ

スウェーデンの集団免疫では短期的にはデメリットが目につきます。しかし長期的にはメリットも様々あり、現時点での良し悪しは付けづらいでしょう。国民性を正しく理解しているという点では評価すべき施策といえるのではないでしょうか。

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