短期間でマーケターとして成長できたのは、自身に課したKDI(アクションの数)

短期間でマーケターとして成長できたのは、自身に課したKDI(アクションの数)

Profile

戸山泰斗 株式会社サムシングファン

10代はバンドを中心に活動。22歳で動画制作の会社を立ち上げ、2年ほどで軌道に乗り始める中、さらなる成長を求めベンチマークしていたサムシングファンに入社。バンド活動や起業で培った集客やマーケティング、ビジネスセンスを活かし、入社間もなくSaaS事業の責任者に抜擢。現在はマーケティング部で自社のSaaS事業を拡大するべく戦略から戦術まで多岐にわたり活躍している。

目次

今回インタビューしたのは、映像・動画制作会社であり、動画マーケティング戦略・支援ツールの「DOOONUT(ドーナツ)」 の提供やライバー事業なども行う株式会社サムシングファンの戸山さん。現在は動画マーケティング支援ツール「DOOONUT」の責任者として活躍されていますが、バンド活動や起業経験など異色の経歴の持ち主。そのビジネスセンスの原点や、事業運営について、エムエム総研(マーキャリ運営元)取締役の河村が伺ってきました。

起業して軌道に乗る中、ベンチマークしていた企業へ転職

──まず、御社の事業について教えてください。

弊社は映像・動画制作を主軸に事業を展開しております。一般的な動画制作会社であるような納品したら終わりという考え方ではなく、その先のマーケティング活動の効果測定までを見据えているのが特長です。

例えば、弊社の動画マーケティング戦略・支援ツール「DOOONUT」は、動画のA/Bテストや効果分析、SNS投稿など、動画を活用したマーケティングを支援できるような機能を数多く搭載しています。事業として、他には、LIVE配信やライバーを支援するライバー事業なども行っており、その中で私は「DOOONUT」のマーケティングを担当しております。

──戸山さんのキャリアはユニークですよね。サムシングファンに入社されるまでのキャリアについて教えてください。

20歳頃まではずっと音楽活動をしていました。ジャンルはJ-POPで、売れ線なバンドのベースを担当していました。いくつか事務所にお声をかけてもらいましたが、そこでメンバーと意見が分かれたんです。

他のメンバーはザ・アーティストみたいな考え方で、私以外の全員が「事務所に入ったほうがいい」という意見。ただ、私は当時からビジネス志向が強く、「個人で会社を立ち上げて活動したほうが面白いんじゃないか」と提案しましたが、結局、私が折れて事務所に入りました。

しかし、事務所に入っても自分たちが描いていた集客やマネタイズができなくて、「なんか違うな」と思って、半年ほどでバンドを辞めてしまいました。そんな結末でしたが、音楽のおかげで集客論を学びましたね。

──その後は動画制作事業で起業されたのですよね。集客論と動画事業の関係性とはどこにあったのでしょうか?

私の中で、当時から「ザ・ビジネス」がしたいと思っていて、お金を貯めていました。その中で、ドローンやカメラを買って、「これで何かビジネスできないか」と動画制作会社の立ち上げを進めていきました。

その当時は「動画を作ってプロモーションしたい」と考える企業とのつながりが全くなかったので、受発注のプラットフォームを契約したり、営業代行サービスを使いながらスタートしました。50人前後の営業の方に商談を取ってきてもらっていましたね。

最終的に、その会社のメンバーは私を入れて4名になり、私はセールスとマーケティング領域のマネジメントをしていました。集客やマーケティングに興味があったのもしれません。


──そこから、サムシングファンに入社された経緯を教えてください。

実は、前からサムシングファンの事業をベンチマークしていました。DOOONUTや動画クリエイター派遣、ライバー事業をしていて面白い会社だなと思っていました。

私は、動画メディアや講演動画で有名な TEDのようなコンテンツの制作に携わりたいと考えていました。そして、DOOONUTで何かできるかもしれないと思い、サムシングファン執行役員の山口さんの話を聞いて事業の考え方や取り組みに興味を持ち、自己成長にもつながると感じたため入社を決意しました。

大きな課題も1つずつ可視化して解決した

──サムシングファンに入社されて注力されてきたことについて教えてください。

当時私が入社した時は、PLや販売戦略・管理などに改善の余地があるのではと感じました。そのため、そこをまず可視化しながら、1つずつ課題解決していきましたね。

その甲斐もあってか、今では事業部運営において重要指標となるKGIとそれに紐づくやるべきKDI(Key Do Indicator:実行回数を計測するKPI)までが明確になっています。
最終成果目標から逆算して行動計画まで整理することで、目標も現実味を帯びていきますし、活動に対する改善の打ち手も考えやすい、現在もある程度順調に業績を積み上げられていると思います。

また、今後はさらにプロモーションへの投資計画を立てており、コーポレートとしてのブランディングにも力を入れていく予定です。

──前職と比べて、現職での企業属性やニーズはやはり違いますか?

全然違いますね。ニーズによって属性は大きく3つに分けられます。

動画管理、配信目的のお客様は大手企業様が多いです。セキュリティ上、YouTubeが使えない場合や、社内の動画マニュアルをDOOONUTで管理したいといったニーズです。

次に、動画制作会社様からは「インタラクティブ動画をつくりたい」とお話をいただくことが多いです。

最後3つ目ですが、DOOONUTの機能の中に、動画視聴維持率をヒートマップのように可視化できるので、中小企業のDX推進部の方から、「動画の統計を取りたいからヒートマップ機能を使いたい」といったご要望があります。

──御社の主軸である動画制作事業とは顧客属性に違いがあるのでしょうか。

動画制作においては、業界として多いのは製造系や広告代理店ですね。どちらも基本的に認知拡大やブランディング目的が多いので、「ブランディングムービーを作ってください」とお話をいただくことが多いです。ですので、DOOONUTはまだサムシングファンの既存顧客と合致してはいないですね。

ただ、既存顧客にも「市場分析やインタラクティブ動画」というニーズが潜在的に含まれていることも増えており、その点では市況も変化をしている実感はあります。

ワークスタイルとともに変化する動画市場

──コロナ禍における動画市場の変化は感じますか?

弊社の取り組みの中で言うと、オンラインセミナーからの受注が増加していたり、オンラインセミナーをアーカイブに載せることによって、そこからまた問い合わせが来ることも増加したりしています。在宅やリモートワークの普及によって、オンラインセミナーをしっかり視聴する人が多くなった印象も受けます。

──マーケティング活動においても動画活用に変化はあるのでしょうか。

先ほど少し触れたDOOONUTのヒートマップ機能から活用別の視聴傾向が見えてきています。
特に、動画視聴の離脱傾向です。

基本的にWebサイトに来る方は、顕在層だと思いますが、その顕在層でさえ動画を再生した最初の5秒で離脱される方が多いです。そのため、冒頭でいかに興味を持たせるか、最後まで興味を持ってもらいエンゲージメントを高められるような動画にできるかが、肝になってくると思います。

一方、インサイドセールスの一環で、メルマガに動画URLを載せて送った場合、クリックしたユーザーは視聴維持率が20%から40%と高い傾向にあります。

この結果からだけでも、媒体によって動画のつくり方とアプローチの仕方を考えなければなりません。インサイドセールスのファーストフックとして動画を活用しながら現状のリストを攻めるのもアリですよね。

KDIをギリギリで設定、自身が成長する環境を作る

──動画でどう成果を上げるか、といった視点は入社後にインプットされたのでしょうか?

前職でも広告の知識は身につけていましたが、現職での制作部と協力して企画書作りを行ったり、実際にお客様との対話を通して、より数値的なロジックを持って理解していった部分も多いですね。

そういう意味では、入社して8カ月で急速にインプットしました。ポイントは、アクションの数だと思っています。気づきを得るために個人でのKDIを多く設定していたので、それだけは達成しようと行動しました。その結果、いつの間にか身についていきましたね。

──数をこなすうえでの原動力は、どこから来ているのでしょうか?

自分で決めて達成するのは好きなので、代表やマネージャーから言われた数字を追うのではなく、「今期これだけ売上を上げたいです」と目標設定を行いました。

そして、目標から因数分解してKDIに落とし込んでいました。そのKDIは少し現実味がないぐらいのギリギリのところで設定し、「やりきるしかない」と自分の決断に自分が対応する。そこが原動力になったのだと思います。

──この先の事業展開では、何を見据えていらっしゃいますか。

今目標としておいているのは契約者数とBtoC向けの配信プラットフォーム作りの2つですね。DOOONUTはBtoBなのでBtoC向けの新しいものへ変えていくこと。そのために通過点としてDOOONUTの契約者数を目標に定めています。そこから得られた資金や仕組み化したノウハウをもとに新しい事業に取り組んでいきたいですね。

DOOONUT事業にコミットし、会社を成長させる

──戸山さんご自身の今後の展望についても教えてください。

今は自社プロダクト「DOOONUT」に対して、中期計画にコミットしていく強い思いがあります。 弊社では、中期計画として5カ年計画があり、それがあと4年です。その目標を達成させるための戦略をしっかりと考えて行動していきたいと思います。

──今後ますますご活躍されることを期待しています!本日は素敵なお話をありがとうございました!



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マーキャリ 編集部

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