「みんなを幸せにするPR活動」転職の先に見つけたマーケターとしてのやりがい

「みんなを幸せにするPR活動」転職の先に見つけたマーケターとしてのやりがい

Profile

鄒 久美子 メリービズ株式会社

前職までは証券会社での営業のほか、ITメガベンチャーでの経営企画や総務などを経験。
業種にとらわれない、さまざまなポジションを経験したことで、自身が一人だけでなく協業・サポートし、関わった人すべてを幸せにする働き方が合っていると気が付く。
「何か1つのスペシャリスト」でなくても、人を幸せにしたい優しさ、前職で培った企画力やコミュニケーション能力などのスキルを掛け合わせ、ビジネスディベロップメントチームでマーケティングPRとして働く。現在は子育てと両立しながら、セミナーやニュースリリースなどの企画・制作に尽力している。

目次

証券会社の営業を含め、さまざまな業務を経験した後、マーケティングPRへとキャリアチェンジを果たした鄒(つぉう)さん。

前職でもやりがいは感じつつも、結婚後のキャリアや、自分の仕事が人を幸福にできるのかどうかなど、多くの悩みを抱えていました。
現在の仕事では、自分も顧客も、すべての人が幸せになれることを意識して活動しています。そんな鄒さんに、現職との出会いややりがい、ワークライフバランスなどについてお伺いしました。

約1,000名のリモートスタッフが登録するオンラインアウトソーシング事業

──まず、現在勤められているメリービズ社の事業内容を教えてください。

弊社はバックオフィス向けにサービスを提供している会社で、経理業務を中心としたオンラインアウトソーシング事業を行っています。具体的には、お客様ごとに専属チームを作り、豊富な経理知識を持っているリモートスタッフが業務を代行しています。現在は1,000名以上のリモートスタッフが弊社に登録しています。

バックオフィスでは、利益に直接影響するコア業務と、コア業務を支えるノンコア業務があります。経理のノンコア業務は、決して誰でもできる業務ではなく、ルーティン性と確実性、そして一定の専門知識が必要になります。このノンコア業務は誰かがやらなければなりませんが、自社だけで対応しようとすると、月末月初の残業が増えたりコア業務が進められないという問題が生じることが多々あります。そこで、この「誰かにやってほしい」ノンコア業務を中心に、弊社が業務代行しています。



──マーケターとしての業務内容について教えてください。

現在はビジネスディベロップメントチームに所属しており、その中で主に携わっているのは、マーケティングとPR、協業の部分です。具体的には、他社ベンダー様と共催セミナーを開催して新規リードを獲得したり、リード育成目的の自社セミナーを開催したりしています。他には、導入事例記事の取材・ディレクションや、ハウスリスト向けニュースレターの配信なども行っています。

ファンになってもらえるようにPRする

──鄒さんのミッションについて教えてください。

弊社のファンになってもらうことがミッションですね。既存のお客様はもちろん、弊社のサービスに興味を持ったばかりの方もそうです。そのため、配信しているニュースレターも、ビジネスメールというより、あたたかいハートフルなコンテンツを意識しています。最近では、商談時にお客様から「いつも楽しく読んでいます。」といったコメントをいただいたり、「さまざまな情報提供ありがとうございます。御社サービスが必要なタイミングがきたので、サービス詳細を聞きたいです。」といったお問い合わせをいただいたりする機会も増えてきました。

また、イベント登壇も大事に考えています。実は1年ほど前までは、代表の工藤以外はイベントに登壇する機会がほとんどありませんでした。そこからマーケティング、PRの観点で何をすべきなのかをメンバーで話し合い、「メリービズは、ここに立っているべきだよね」と考えるイベント・セミナーには必ず登壇するようにしています。経理の方がイベントに参加する際、「あの会社、よく見るな」「良いイベントには必ず出ているな」と思ってもらう状態が理想です。



──KPIや評価制度について教えてください。

半年ごとにチームMBO・個人MBOを立てています。ただ、目標を立てたあとに注力すべき業務の優先度を変更する場合もあるので、3カ月のクォーターで区切って定量的な目標をしっかり立てて、目指すべきゴールを明確にしながら進めています。

導入事例記事に関しては、何月時点で何本リリースできているか、コンテンツとしての品質がきちんと担保できているか、量と質を管理しています。今後はこの量と質を保ちながら、業界や業種、導入前に抱えていた課題など、どんな方が読んでもお役立ていただけるように記事のバリエーションを増やしていきたいと思っています。

このような目標達成を目指しつつも、マーケとして世の情勢や弊社に求められているものについて敏感に取り入れていきたいので、業務の優先度は正しいか、日々意識するようにしています。



──他チームの方との連携はどのような感じでしょうか。

セールスチームとは週に3、4回定例ミーティングをするほか、毎日必ず一度は会話できるようHello Timeというカジュアルな朝会も実施しています。定例ミーティングで共有する内容は、主に1週間の新規リード数やその質についてです。質とは、弊社にマッチしそうだ、あるいは情報収集だけでアポにはつながらなさそうだ、などのレベルのことですね。

私自身はセールスチームとの連携が多いですが、チーム内には、別のチームと高頻度で情報交換やミーティングを開催しているメンバーもいます。弊社にあるナレッジや、お客様の業務に向き合っているからこそ見えてくる知識や現状、現場にしか落ちていないノウハウを蓄積するためです。そのメンバーから情報をもらうことも多いですし、状況に応じてセールスチーム以外のメンバーとも情報交換やミーティングを実施しながら、ベストな動きができるようにしています。

証券会社での営業、ITメガベンチャーでの経営企画・総務を経験

──今までのキャリアについて、まず1社目を志望した動機を教えてください。

新卒入社した会社は、証券会社でした。証券会社では「見えないもの」を売るからこそ、自分自身の営業の訴求力によって成果が左右されると思い選びました。

しかし、入社後は努力して成果を上げられましたが、気持ち的に満足できませんでした。関わったお客様が「私の営業で幸せになれるのかどうか」という部分を考えすぎてしまい、お客様をいつか不幸にしてしまうのではないかと思うと売るのが怖くなってしまったんです。そのタイミングで転職しました。



──次の会社は、どのような部分に惹かれたのでしょうか。

次の転職では、自分の仕事が、関わる人の幸せにつながり誰かのためになっているとわかる仕事が良いと思いました。かつ、営業時代を振り返り、自分はガツガツ仕事をすることよりも、誰かのサポート役が合っているかもしれないと思うようになりました。

そのため、秘書に近い事務的な業務ポジションにつける会社を選んだという感じですね。担当部署に何か異変が起きていないか、経営陣の意図が現場まで正しく伝わっているかどうかを確認しながら、社長に部署の状況を報告するポジションでした。
その中で、担当部署の事務業務を担当したり、全社のコミュニケーション活性化につながるようなタスクを企画・推進するミッションも持っていたので、ファミリーデーの企画や社内ラジオなども行っていました。

1年間の産育休をとって復帰した後は、総合職に転向し、総務部門でオフィスレイアウト変更や調達などを担当していました。



──現在は、前職から職種が変わっていますよね。その中で大変さなどは感じましたか。

もともと私は、現職にマーケ職として入ったわけではなく、入社後に会社側が私に合った仕事を見つけてくれてくれた、という感じなので、あまりストレスは感じていないですね。
入社当初はセールスアソシエイトというポジションで、セールスチームの事務サポートをしながら、事務業務のオペレーション化を進めていました。何でも挑戦してみたかったので「手が余っているもの全部ください」とのスタンスで働いており、弊社の経理業務の一部なども担当していました。

前職の経験がもたらした現職への好影響「企画力」

──キャリアの中で達成できたことや、成果を上げたと感じる部分があれば教えてください。

現職のサービスについて素晴らしいものだと思っているし、かつ「お客様になんでもかんでもとにかく売ろう」という営業スタイルではないので、弊社のサービスを届けるべき人たちにきちんと届けることで、関わった誰もが幸せになれるPR活動をできていると感じています。
リード獲得時点でそれぞれのお客様が抱えている課題感を認識していますが、弊社サービスを導入後、事例インタビューに伺った際に「メリービズのおかげで状況改善ができました、今ではこんな働き方に変わったんです」とのお声をお客様からいただくたびに成果を実感しています。



──前職でも、さまざまな経験をされていますが、その中での成果はありますか。

ITメガベンチャーの総務部門で経験したことは、今に活きていると思います。1,000名超を巻き込んでオフィスレイアウト変更を主動した際は、各部署社員への説得や調整、業者との調整業務を経験しました。その時に、いま何に力を入れるべきなのか見極めたり、俯瞰して物事を観察したりする力を鍛えられたと思います。



──調整作業は丁寧にやらないといけませんよね。

そうですね。加えて、自分が直接動くのではなく、誰にどのタイミングで任せたら全体が好転するのか見極める力も身についたように思います。

実際、現職でのイベント登壇に関しては、弊社が出るべき場所には必ず登壇できるよう調整する役割も担当していますが、そのイベントの問い合わせフォームから連絡したからといって登壇できるものでもありません。誰にどのタイミングでどのように依頼したら登壇できるのかをよく考えて、弊社代表や役員、時にはパートナー企業様も巻き込みながら、登壇の機会を逃さないようにしています。また、登壇が決まってからも、スポンサーになるのか、基調講演として選ばれるのかでは、意味合いが変わってきます。登壇を通して、イベント参加者にどのような印象を残したいのかを明確にし、その目的を達成するためには今持っている手札のどれを使えばよいのか、という観察力も鍛えられたと思いますね。

物事を完成させる力が身についた

──一方で、前職との違いや成長したと感じる部分があれば教えてください。

前職では、裁量権が限定的だったこともあり、自分ひとりで新しいものごとを作る機会はなかなかありませんでした。
しかし、現在は社内での前例がなくても形にする、0から1を作ることができるようになったと思います。

それぞれの会社を良くできることがやりがい

──次に、マーケティング職の醍醐味ややりがいについて教えてください。

私は感情が強く出てしまうタイプなので、お客様やパートナー企業様、社内メンバーとのやりとりで誰かに喜んでもらえたと感じる瞬間は、大きなやりがいを感じます。

業務の1つとして、MAツールの運用も担当しているため、1案件ずつ新規リードの持つ悩みを事細かに見るようにしています。セールスでの商談後、弊社のサービスを導入することが決まり、オンボーディング期間を経て、安定稼働するまでの軌跡をきちんと見られるのはとても嬉しいですね。

導入事例インタビューで伺った際、お問い合わせいただいたときの悩みが解消されたことを明るい表情で話していただける瞬間は、とてもやりがいを感じます。担当したインタビュー記事1つずつに強い思い入れがあるので、仕事で疲れたときは、自分がディレクションした記事を読み返して元気を出したりしますね。お客様の言葉を思い出して、次も頑張ろうと思います。

その他、イベント・セミナーを通して他社さんとの関係性が強化されたことで、お互いに高め合い、バックオフィス業界をよりよくしていくための
仲間として一緒に歩んでいっていると感じる瞬間も、やりがいにつながっています。



──反対に厳しさについて教えてください。

私の業務の多くがPRの役割を担っていることもあり、効果や成果がわかりづらいため、その部分は難しいと感じます。

週1、2本ペースで配信しているニュースレターも、効果があるのかどうか当初はわかりませんでした。現在は開封率やクリック率なども参考にしながら、導入メリットが大きいであろう会社(A)、できたらアポにつながってほしいけれどまだ導入メリットが不明瞭な会社(B)、お付き合いの側面が強い会社(C)とそれぞれランク分けし、どのコンテンツがどの層に響きやすいのかを「見える化」して配信しています。

マーケターはアンテナを張っていなければならない

──マーケティング職に向いている人や、身につけておいた方が良いスキルなどがあれば教えてください。

マーケティング職では、「生ものを扱う」ではないですが、世の中の流れや自分自身やサービスに対して求められている価値が何なのかを常に見て、それに刺さる活動をしなければなりません。そのため、世の中の流れに敏感でいたり、固定観念にとらわれずに変化したりすることを楽しめる人が向いていると思います。

そのほか、色々なことに興味をもって、広く知識を持っていないと厳しい職種だとも考えています。共催セミナーのテーマを決める時も、アイデアや実例をお互いに出し合うので、それらに関わる幅広いノウハウや知識を持ち、アンテナを張れるほうが楽しいのではないかと思います。



──現在、スキルアップやチャレンジしていることがあれば教えてください。

自分自身にマーケティングの知識が足りていないこともあり、オススメされた本を読み進めつつ、貪欲に知識を蓄えようと努力しています。他社さんのイベントを見るだけでなく、他社さんに直接尋ねてみたり、勉強会を開催していただいたりなど、さまざまな形でスキルアップを図っています。

仕事をする上で大切なのは、みんなが嬉しい気持ちになれること

──今仕事を進める上で大切にしていることがあれば教えてください。

私と関わった人みんなが幸せな気持ちになれるように仕事をしています。弊社メンバーだけでなく、お客様には、弊社にお問い合わせをしてよかったと思ってもらえるような動き方をしたいですし、協業しているパートナー企業様にとっても、双方の長所を活かしてメリットを最大化できる形にしたいと思っています。

また、弊社に登録している1,000名のリモートスタッフにも楽しく働いてほしいので、リモートスタッフにもお客様からの嬉しい声をできるだけ届けたり、「これを知ったら喜ぶだろうな」と思う情報は出し惜しみせず共有しています。
このように、いろんな人にとって幸福になれることって何だろう、ということを大切にしながら仕事をしています。



──今後のキャリアビジョンについて展望があれば教えてください。

前職では、周囲をサポートすることをメインミッションとしていたこともあり、まだまだビジネスマンとしてできることが少ないと思っています。子育て中のため、あまり時間がないという制約はありますが、そのなかでもビジネスマンとして、色々な分野で一人前になりたいと思っています。



──最後にマーケティング職PR職に転職したいと考えている方に向けてアドバイスをお願いします。

マーケティングPRとして働き始めてからまだ1年半ほどですが、マーケティングはとても楽しい職種だと思っています。最新の世の中の流れを追ったり、自社の素敵だと思うところを外向けにPRしたり、嬉しい反響を最前線で見られるところが楽しいです。自分が進めたことについて、目に見えて喜んでもらえている瞬間に立ち会えるので、そういったことに幸福感を抱く人は向いているのではと思います。

アドバイスとしては、物事に対して固定観念にとらわれずに変化を楽しむことが大切だと思います。マーケティングでは、今までの常識的な部分を変えるような業務に携わることもあります。それまでの常識を変えていくことは、正直大変なこともありますが、その先に今まで以上に良い未来がつくれるものだと思います。それらを楽しむことが、マーケティング職の醍醐味だと思っています。



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マーキャリ 編集部

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