新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大に伴って、不要不急の外出の自粛や「三密」の回避、全国への緊急事態宣言の発令など私たちの生活に大きな変化を与えております。また、この大きな変化は学生の就職活動にも影響を与えており、中には既に内定が決まっていた企業から新型コロナウイルスの影響で入社式直前に「就職内定取り消し」の連絡が入ったというケースもあるほどです。
今回はそんな新型コロナウイルスと就職活動に関することを解説していきます。 ぜひ、最後までご覧いただけますと幸いです。
新型コロナウイルスの影響による就職活動の変化
そもそも、昨今の新型コロナウイルスの感染拡大の影響で全国への緊急事態宣言の発令や不要不急の外出の自粛などの取り組みが行われている中で、私たちがもっとも警戒するべきなのが3つの「密」だと言われています。下記が警戒するべき3つの「密」です。①換気の悪い密閉空間
②多数が集まる密集場所
③間近で会話や発声をする密接場面
引用:首相官邸ホームページ(https://www.kantei.go.jp/jp/content/000061868.pdf)
上記の3つをまとめて「三密」と呼んでおりますが、これらの条件が揃っている場所(ライブハウスやカラオケボックス等)ではクラスター(集団)感染のリスクが高いとされています。このような状況の中で企業でも様々な対応をせざるをを得ず、リモートワーク(テレワーク)の導入や時差出勤などを行っておりますが、急速に業績が悪化する企業が増えており従業員の解雇のみならず廃業まで追い込まれるという企業も存在します。
上記を踏まえた上で、新型コロナウイルスの影響により就職活動がどのような変化を見せているのかを簡単にまとめます。下記が就職活動関連で起きた変化となります。
各社の企業説明会などの延期や中止
「三密」の回避のために大規模な合同説明会はもちろん、個別の説明会なども次々と延期となっております。また、緊急事態宣言の発令後には延期をしていた企業の説明会が中止になるだけでなく、一部の選考等が再開未定の延期になってしまうことが相次いでいます。企業説明会や一部選考をWeb(オンライン)化
上記のような企業説明会が延期または中止となる中で、Web説明会という形式で実施をする企業も増えてきております。また、企業によっては一部選考までも直接対面で行うのではなくWeb面接という形に変更しております。以上が最近で起きた変化です。
新型コロナウイルス感染拡大に対しての就職活動の実態
ここからは株式会社マイナビが2021年卒の大学生を対象に行った「新型コロナウイルス感染拡大に対する就職活動実態調査」をもとに新型コロナウイルス感染拡大に対しての就職活動の実態を解説していきます。自身の就職活動に影響があると答える学生が大半を占める
今回の新型コロナウイルスの感染拡大への対応について、自身の就職活動に何らかの影響があると答える学生が82.9%、どちらともいえないと答えた学生が12.0%となっております。 一方、影響がないと答える学生は全体のわずか5.1%となっていることから、感染者の多い地域ではなくとも影響があると考えていることがわかります。今後の就職活動の「Web(オンライン)化」についてはやや不安がある
先ほど、 企業によっては一部選考までも直接対面で行うのではなくWeb面接という形に変更しているとのご説明をしました。そういった就職活動における「対面」または「Web」での実施については下記のような結果が出ております。・全工程(会社説明会~最終面接)Web化してもかまわない 16.3%
・会社説明会はWeb化してもいいが、1次面接以降は対面での実施が望ましい 49%
・会社説明会~1次面接まではWeb化してもいいが、2次面接以降は対面が望ましい 17.5%
・会社説明会~最終面接前まではWeb化してもいいが、最終面接は対面が望ましい 6.6%
・全工程(会社説明会~最終面接)対面での実施が望ましい 10.4%
リモートワーク(テレワーク)の導入に伴い、企業説明会だけではなく一部の選考までも直接対面することはなくWeb面接という形式を採用している企業も存在します。しかし、就職活動をする学生にとっては直接対面でないと伝えられない熱意はもちろん、Webでは企業側のリアルな雰囲気などを知ることが難しいため、企業説明会以降は対面での実施を望んでいる方が多いという結果になっております。
参考:マイナビ2021年卒大学生新型コロナウイルス感染拡大に対する就職活動実態調査(https://www.mynavi.jp/wp-content/uploads/2020/03/%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%83%8A%E3%83%932021%E5%B9%B4%E5%8D%92%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E7%94%9F-%E6%96%B0%E5%9E%8B%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%8A%E3%82%A6%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%B9%E6%84%9F%E6%9F%93%E6%8B%A1%E5%A4%A7%E3%81%AB%E5%AF%BE%E3%81%99%E3%82%8B%E5%B0%B1%E8%81%B7%E6%B4%BB%E5%8B%95%E5%AE%9F%E6%85%8B%E8%AA%BF%E6%9F%BB.pdf)
今後起こりうることとは?
先ほどは、新型コロナウイルスの影響による就職活動の変化をご説明しました。 ここからは今後起こりうるであろう変化をいくつか解説していきます。全ての説明会や選考をWeb(オンライン)で行うようになる
先ほどもご説明しましたが、すでに一部の企業では会社説明会はもちろん、選考までもがWebで行われるようになっております。そのため、今後も長引くであろう新型コロナウイルスの影響を考えて、全ての説明会や選考をWebで行うことは十分に考えられます。大学の休講などによる就職活動全体に対する遅れが発生する
新型コロナウイルスの影響から休講になる大学がほとんどです。そのため大学のキャリアセンターなどを十分に利用することができず、今後はさらに就職活動全体が遅れてしまう可能性があります。企業側の採用人数や採用時期等の計画が見直される
急速に業績が悪化する企業が増えており、従業員の解雇のみならず廃業まで追い込まれるという企業も存在しております。そういった背景から新たに採用する従業員の数を絞るということはもちろん、そもそも採用試験自体を取消してしまう企業も今後は増えると予想されます。まとめ
今回は新型コロナウイルスが就職活動に与える影響などを解説をしました。最後に今回の記事を簡単におさらいします。まず、昨今の新型コロナウイルスの影響により就職活動関連で下記のような変化が起きております。・各社の企業説明会などの延期や中止
・企業説明会や一部選考をWeb(オンライン)化
こういった変化を受けて、自身の就職活動に何らかの影響があると答える学生が82.9%、どちらともいえないと答えた学生が12.0%とほぼ大半の学生が影響があるのではないかという不安を抱えていることがわかります。また、長引くであろう新型コロナウイルスの影響で今後起こりうるであろう変化は下記のようになります。
・全ての説明会や選考をWeb(オンライン)で行うようになる
・大学の休講などによる就職活動全体に対する遅れが発生する
・企業側の採用人数や採用時期等の計画が見直される
これまで前例のない出来事となりますので、この変化にどう対応するかによって今後の就職活動の在り方が一気に変わるのではないかと考えます。