働き方改革が施行されたことにより、会社の体制や制度が変わったなんて人も多いと思います。企業も個人も今まで以上にビジネスマンのキャリア展望に目が向けられている中、マーキャリ会員によるキャリアチェンジに伴った体験談をシリーズものとして連載していくのが本企画です。
今まさに自身の今後のビジネスライフに向けて働き方を変える動きをしている方もまだキャリアプランが漠然としている方も参考になる内容になっておりますので是非ご覧ください。
今回の記事投稿者:フルサワナナコさん
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1.自己紹介
こんにちは、フルサワナナコです。地方で在宅のフリーランスをしています。
今日は、私が新卒で入った企業を3年弱で退職し、未経験の業種に転職した体験談をお伝えします。
特に、入社してすぐに辞めたくなっている人や、第二新卒といわれる世代で転職をしようか悩んでいる人の参考になれば嬉しいです。
2.キャリアチェンジまでの流れ
2009年に新卒で入社したのは人材会社。職種は営業でした。
学生時代のアルバイトも長期で続いたものはなかった私は、社会人になって初めて「自分で働いたお金で生活をする」という基本的な経験をしました。
「働く」ということがどういうことなのか、そこにどんな責任があるのかを知らなかったからこそ、入社後に「こんなはずじゃなかった」「こんなことをしたいわけじゃない」と思うことがたくさんありました。
よく「入社後のギャップ」「採用のミスマッチ」というようなことが言われますが、私の場合は入社前に職種や業界はおろか、そもそも「会社員」というものに具体的なイメージが持てていなかったからこそ、ギャップや違和感が生まれてしまったのだと思います。
最近は大学在学中にインターンで働くということが当たり前になり、むしろインターンをしていること自体が就職活動に有利に働く時代なので、そういう意味では今の学生さんたちはうらやましいなと思います。
今思えば、1社めで成果が出せなかったことは「社会人として自立すること」への自覚のなさや甘えが原因だったのですが、当時の自分は「こんなはずじゃない!」「頑張れないなら環境を変えるしかない!」と考えるようになっていました。
3なぜ、転職しようと思ったか?
人材会社にいると、当然ですがたくさんの人の履歴書・職務経歴書を見る機会があります。
そのなかで、「自分はこの先どんなキャリアを重ねていくのだろうか?」ということがまったく描けないことに気づいたのです。
相談した人の中には、「入社後3年は我慢しなさい」というようなアドバイスをくれる人もいました。しかし私は、異業種にチャレンジするのならば若いうちのほうがいい!と思って「第二新卒」といわれる年齢のうちに退職を決意。転職活動を始めました。
4.元のキャリアのスキルが次のキャリアにどう活かされたか?
人材業界の営業職の仕事のなかには面接への立ち合いもあり、面接の場を和ませたり、求職者の緊張をほぐしてあげるように接したりすることが求められます。
この「初対面の人と仲良くなるまでのスピードが速い」というスキルは、次のキャリアではもちろん今でも活かせているスキルです。
転職先の業界は出版業界。雑誌の広告営業を担当しました。
業界の状況は今と大きく変わっていないかと思いますが、出版不況といわれて久しく、紙媒体に広告を出すというクライアントが激減している状況。他社も含めて、大手から出ている雑誌でも休刊になる雑誌もたくさんありました。
クライアントや広告代理店にあいさつ回りに行っても、「雑誌は厳しいですよ」と前向きに売ってもらえることはゼロです。
そんな状態でも、相手に「機会があれば一緒に仕事をしたい」と思ってもらえるよう「相手を知り、相手と仲良くなること」を大切にしていました。仲良くなり会話が増えた結果、新しいアイデアが生まれたり、困ったときに相談できたりする関係をつくることができました。
5.キャリアチェンジで最初大変だったこと
企業規模が1000人以上の大企業から正社員は50人以下という中小企業への転職だったので、働く環境は大きく変わりました。
この「企業規模の変化」は、ある意味「業種の変更」よりも、インパクトがあったように思います。
会社として制度が整っていないことや、業務もアナログな部分が多く戸惑うことも多くありました。例えば、2社目では給与明細は手渡し。交通費など立て替えたお金の精算も、毎月決まった日の決まった時間に取りにいかなければならないというルールもありました。
正直、「非効率だな」と思うことの方が多かったです。
ただ、それ自体が苦痛で仕方なくなるということはなく、時には管理部門の方々に怒られながらも適度に順応していくことができました。一度転職を経験したことで「自分のキャリアは自分で選んでいけるんだ」という実感を持てていたのは、転職してよかったことの1つです。
6.成果をだせたこと
中途入社だったことと、まったくの異業種からの転職だったことで、既成概念にとらわれない発想を持つことができました。
具体的には、「紙媒体への広告出稿」ということにこだわらず、紙媒体とSNSなどのデジタルコンテンツを組み合わせた広告商品を企画することで売り上げを伸ばしました。
また、広告収入のチャネルを増やす目的で、読者イベントを1から企画し実行しました。
会社として未経験のことでも、私の好きなようにやらせてくれたことが何よりも成果が出せた要因ではありますが、社長賞という形で特別賞与をいただくことができました。
7.成果をだせたことの道筋
異業種といえど、前職と同じ営業職での転職だったので、「利益を出す」という目的のために何ができるのか?ということを考えました。
また、異業種からの挑戦でわからないことも多かったので「どうやったら出稿してもらえるか?」ということをクライアントや代理店にストレートに聞くこともしていました。
そうすることで、自分の商材の課題やクライアントが求めていることを知ることができ、解決策を考えるきっかけにもなったと思います。
大手出版社であれば、過去のノウハウが蓄積されていたりひとつの媒体に営業が何人もいてアイデアを出し合ったりということができるのでは、と思います。
しかし中小企業では、すべて自分次第。分からないことは社内外問わず聞きに行ったり調べたり、やってみたいこと・やったら媒体のためにプラスになりそうなことをどうやって実現させられるかを試行錯誤しました。
イベント開催のときには、照明や動画など自分の知識の範囲外のことも、詳しい社外の人に協力を仰ぐことができました。これも、それまで自分が誰とでも、利害関係だけではなくお互いの仕事のことを理解し協力しあうということを心がけていたからこそ実現できたと自負しています。
8.まとめ
転職を考えている人に伝えたいことは、「無駄な経験は1つもない」ということです。
私は転職を決意したころ、職務経歴書に書いてプラスになるような実績もなく「1社目でできるようになったことは何もない」と思っていました。
しかし実際に転職してみると、「営業職としての考え方」や「初対面の人と距離を縮める力」を身につけることができていることに気づけました。
「今の仕事をしている中で自分に自信が持てない」ということも、立派な転職の理由になります。私も、1社めでうまくいかない経験をしていたからこそ、2社めで成功することができたと思っています。
自分が納得できるキャリアづくりのために、がんばってください!