• 2020/04/23
  • 連載企画
  • キャリアチェンジ体験記

学校の英語教師から公務員の事務職へ。異業種へチャレンジするときに役立ったこと【キャリアチェンジ体験記】

  • マーキャリ会員  
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【キャリアチェンジ体験記とは】
働き方改革が施行されたことにより、会社の体制や制度が変わったなんて人も多いと思います。企業も個人も今まで以上にビジネスマンのキャリア展望に目が向けられている中、マーキャリ会員によるキャリアチェンジに伴った体験談をシリーズものとして連載していくのが本企画です。

今まさに自身の今後のビジネスライフに向けて働き方を変える動きをしている方もまだキャリアプランが漠然としている方も参考になる内容になっておりますので是非ご覧ください。

今回の記事投稿者:鷹橋志保さん
⇒鷹橋志保さんのバイオグラフィはこちらをクリック

1.自己紹介

初めまして。 鷹橋(たかはし) 志保と申します。
4年間、中学校・高校の英語教師として勤務したのち、公務員の福利厚生を担当する団体の事務職員に転職しました。
現在はフリーランスWebライターとして活動しています。

今回は私自身の「他業種へのキャリアチェンジ体験談」についてお伝えしたいと思います。

2.キャリアチェンジまでの流れ

教師として就職できたのは良かったものの、忙しい時期には14時間休みなしで働き、激務で体調を崩すことが多くなりました。
「こんな生活をいつまで続けるのだろうか」と感じて、退職を決意。

その後は市役所で臨時事務職員として働きながら仕事を探し、事務職に転職することができました。
転職活動中は臨時事務職員の仕事の合間をぬって面接や筆記試験に出かけていました。
転職先が無事決まるまでは相次ぐ不採用に心が焦ってばかりの日々。
ようやく就職が決まったときはほっとしたのを覚えています。

3.なぜ、転職しようと思ったか?

生徒の前で授業をしたり、個別指導をしたりといった「教える仕事」は私の肌に合っていました。
生徒たちが「わかった!」と言ってくれたときや、苦手を克服して成績が上がったときはもちろん嬉しいですし、生徒たちがつまずきやすいポイントを先回りして考え、対策を練る過程はシンプルに楽しいものでした。

その一方で、教師の仕事は突発的に発生する様々なトラブルに臨機応変に対処することが求められます。
部活中に生徒が怪我をした、友達同士でケンカをして学校の備品を壊した、校舎内で通学用の定期券をなくしてしまった、などなど……。
忙しい期間にも容赦なく急なトラブルが発生し、そのたびに対応に追われる日々。
いちばん大切にしなければならない生徒とのコミュニケーションや授業の準備に、時間とエネルギーをさく余裕がないこともしばしばでした。

忙しい日々を送るうち、体調を崩すことも多くなりました。
そんなときに、「もっと自分の仕事に集中して、丁寧に仕事がしたい」と強く感じたのです。

4.元のキャリアのスキルが次のキャリアにどう活かされたか?

事務職は、ひとつひとつの仕事を正確にこなすことが求められる一方で、業務の効率化も期待されている仕事です。

・生徒のつまずきを予測して回避する発想力・問題解決思考
・教材になった話の背景まで幅広く下調べをすることで得た「資料を調べる力」

など、教師として働く上で必要な能力を生かすことは思ったほど難しいことではありませんでした。

加えて、教師が実際に担当する仕事は授業だけではありません。
成績表や内申書などの書類作成も立派な教師の仕事です。
事務の仕事は教師時代に経験した業務と重なる部分もあり、想像していたよりも早く慣れることができました。

また、事務に転職するとき、周りから「事務職員はずっとパソコンに向かっている人というイメージがある」と言われたことがありますが、実際には全く逆です。
むしろ、

・電話での問合せや顧客訪問に対する応対
・クレーム対応
・他部署への連絡や調整
・外部との交渉や依頼

など、細やかなコミュニケーションとフットワークを求められる職場です。
こうしたケースでも、生徒同士の間のトラブルへの対処や保護者対応をした経験が役に立ちました。
実際に事務職で働いてみた感想ですが、「もっと早く転職を決めていればよかった」と思ってしまうほどに、自分に合っていました。

5.キャリアチェンジで大変だったこと

転職活動の段階では、「教師の経験がどう事務で役に立つのか」を先方に理解してもらうことが大変でした。
「教師は教壇に立って子供に勉強を教える人」というイメージが強かったのでしょう。
「書類作成や伝票の集計のような地道なデスクワークには適性がないのでは」と面接試験ではっきり言われることもありました。

面接試験ではまずそういった誤解をとくために、
・教師の仕事は授業だけではなく、書類作成や保護者対応、行事の企画なども含む総合的な仕事であること
・多種多様な業務にあたるために必要な能力(コミュニケーション力・企画力・課題解決力・論理的思考力など)は、転職先での仕事にも役立てられる力であること

をアピールしました。
また、他業種への転職となると「前職で何か失敗したのだろうか?」「何か同業に転職できない理由があるのだろうか?」とネガティブに捉える方もいらっしゃいます。
そのようなマイナスのイメージを払拭するためにも、前職で担当した仕事内容を丁寧に説明し、「仕事を通して得た能力は、転職しても必ず役立てられる」と説明するようにしていました。

転職した後に苦労したことは職場での優先順位のルールが転職前とは全く違っていたことです。
教師の仕事は子供の命を預かる仕事です。
子供の安全を守るために、スピード感のある臨機応変な対応を求められます。
しかし、私が転職した会社では「規則で決まっている」「特に必要がなければ前例どおりに」が合言葉でした。
学校とは違い、冗長な手続きを経てからでないと、物品ひとつ買えないことも珍しくありません。
一度そういった煩雑な手続きを省略して仕事を進めようとしたところ、他部署の上役の方からお叱りを受けてしまったことがあります。
こういった大変さがあるとは、教師だった頃には想像もしなかったことでした。

6.成果をだせたこと、その道筋

「定められた手続きを踏むこと」というルールに、当初は戸惑ってばかりいました。
ですが、当時の上司から、
「考え方を少し変えてみるといいよ。決まったことは守らないといけないけど、特に決まっていないことは好きに改善しても構わないから。やってみなさい」
とアドバイスをいただきました。
そこで私は、内部で回覧する書類のフォーマットや共有のエクセルファイルなどを徹底して見直しをすることに。
結果、計算チェック作業がスムーズになり、書類作成にかかっていた時間も半分程度に短縮できました。

学校に勤務していたときに「成績処理をもっとスムーズできないか」とエクセルの使い方を色々と調べた経験が活きた瞬間でした。
「私が今まで悩んでいたことは無駄ではなかった」と実感し、嬉しさと同時に誇らしさを感じたことを覚えています。

7.まとめ

「転職」というと何か特別な経歴や資格、技能などがなければならないと考えがちです。
特に異業種への転職をするときは「自分で通用するのだろうか」と不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。

特別な資格があるに越したことはないですが、たとえ特別な肩書きがなくても、
「自分が前職で担当していた仕事は何だったか」
「その仕事をするにあたってどんな能力が求められるのか」
「自分は目標達成のために具体的に何をし、その結果どうなったのか」
をしっかりアピールしましょう。
「あなたと一緒に働きたい」といってくれる会社が必ずありますよ!

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