働き方改革が施行されたことにより、会社の体制や制度が変わったなんて人も多いと思います。企業も個人も今まで以上にビジネスマンのキャリア展望に目が向けられている中、マーキャリ会員によるキャリアチェンジに伴った体験談をシリーズものとして連載していくのが本企画です。
今まさに自身の今後のビジネスライフに向けて働き方を変える動きをしている方もまだキャリアプランが漠然としている方も参考になる内容になっておりますので是非ご覧ください。
今回の記事投稿者:kyohei2915さん
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こんにちは。
まずは自己紹介をさせていただきます。
私は現在、2020年1月に創業したスタートアップのベンチャー企業に参画しています。メンバーは代表と役員1名、それと私です。
ミッションとしては、IT技術を駆使して、建設業界を変革する。ということを使命にしています。
そして社内でも私に与えられている業務は「なんでも」です。
文字通り、営業、経営企画、総務・法務・労務全般、と、なんでもやります。
ちなみに、私はもともと前職で建設業界にいたわけではありません。また、IT業界にいた経験もありません。かと言って経営者ではないですし、資格などの特殊能力もありません。
すべて未経験な状態でしたが、代表の「建設業界を変革したい」という熱い思いに感銘し、お誘いを引き受けました。
では、業界未経験の私はなぜ異業種に飛び込むことにしたのか、きっかけや当時の思いなどについてお話していきたいと思います。
自動車ディーラー時代
私は専門学校を卒業し、自動車ディーラーへメカニックとして就職をしました。就職先からもお察しの通り、自動車系の専門学校に入学しました。
最初は自動車の整備の仕事をしたいと思い、自動車のメカニックになりました。しかし、現実問題として給料も安く、先輩達も体育会系のノリでどこか自分と合わないなと感じていました。
キャリアプランを決める
元々接客や話すことが得意でしたので、メカニックを数年経験した後は、自動車の販売、つまり営業マンになることをキャリアの目標としていました。
私は現在でも、短期、中期、長期で自分がどのようなキャリアプランを進みたいかを決めています。
もちろん、短期の目標は変わるケースもありますが、今のところ、長期の目標とズレはないので、問題はないと考えています。
私の長期での目標は「年収2,000万円超」です。目標はもう少し細かくありますが、こちらでは割愛します。現在計画より少々遅れていますが、概ね順調です。
目的を持って行動を起こす
当時の自動車ディーラーは、大卒での営業マンの募集はありましたが、メカニックから営業になるケースは少なかったようです。
しかし、入社後2~3年以内で営業マンになろうと思っていた私は、どうにか上司たちに自分は接客が好きだということをわかってもらうために、たくさんの方法を考えていました。
日々工場で作業をしていると、営業マンがショールームからお客様を連れて工場に来ることがありました。
購入を検討しているお客様や、自分の車を整備で入庫しているお客様です。「ここだ!」私はすぐに思いました。
お客様と会話ができ、アピールできるタイミングはここしかありませんでした。工場に来るような方ですから、もともと車好きなお客様が多く、私はメカニック(新卒1年目の小僧でしたが…)としての知識を明るく元気に説明しました。
もちろん、お客様に対して満足いくサービスを提供したいという気持ちはありましたが、100%ではありません。
私の目的はあくまで、先輩や上司に接客もできるということをアピールすることでした。
営業マンへの転身と挫折
このアピールが奏功したのか、当時の営業本部長の耳に入り、私は新卒入社後8か月で営業部門に配属されました。
当時はもう少しメカニックとしての経験を学びたいという思いもありましたが、キャリアプランや目標のことを考え、すぐに営業マンへの転身を決意しました。
しかし、営業の世界は甘くありませんでした。
5年間、営業マンとして自動車の販売を行ないましたが、はっきり言ってまったく売れませんでした。(だいたい毎月後ろから3番目とかの成績です…)
5年目のころは、どうせ頑張っても売れないと不貞腐れ、営業中の暇な時間はサボることが多くなり、車も売れず、会社での評価も散々でした。
車の営業も飽きたし、辞めるか。と言い訳をし、ほとんど逃げ出すように転職活動をしました。
コンサルティング会社時代
その後転職したのは、コンサルティング会社の社長秘書です。
色々と転職サイトを探し、単純に「楽そう」という理由から面接を受けました。
営業マン時代に学んだ人当たりの良さもあってか、無事入社となりました。(後から聞くと応募者数が200名程度いらっしゃったそうです)
経営者の目線
その会社では非常に刺激的な出来事が多かったです。
経営者という立場の方とは接する機会のなかった私は、経営者の考えていること、仕事術、悩み、遊び方など、たくさんのことが新鮮で、毎日吸収することが多くありました。
特に数字に対する経営者とサラリーマンの意識の違いは、乖離が大きいと感じました。
従業員1人にかかるコストは、その従業員が貰う給料だけではありません。「採用、育成にかかるコスト」「社会保険料の半分負担コスト」など、従業員1人にここまでコストがかかることを私は知りませんでした。
それにも関わらず、私は車も売らず、利益も出さず、ただサボって給料を貰っていたのです。(当時の皆様、本当にすみません)
私は、社長秘書になって、この生々しい現実を知らなければ、今でもコストなど考えずにサボり続けていたでしょう。
経営者の秘書という立場は、普段従業員が気にかけないところまで気を配る。とても勉強になる体験でした。
お客様の目線で考える
入社から3年程経ったある時、当時の社長がプレイヤーとしても日々多忙で、担当しているクライアントを継続できないということから、そのクライアントの開業プロジェクトを請け負うこととなりました。
とりあえず開業までの数ヶ月なので、愛想よく対応し、各業者さんにも協力してもらえばなんとかなるだろう。そんな甘い考えで開業のプロジェクトを指揮しました。
そこで得たものが、自分自身の不甲斐なさと、現在の会社の代表との出会いです。
開業まではできたものの、良質なコンサルティングができたかと言うとまったくできておりません。
ただ愛想がいいだけでは何も成し遂げることはできないということを強く痛感し、自動車の営業マン時代になぜ売れなかったのか、その時にわかりました。
コンサルタントの仕事はクライアントの目線に立ち、クライアントが抱えている問題を一生懸命に考え解決しようとすることで、クライアントの悩みを聞いているだけではただの御用聞きと同じです。
もし仮に知識がなくても、クライアントと同じ目線で問題を解決しようと一生懸命に考えれば、クライアントからの信頼を勝ち取ることができます。
信頼が勝ち取れれば、どんなものも売れるし、どんなこともクライアントは理解してくれます。
「お客様(クライアント)の目線で考える」
単純なようで、まったくできていませんでした。
法律を学ぶということ
プロジェクト終了後は、本社内の秘書、総務、法務、管理系の仕事を任され、訴訟対応や弁護士との折衝を主な業務としていました。
内勤はあまり得意ではないのですが、訴訟の対応などは社内で誰もやりたがらないので、半ば強制的にやることになりました。
この仕事も非常に発見が多かったです。
たくさんある発見のなかの一つですが、「企業間トラブルの発生源と争点の多くは、『数字』が多く関係している」ということです。
言われてみれば大したことではないので簡単にお話しますと、「費用」「日付」「人数」「〇%」など、数字に関する認識の違いが多くのトラブルを生んでいると私は感じました。
よくありがちなのが「甲及び乙が合意した日(金額)で~」など、数字で表していない場合は、トラブルになった際にだいたいそこが争点になります。
最初はトラブルになることなど想定していないので、良い信頼関係があるからと適当な契約を交わす企業は多いそうです。
しかし、良質な信頼関係を継続するためにも、契約内容を整理し何度も協議を重ねて締結をすべきであると考えます。
法務はその成果が見えにくい部署です
私が担当して契約内容をチェックした取引先とはトラブルになることはないと思いますが、その成果が日の目を見ることはないでしょう。
現代表とのこと
法務としての仕事は1年ほど続けましたが、自分自身がもっと成長できる場が欲しいと思い、同時に転職活動を行なっておりました。
転職活動をしている折に、現在の会社の代表から連絡がありました。内容は「今期のアニメの良作は?」でした。(笑)
代表は、私が大失敗をした開業プロジェクトの外注先でもあり、共にあのプロジェクトで苦労をした仲でもありました。
共にクライアントから怒られ、帰りの新幹線でそのことについて愚痴を言っていた記憶もあります。
プロジェクトが終わってから1年ほどはお会いする機会がありませんでした。
普段からプライベートの話もしていたので、久しぶりに食事をしようということで食事をしました。もちろん、私のプロジェクト以後の状況もお伝えしました。
スタートアップ企業で「なんでもやる」
その数か月後、突然代表から連絡があり「起業をするので、手伝ってもらえないか」と打診がありました。
私以上に優秀な方はたくさんいる世の中です。代表は交友関係も広いため、優秀なご友人もたくさんいます。私は尋ねました。「なぜ私なのでしょうか」
すると代表からは特に以外でもない言葉が返ってきました。「あなたは何もできないのに、なんでもやるから」だそうです。
私は、昔からどんなことでもやってみるという精神で、過去の経歴からもわかる通り、異業種でも特に疑問や恐れを持たずにチャレンジします。
たまに友人から「新しい環境は怖くないのか」と質問を受けます。私は「何も知らないまま終わるほうが怖い」と答えます。
私は現在文字通り「なんでもやる」人になっています。
もちろん「なんでもやる」には「会社、社会、自身の繁栄と発展に繋がることであれば」という前提が付いております。
まとめ
いかがでしたでしょうか。長くなってしまいましたので、最後は簡単に私のキャリアのなかで大事にしていることをお伝えしたいと思います。
今までに、職場はあまり変わっていませんが、多くの職種を経験しました。
キャリアプランの短期、中期の目標は、働き始めたころから考えると軌道がずれているとも感じています。
ただ、長期の目標は変わりませんし、自分のなかで変わらない思いがあります。
当時は言語化することはできませんでしたが、今になってようやく皆さんにもお伝えできる形に言語化できてきたかなと思っており、この言葉はいつも自分に言い聞かせています。
目標(目的)を持って行動すること
ただなんとなく行動するのは時間の無駄なのでやめましょう。常に考え続けること
自分の目的、相手の立場、社会、環境、常にその場その時の最適を考え続けましょう。変化を受け入れ楽しむこと
時代は待っていてくれません。新しきを受け入れ、自分を変化し、常に人生を楽しみましょう。貴重なお時間で御覧いただき、誠にありがとうございます。
皆様のご活躍をお祈り申し上げます。